昨日は山梨県立県民文化ホールで行われたN響のコンサートに行ってきました。
演目はメンデルスゾーンの序曲「美しいメルジーネの物語」、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲、ベートーベンの交響曲第7番です。
指揮はクリスチャン ヤルヴィ、ヴァイオリンはマヌエラ 有希 ヤンケ、コンサートマスターはN響の篠崎史紀の面々です。
会場に行くとまだ当日券も売っていましたし、S席に空席も少々あります。
演奏曲目はメンコン(メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲)、べト7(ベートーベンの交響曲第7番)という超メジャーなものなのに、N響といえどもなかなか満席にはならないということでしょうか。
指揮者がクリスチャンヤルヴィでなく、お兄さんのパーヴォヤルヴィだったら満席になったかも知れませんけれど。
最初の曲目が終わって、2曲目のメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲、マヌエラヤンケの演奏を生で聞くのは初めてです。
彼女のヴァイオリンはストラヴィヴァリウスの「ムンツ」とのこと。
最近耳の調子が悪かったのですが、ストラヴィヴァリウスのやわらかな響きは心地よく、少し耳の調子が良くなったような気がしました。
ちなみにマヌエラヤンケのアンコール曲の演奏はありませんでした。
15分の休憩をはさんで、ベートーベンの交響曲第7番。
この曲は好きな曲ですから気合いが入ります。
が、演奏はというと、のっけからフルスピード、第一楽章が終わって一呼吸する間もなく第二楽章に突入、第三楽章になってもそのスピードは緩むことなく、第四楽章まで一気になだれ込みます。
そのために、せっかくの第四楽章の盛り上がりの効果も薄れてしまっています。
もはやはスピード感があるというより、失速して暴走しているような印象です。
その間、指揮者は指揮台の上で踊りまくっているだけで、「やっつけ仕事だからさっさと片付けてしまおう」的な感じさえします。
全体的に大味でベートーベンを水で薄めて引き延ばしたような薄っぺらな感じ、それなのに響きは暴力的です。
こんなベト7を聞いたのは初めてです。
せっかく、ストラヴィヴァリウスで耳の調子が良くなったのに、そのあと拳で殴られたような不快な感じです。
それに、間とメリハリがないせいで、聞いている方も強制的に100メートルダッシュをさせられているような息ぐるしさです。
この曲を聞き終わったあとはスカッと爽快になるのが常でしたが、疲れるばかりです。
この指揮者の良さが全くわかりません。
他の指揮者でN響が演奏するベト7はいくつも聞いたことがあるのですけれど、こんな暴力的な響きは一度も聞いたことがありません。
楽しみにしていた公演ですが、残念ながら期待外れに終わってしまいました。
この公演は7月20日の午前7時20分からNHKFM(山梨県内)で放送される予定のようですから、もう一度聞いて確かめてみたいと思います。
ちなみに、この日最後のアンコール曲はルーマニアのポルカ、たぶんヤルヴィは民族的な曲をアンコールに持ってくるだろうなと思っていましたがそのとおりでした。
しかし、これもまた超ハイスピード、疲れが倍にましたようです。