できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

今日(2月21日)のプリキュアの話です~いよいよ新旧引継ぎですね~

2021-02-21 18:04:44 | プリキュア話

今日は2月21日(日)。新型コロナ禍で放送スケジュールが変更になった今のシリーズ(ヒーリングっどプリキュア)も、今日が最終回。次週2月28日(日)からは新シリーズ(トロピカルージュプリキュア)がはじまります。

今日のプリキュアは、今のシリーズを無事に閉じつつ、同時に次のプリキュアのシリーズがはじまることを子どもたちに伝えるという、「新旧引継ぎ」の回になりました。まあ、今のプリキュアたちが苦戦しているところに、助っ人で次のプリキュア(キュアサマー)がやってきて、手助けをすること。それとエンディングのときに、キュアグレースからキュアサマーにバトンタッチが行われること。それで一応「新旧引継ぎ」がおわるわけですけどね。あと、3月の劇場版予告編もCMで流れて、そこでも「新旧引継ぎ」のような短編が放送されるようですし(=基本的には例年秋に上映されているプリキュアの映画が、半年ずれた感じですけど)、今日からCMは次のトロピカルージュプリキュア関連のグッズのものちゆ変わりました。

まあ、そういう「新旧引継ぎ」のことも大事なのですが…。本当に大事なのは、今日の「ヒーリングっどプリキュア」の最後の締めくくりの中身ですね。今日の主な内容は、ネオキングビョーゲンを倒して(=浄化して)から一年たって、のどか(キュアグレース)・ちゆ(キュアフォンテーヌ)・ひなた(キュアスパークル)の3人がヒーリングガーデンへ行き、アスミ(キュアアース)やラテ、ラビリン・ペギタン・ニャトランに会うという物語でした。まあ、ラビリンたちが人間界までのどかたちを迎えに来て、ラテの母親・ティアティーヌの暮らすヒーリングパレスへ案内するという、そういう流れになっていたわけですが。

さて、このヒーリングガーデンの全体像が描かれるのは、今回のシリーズのなかでは、今日が最初で最後かもしれません。アスミにそっくりな先代のプリキュアの像が置かれていて、その前でラテをつれたアスミにプリキュアたち3人は会います。ラテはプリキュアたちの名前が言える程度には少し言葉が話せたり、ほんの少しだけなら跳べるようになったりしています。

また、ラテの母親・ティアティーヌは、1年前のネオキングビョーゲンとの最終決戦で「結界」をはるのにエネルギーを使い、疲れ果てていたわけですが…。プリキュアたちに対して「地球の危機に立ち向かってくれてありがとう。今はゆっくり休ませてもらっている」と、ティアティーヌは伝えます。

そのあと、プリキュアたちは自分たちが持ってきた「すこやかまんじゅう」を、ヒーリングガーデンにいる動物たちに配ります。それを見て、アスミは懐かしい思いを抱きます。いっしょに暮らしていたのどかの父母から、1年前のお別れのとき「ラテもアスミもありがとう。さみしくなるなあ。またあそびに来て」と言われたこと。それを思い出します。

さて、ヒーリングガーデンには、おとなのヒーリングアニマル(地球のお医者さん)の暮らすエリアと、これからおとなになる子どものヒーリングアニマルの暮らすエリアがあります。おとなのヒーリングアニマルたちは、みなティアティーヌといっしょに「結界」をはるのに力を使ったので、今は回復中。すこやかまんじゅうで元気を出そうと話しています。一方、子どものヒーリングアニマルは「プリキュアはかっこいい」「先代のプリキュアにあこがれていた」等々、3人に語りかけます。ラビリンたちはもうすぐ、おとなのヒーリングアニマルの仲間入りをするようです。ちなみに、ラテだけがティアティーヌからうまれたようで、他のヒーリングアニマルは「地球から生まれる」そうです。

そんななか、ヒーリングガーデンに暗く傷ついた部分をプリキュアたちが見つけます。1年前のネオキングビョーゲンの攻撃で傷ついたまま、元に戻らない場所だとラビリンは説明します。そのとき、サルローというおとなのヒーリングアニマルがやってきて、「女王(=ティアティーヌ)は人間に甘すぎる」「人間もビョーゲンズと変わらない」「自然を壊し、地球を蝕む力を人間は持っている」「ヒーリングアニマルは、人間も浄化すべきだ」と言います。

