関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

「誰もが必要な介護を受けられる」・・訳ではないのが介護保険

2009年02月09日 | 医療・介護・福祉など社会保障
 介護のことでご相談を頂くことが良くありますが、容易で無い内容のことが多いです。
最近も党事務所に来られた方からこんな相談をもらいました。

 相談に来られたAさんは、鶴岡出身で関東在住の女性ですが、鶴岡に一人でお住まいの80代のお母さんの介護の問題です。
 
 お母さんは、昨年からケア付き高齢者住宅に入所。部屋に寝たきりで、毎日ヘルパーの介護を受ける他、週何度か訪問看護と往診を受け、他にホールに出てデイサービスにも参加しています。
 デイサービスとは言っても、本人も含めてボール遊びもできない人が多く、食事介助も5,6分でどんどん「詰め込まれる」感じです。
 費用は月11万円前後。本人の年金では追いつかず、娘さんが数万円負担します。

 そこで、「応能負担の特別養護老人ホームに入れないか。身体機能が低下しないようにリハビリもできないか」というご相談でしたが、鶴岡の特養入所待ちの方は9百人近く、平均して4,5年待たされるという状態です。
 一人暮らしですから、申し込めば優先順位は上がりますが、一方、他の施設に移ることによる精神状態の悪化も懸念されます。 
 Nさんもそんなことは想定していたようで、まずは今の施設を継続するということになりました。
 
 以上のお話は、知り合いのケアマネージャーと一緒に聞いて、ケアマネの方からいろいろアドバイスをしてもらったものです。

 具体的な解決策をお示しすることができなくて申し訳ない気持ちでしたが、Nさんとしては、「容易でないことはわかっているけれど、一度しかるべき人に相談して考えを整理したい」ということだったようで、すっきりしたような表情で、「介護をよくするために頑張って下さい」と私の方が激励をして頂きました。
 
 特養以外の施設では、通常10万円以上の費用がかかりますから、国民年金で生活しているお年寄りは普通入れません。
 Nさんのお母さんも、遠方で生活している娘さんの支援でようやく生活している訳です。

 「誰もが必要な介護を受けられて安心」という制度創設時の政府のうたい文句とはかけ離れた介護保険制度を、抜本的に改めなければなりません。