高校野球中継がおわったので、今週から関西圏でもプリキュアの放送は通常通り、日曜日朝8時半にもどりました。でも、すでにお伝えしているとおり、全国学校事故事件を語る会の合宿がありましたので、プリキュアを録画で見たのはつい先ほどってことです。
さて、今日はゆかり(キュアマカロン)がメインになる回ですね。また、ゆかりがメインになる回は、同級生でタカラヅカ男役風のあきら(キュアショコラ)が何かとからんでくるので、全体的に画面がタカラヅカ風味の回になります。
今回の物語ですが、茶道のお師匠さんの孫娘であるゆかりが、おばあさんに頼まれて、抹茶でスイーツをつくってお茶会に届けるところに敵・エリシオがやってきて・・・というのが、基本的な展開です。
ただ、エリシオはプリキュアたちの弱い心につけこんでくる敵。また、ゆかりは「なんでもできるおりこうさんな孫娘」のイメージを崩したいけど崩せないとか、「おりこうさんでお高くとまっているがゆえに、誰とも仲良くなれない」という悩みを抱えています。そこに、エリシオがつけこんでくるわけですね。このゆかりの悩みを描く場面では、いつもゆかりのことを気遣ってそばにいる男役風のあきらに対して、どうしても素直になれない娘役風のゆかりの姿を描いてまして・・・。ここだけ見ていると、まあ、タカラヅカ風味なわけです(笑)
そのエリシオがゆかりの弱い心につけこんでくる場面の描き方が、またまた、うまい。エリシオは抹茶でつくったお菓子・マカロンをもって出かけようとするゆかりの前に、等身大のゆかりの姿が映る鏡を置きます。その鏡の世界にゆかりが入り込むと、そこには幼い頃からの「おりこうさん」的なゆかりのエピソード場面がたくさんならんでいます。また、そこに「ひとりぼっちでさみしいゆかりの分身」が現れてきて、その鏡の世界にゆかりを縛り付け、闇の世界にゆかりを誘い込もうとするんですね。
でも、ゆかりはこの数か月間のプリキュアの仲間たちとの出会いのなかで、自分が変わったことを、その分身に語りかけます。仲良しのあきらを含めて、自分から積極的に仲間たちの世界に入り、いっしょにスイーツづくりなどをはじめることで、少しずつだけど笑えるようになった。そんなことを分身に語って聞かせます。このあたりで、今回の放送の冒頭から、他のプリキュアたちが「ゆかりって何か、変わったね」とか「かわいらしくなったね」という話が活きてきます。
そうすると、ゆかりを縛り付けていたものがほぐれてきます。そして、ゆかりはその分身を抱きしめて自分と一体化するわけですね。そこへ、鏡の外からあきらが助けに現れて・・・という具合ですわ。
なんか、この鏡のなかでの分身とゆかりの対話のシーンって、まるで思春期以前の私と、思春期以後の私とが対話して、自己を再統合する・・・みたいな、そんな臨床心理の人が好きそうな物語の展開でした。また、思春期くらいの人のそういう自己の再統合の物語には、それを支えてくれる仲間が必要ってことですね、はい。
まあ、そんなわけで、今回もゆかりが以前のゆかりから成長した姿が描かれました。そうすると、ゆかりが持っていたプリキュアの「結晶」が、またまた、形を変えてきました。この「結晶」は今後、何につながるのか・・・。そこが興味津々です。
あと、予告編によると、来週はあきらがメインになる回。誰にでもやさしく、ていねいに接するあきらに、またまた、エリシオは何らかの弱みを見つけて、つけこむ様子。それがどうやら、あきら&ゆかりの高校の学園祭に、病弱なあきらの妹を連れてくるという話と絡むようですね。