それを聴いたのどかは、「人間もビョーゲンズも変わらない」と思い、キングビョーゲンの言葉を思い出します。「人間も空気や水を汚している。人間も地球にひどいことをしている…」そう思うプリキュアたちですが、自分たちが浄化されるのはやはり「嫌だ」と思うわけですね。

そんななか、おみやげに持ってきたすこやかまんじゅうのなかに、野生のビョーゲンズがまじっていて、メガビョーゲンに変化します。そのメガビョーゲンが、子どものヒーリングアニマルの暮らすエリアを襲い始めます。でも、そのメガビョーゲンは、6個で1セット=つまり「すこやかまんじゅう」から生まれたもののようです。プリキュアたちは変身して、そのメガビョーゲンと対決するわけですが…。アスミは「すこやかまんじゅう」が懐かしく、好き過ぎて、攻撃できません。また、「お前たちが野生のビョーゲンズを連れてきた」「わざわいを何かと持ち込むのは人間だ」といって、サルローはプリキュアたちに怒ります。

そんなとき「ちがう!!」と、ラテが大声を出して、誰かを呼び寄せます。そのときやってきたのが、キュアサマーですね。これで「新旧引継ぎ」のように、キュアサマーの手助けを得て、プリキュアたちは反撃のチャンスをつかみます。

また、プリキュアたちもサルローの怒りに触れ、「今からでも遅くない。最悪の未来を避けるために、地球の多くの仲間がすこやかに生きられるように」自分たちもがんばると伝えます。そしてティアティーヌはサルローに、「あなたの思いはわかる。いざとなれば、私も人間を浄化します。でも、人間には未来を変える力もあります。希望はあります」と伝えます。

その上で「アスミ、(メガビョーゲンを)見ないで」というラテのアドバイスを受けて、4人のプリキュアであらためてメガビョーゲンを浄化します。「キュアサマーありがとう」「新しいプリキュアかな? またどこかで会えるよね」という会話をして、キュアサマーは去っていきます。

キュアサマーが去った後、ティアティーヌは「生きていれば、こういうこともあります」と、野生のビョーゲンズの侵入のことを語ります。プリキュアたちはサルローに対して、「私たち、がんばる」「今はどうしたらいいかわからないけど、地球のお手当の方法を考える」と約束します。サルローはそれを聴いて、プリキュアたちのことを許します。

そして、いよいよヒーリングガーデンから人間界(すこやか市)に、3人のプリキュアたちがもどってきます。のどかは「戻ってきたら、やることがいっぱいある。生きている限り、たたかいはおわらない。でも、生きてるって感じがする」と語ります。これで、最終回はおわりです。

最後に、こうやって最終回のストーリーを整理してみると、本当はこの「ヒーリングっどプリキュア」は「地球のお手当」というテーマで、いわゆる「持続可能な開発」(SDGs)を主題にしたかったのかな…なんてことをちらっと思いました。人間の暮らし方こそが、地球の自然環境を破壊する面もある。だけど、そんな人間には未来を変える力もある。さて、どちらに向けて人間の持っている力を使うのか? そういう問いを、本当は今年の「ヒーリングっどプリキュア」の物語は投げかけたかったのでしょうね。

ただ新型コロナ禍のなか、「ビョーゲンズ」という敵の存在があまりにも新型コロナウィルスと人間とのたたかいをイメージさせるものになってしまって…。その分、このSDGsという主題が隠れてしまったようにも思います。でも、SDGsの目標のなかにも確か「感染症の防止」は含まれていたように思うので、大筋では今のシリーズの主題を外れることはなかったかと思いますが。

しかしその一方で、もしも今の「ヒーリングっどプリキュア」の主題がSDGsだとすると、ちょっと主たる視聴者である幼児から小学校低学年あたりの年齢層にはむずかしい内容だったかもしれませんね。「おとな」の鑑賞にはたえる内容だったかもしれませんが。その分、次作の「トロピカルージュプリキュア」は、思いっきり目線を下げて、幼児から小学校低学年あたりの年齢層向けに物語をつくってくるかもしれません。次週以降はそのへんにも注目して、新シリーズのプリキュアの物語を見ていきたいと思います。

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする