昨日、山梨県民文化ホールで梨響こと山梨交響楽団の定期演奏会がありました。
この公演はトヨタ自動車と全国のトヨタ販売会社グループがメセナ活動として、アマチュアオーケストラの活動を支援する「トヨタコミュニケーションコンサート」として行われたものです。
つまり、トヨタの後援(バックアップ)で成り立っている公演という位置づけなのでしょう。
以前行われたこの「トヨタコミュニケーションコンサート」では司会者が付き、トヨタのメセナ活動についての宣伝などを公演前に行っていたのですが、今回はそれもなく、公演の最後に指揮者みずから来場者への感謝の言葉とアンコールの曲目の発表があっただけでした。
この不況下にメセナ活動を中断しないトヨタも偉いですが、この辺に経費削減の感じが出ているのはご愛敬でしょうか。
さて、肝心の公演はというと、今回の演目はスッぺの喜歌劇「軽騎兵」序曲とRシュトラウスの交響詩「ドンファン」、休憩をはさんでチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」です。
スッぺの軽騎兵の演奏では、山梨交響楽団オーケストラワークショップで学んだ学生さんたち数人が一緒に交じって演奏していました。
ワークショップの学生さんたちを交えての演奏というのはなかなか良い企画です。
そこで学んだ子供たちがいずれ団員になってくれるかも知れないし、その家族なんかも演奏を聴きに来てるれますから、集客アップにもなりますしね。
指揮は梨響とは何度も共演している北原幸男氏、今回メガネをかけて登場。
これってもしかして老眼鏡?北原さんも年をとられたということでしょうか。
ゲストコンサートマスターはN響第二ヴァイオリン首席の永峰高志さん。
やはり終始リードの仕方が違うというか、弦のパートのまとまりがとてもよかったような気がします。
それに、悲愴の第四楽章の最後のチェロとコントラバスの演奏だけになって終わるところでは、チェロとコントラバスに指示するかのように体をリズムに合わせて動かして、きっと心配で体が動いちゃったんだろうなと思わせるようなシーンもありました。
それから、今回舞台にはハープが2台も置かれていて、公演前にしきりにチューニングをしています。
この演目にハープって使ったっけ?とちょっと疑問に思いましたが、チャイコフスキーの曲にはよくハープが使われていますし、使ったかも知れないなと思いながら演奏を聴いていました。
悲愴が終わり、指揮者の北原さんから告げられたアンコール曲の曲目はチャイコフスキーのくるみ割り人形。
ああこのためにハープがあったんだなと納得。
やっぱりチャイコフスキーにはハープは欠かせませんよね。
大ホールでの公演でしたが、やはり客席は満席にはならず、1回席前列にも空席が目立ちます。
観客動員数イコール収入につながりますから、運営は厳しいことでしょう。
それでも、がんばって続けてほしいものです。
来年もまた、楽しみにしています。
ところで、来週の7月5日はN響の山梨公演、これも楽しみですね。