ベン・アフレック主演のアクションドラマ、「ザ・コンサルタント」(The Accountant)を見ました。庶民に優しい町の会計士が、裏社会で大金を動かす凄腕の殺し屋だったというお話です。
幼い頃に高機能自閉症と診断されたクリスチャン(ベン・アフレック)は、人とのコミュニケーションがうまくとれない、自分の思い通りにならないとパニックを起こす、といった症状がありましたが、数字に抜群に強いという能力を生かし、大人になってからは町の会計士として地道な生活を送っています。
一方、彼は軍人の父親から”自分の身は自分で守る”という教育方針のもと、小さい頃から格闘技と強い心をみっちり鍛えられてきたのでした。格闘技にいたっては、インドネシアまで行って修行を受けるほど本格的。狙撃の腕前も半端なく、何百メートル先のターゲットもはずしません。
そうした2つの特殊技能?を生かし、クリスチャンはマフィアたちの裏帳簿を操って大金を生み出し、必要とあらば殺しにも手を出すという、もうひとつの顔を持っていたのでした。ある時、シカゴのロボット会社から会計監査の依頼を受けた彼は、15年分の帳簿を一晩で洗い、問題点を見つけますが、なぜか突然解雇され、命を狙われることに...。
荒唐無稽といってしまえばそれまでですが、おもしろかった! 少々無理やりなこじつけもありますが、パラレルに展開するいくつもの話がひとつにつながる結末にすっきりしました。ダーティヒーローと思いきや、タイガーマスク的な一面?もあり、最後はほっこりさせられました。
アメリカ映画では、所有する車がその人のキャラクターを表わしていることがあって興味深い。例えば「リンカーン弁護士」では主人公がリンカーン・コンチネンタルを仕事場として使っていましたが、本作ではクリスチャンが、エアストリーム社のキャンピングトレイラー(34' PanAmerica)を移動用住宅兼倉庫として使っていたのが印象的でした。
ひとつの町で仕事を片付けると、エアストリームで次の町へと移動して...アメリカの大地を風来坊のようにさすらうクリスチャンが、現代のアウトローのように感じました。
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