イギリス史上初のスキージャンプのオリンピック代表選手となったマイケル・エドワーズの、実話に基づくコミカルなスポーツドラマ、「イーグル・ジャンプ」(Eddie the Eagle)を見ました。
公開を心待ちにしていましたが、日本ではまさかのDVDリリースのみ。主演の俳優さんが無名だからかな~?と思ったら、なんと「キングスマン」のタロン・エガートンではないですか。体重を増やして厚底眼鏡をかけていたので、映画が終わるまでまったく気がつきませんでした。ヒュー・ジャックマン、クリストファー・ウォーケンが共演しています。
子どもの頃からオリンピック選手になるのが夢だったエディ(タロン・エガートン)は、ひょんなことからスキージャンプ選手を目指すことを決意。ドイツの雪山で練習している時に、スキー場の整備係ピアリー(ヒュー・ジャックマン)と出会います。彼はかつて天才スキージャンパーでしたが、傲慢な性格と素行の悪さからスキージャンプ界を追放されたのでした。
エディはピアリーにコーチを依頼するも相手にされず、自己流で練習していましたが、どんなに無様な転び方をしても決してあきらめないエディの姿に心を動かされたピアリーは、コーチを引き受けることにします。やがてイギリスのスキージャンプ出場資格を得たエディは、夢に見たカルガリーオリンピックに出場することとなりますが...。
太っちょのド近眼で、お世辞にもアスリートには見えないエディが、オリンピックに出たい、ただその夢だけを追いかけて愚直にチャレンジし続ける姿に心を打たれました。そもそもスキージャンパーを目指す人たちは6歳から英才教育を受けているというのに、彼がスキージャンプをはじめたのは22歳。しかも指導者さえいないのです。
無謀なチャレンジをして、笑われても馬鹿にされても決してめげないエディ。彼をオリンピック代表選手にしたくないイギリスのオリンピック事務局は、出場資格を厳しくするなど何かと理由をつけて妨害しますが、練習時の記録が正式記録として認められ、エディはすべりこみで出場資格を得るのです。
このまま出場しても笑い者で終わると危惧したピアリーは、力を蓄えて4年後の大会をめざそうと提案しますが...私もエディと同じく、せっかくのチャンスを逃さず、このとき出場してよかった、と思いました。オリンピックは参加することに意味がある。何より彼のがむしゃらにがんばる姿に大きな勇気をもらいました。
すっかり落ちぶれていたもののエディの姿を見てかつての情熱を取り戻していくピアリー。そして、途方もない夢をあきらめて地に足をつけて生きて欲しいと願いながらも、最後には誰よりも応援していた両親。見た後にさわやかな感動が残りました。