セレンディピティ ダイアリー

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ピカールのガレットで朝食を

2021年05月04日 | 料理

フランスの冷凍食品専門店ピカール (picard) を時々利用していますが、私が気に入ってよく買っているのはベーグル、クレープ、ガレットです。

クレープやガレットは自分で作るとなると、生地がたくさんできてしまいますし、きれいに焼くのが難しい。ガレットの場合はせっかくそば粉を買っても、他に使い道がなくてなかなか減らないという問題もあります。

思い立った時に1枚ずついただける冷凍食品はとても便利なんです。

というわけで、ゆっくりすごせるお休みの朝食にガレットを用意しました。

こんな感じで、2つ折りのガレットが6枚入っています。シンプルなパッケージがおしゃれです。

油を薄くひいたフライパンを熱し、2つ折りのガレットを入れ、少し解けたら広げてハム、その周りに土手を作るように溶けるチーズを散らします。(こうすると、後で卵の位置がずれません。)

中心に卵を割ってガレット周りを四角くたたみます。

蓋をして、白身がぎりぎり固まったらできあがり。お皿にのせます。

ベビーリーフとプチトマトをリースのように飾りました。味付けをしなくても、ハムやチーズの塩味と卵黄のコクで、このままおいしくいただきました。

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はじめての金継ぎ

2021年05月03日 | 日々のこと

金継ぎ(きんつぎ)をご存知でしょうか。割れや欠け、ヒビなどの陶磁器の破損部分を漆によって接着し、金などの金属粉で装飾して仕上げる修復技法で、金繕い(きんつくろい)ともよばれています。(Wikipediaより)

私はSNSを通じて金継ぎのことを知りましたが、当初はそれなりの訓練を受け、技術を習得しないとできないものだと思っていました。でも金継ぎのことが少しずつ広まるにつれ、ひょっとしたら自分でもできるかも?やってみたいと思うようになりました。

というのも、昔友人が焼いてくれた手作りの湯呑茶碗に何カ所か小さな欠けができてしまい、そのままなっていたのです。他にも小さな欠けのある食器がいくつかあるので、この際まとめて修理したいと思いました。

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早速ググったところ、金継ぎのキットなるものがあることを知りましたが、修復方法を見てみるとなかなか難しそうで、とても一人でできそうにありません。これではキットを買っても、放っとらかしになりかねないと思ったところ

金継ぎが体験できるワークショップがあることを知り、申し込んでみました。

修復前の写真を撮るのを忘れましたが... こちらのワークショップでは天然の漆の代わりに初心者でも扱いやすい漆の代用素材と接着剤、パテを使って修復を行います。

まず、パテを粘土のようにこねこねしてから、欠けているところに埋め込み、乾いてから、紙やすりで表面がなめらかになるまでこすります。

この後、真鍮粉とうるし風塗料をよく混ぜたものを、修復したパテの上に塗っていきます。私は塗料がちょっと多すぎて、液垂れしたようになってしまいました。(´・ω・)

塗料が乾いたら、金粉を筆で軽くなでるようにのせていきます。この後は家に持ち帰って、完全に乾くまで3日ほどおき、はみ出た金粉を洗い流してできあがりです。

できあがり。金継ぎしたところがワンポイントのアクセントになっています。

友人からもらった手作りのお茶碗は、小さな欠けが6カ所できていましたが、修復した金の部分がもとのお茶碗の色に違和感なくうまくなじみました。

横から見るとこんな感じ。もともとあった模様のように見えます。欠けたお茶碗が魅力的によみがえり、新たな宝物にになりました。

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絵を見る技術 / 13歳からのアート思考

2021年05月02日 | 

最近読んだ、アートの見方に関する本2冊です。

秋田麻早子「絵を見る技術 名画の構造を読み解く」

絵を見る時に、単に好きとか嫌いとかの感覚だけでなく、もっと論理的に理解する助けになればと思って読んでみましたが、期待していた内容とはちょっと違っていました。

私が知りたかったのは、絵を見る時にどういう点に注目したらよいか、ということですが、どちらかというと文化や歴史、宗教といった背景に関する解説を求めていたのだと思います。

本作は絵のフォーカルポイントや、バランス、構成、配列、色彩といった事柄ですが、私はふだんからこうしたことを意識しながら見ているので、それほど大きな発見はありませんでした。それにあまり意識しすぎると、絵を見るのがつまらなくなってしまいますしね。

どちらかというと絵を見る技術というよりは、自分で絵を描いたり、写真を撮ったりする方にとって、役に立つ知識、といえるかもしれません。

末永幸歩「「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考」

この本はおもしろかった! 筆者は中学・高校の美術の先生で、従来の知識・技術偏重型の美術教育に問題意識を持ち、アートを通して「ものの見方を広げる」ことに力点を置いたユニークな授業を展開していらっしゃるそうです。

私は、知識や技術も基礎として大切だと思っていますし、過去の積み重ねがあって、現代の、そして未来のアートがあると思うので、従来型の美術教育も意味があったと思っています。実際、中学の時の美術史の授業もすごくおもしろかったですし。

でもこの本には、現代アートを理解するためのヒントや、かちこちの頭を柔らかくするアイデアがたくさん詰まっていて、これまでにない視点で書かれているのが斬新でした。

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タイトルは ”13歳からの” とありますが、大人の方こそが楽しめる本だと思います。たとえば「リアルさ」に関しての記述では、私自身の経験と照らし合わせて、うなづくことが多かったです。

よくピカソの作品は見た通りに描かれていないと言われますが、実は写実的と言われる作品も、必ずしも見た目通りに描かれているわけではないのです。私は東山魁夷の「緑潤う」を見た時に、それを実感しました。⇒ 水を描く @山種美術館

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誰もやっていないことを生み出すことがアートの本質であり、そのためにアーティストたちは苦悩するのでしょう。以前ポロックの伝記映画を見た時に、ポロックが「やりたいことは全部ピカソが先にやっちまった」と言ってたことを思い出します。

でも彼はその後に、pouring や dripping、action painting という独自の手法を生み出したのですものね。アートはイノベーションと言い換えることができるのかも。

新しい目を見開かせてくれる楽しい本でした。

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