<僕はいつもナマ足だけどね。>
昔、「日曜日はだめよ」という映画がありましたが、それとは全く関係ないナマ足のお話です。
最近、女性のファッションで、パンプスや、サンダルを履くときに、ストッキングを使わず素足のままということが多くなっていますね。
ファッションとしては別に物申すことはないのですが、夏になると、ちょっと困ったことが起きてしまいます。
というのも、毎年何人かの女性が素足で本堂に入るという事態が起きてしまうのです。
本堂は神聖なところですから、素足で入るということは土足で上がるに等しいことですから、そういうことをされると非常に困るんですね。
服装は喪服なのに、足だけは素足とか、服装も夏の軽装でしかも素足というケースもあり、若い女性ばかりでなく、30代ぐらいまでその傾向がみられるようになってきています。
昔はそんなことはなかったんですけどね。
常識として、かしこまってよその御宅へ伺う時に素足で行くことはなかったですし、お寺へ法事や葬儀に来る時に普段着で来る方もありませんでしたから、当然素足はあり得ませんでした。
ハレとケ(非日常と日常)の区別が曖昧になってきた結果でしょうか。
まあ、日頃ちゃんとしたお宅ではそんなことはないのですが、普段あまり、お寺にも足を運んだことのない方やその親族などにその傾向がみられるようです。
できれば注意したいのですが、なかなか大人を注意するのは難しいですし、施主さんの家族ならまだしも、施主さんがお招きした方ともなると、注意することで施主さんに恥をかかせることにもなりかねませんから、苦々しく思いながらも見過ごすことが多くなっています。
唯一注意しやすいのは、施主さんのご家族の若いお嬢さんです。
しかるということではなく、なぜ素足ではだめなのかを説明し、これを知っている方が将来お嫁に行っても、社会に出ても役に立つし、恥をかかなくても済むよという言い方で注意をします。
実際、こういうしきたりを知っていることで、得をすることはあっても損をすることはありませんから、できるだけ丁寧に説明して、理解してもらうようにしています。
正直言って、ここまで気を使わなければならないのかとも思いますが、わからないものをわからないままにしておくより、理由を理解して、できるようにすることのほうが、その方にとっても利益になると考えて、できるだけ注意するように心がけています。