横浜焼売(シウマイ)物語2024

2年ぶり再開。ハマっ子のソウルフードは崎陽軒のシウマイ。漫画書き柴犬溺愛。落語らぶ。晴れ時々ランニング、更新随時

春を呼ぶ、タンホイザーのファンファーレ

2012-03-27 | 日常茶話

この日は朝から空模様が怪しくて、傘を持って海岸通りへでかけました。
県民ホールで母とオペラ鑑賞の日。滅多に聞けないタンホイザー全3幕です。
神奈川県民ホールはバブル前兆期の建築。フルオーケストラの入るコンサートホールが横浜市にはほとんどなかった頃の草分けです。残念ながらバリアフリーの考えはまだ希薄だったようで、この階段はちょっと残念。(車椅子の方や、足の不自由な方は、山下公園側の正面入り口からではなく、一本奥の通用口から入って、エレベーターを使ったほうがよいですよ。)

さて,歌劇タンホイザー、実は全曲通しで聞くのも初めて、みるのも初めて。
プログラムを見たら、メインはオールダブルキャストのすごい構成。
両親が行くはずだったのですが、父が行かれなくなって急遽私にお声掛かり。そんなこんなで席が一階のめっちゃ良い席…。どれくらい良いかっていうと、オペラグラスがなくても、歌手の顔がわかるくらいの良い席…畏れ多い…。




部分的な旋律は、音楽の授業で聴いたことがあったり、ピアノの発表会で弾いたことがあったりでかすかに聞き覚えが…

ああ、この旋律はこの場面で繋がるのか!とか、世界史の欧州中世史の部分を必死で思い起こそうとしているうちにあっという間に1幕が終了。
30分の休憩。

2幕目では有名な宮廷の歌合戦のシーン。
作曲者のワーグナーについて私のイメージは、映画の『ルートヴィヒ/神々の黄昏』での一方的なもの。
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つまり、絢爛豪華、自己主張強し、なかなか策士、ちっと意地悪、皮肉屋だけど,揶揄が高尚すぎて本当の意図は、あまりみんなには通じなかったんじゃないか、とか、もう。偏ってて申し訳ありません。
いろいろ考えているうちに、すっかり夢中になってました。

2度目の休憩時間。
いつの間にか雨がやんでいました。
めずらしくワインなど、飲んじゃったよ。






3幕目の圧巻は、タンホイザー(劇中ではハインリッヒ)と、親友と愛の女王との掛け合い。
ストーリーはというと、クリスチャンではないわたしはもう、突っ込みたくなるところが満載です。キリスト教徒でなければわからない部分も多いし、何より理屈っぽい。でもそれをさておき、曲も構成も文句なくすばらしい。現代のレコ-ディングで使ってる手法は、ほぼ、この中に凝縮されているのではないかしらね。オペラって退屈なものだという先入観が、すっかり吹っ飛んでしまいました。
本当なら父も堪能するはずだったこの公演。代わりに存分楽しんじゃった♪



休憩を入れて,4時間半の超大作。帰る頃には辺りはすっかり夜。星がちらちら見えました。


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後で知ったのですが、バイロイト音楽祭は、ワーグナーが自分の歌劇を存分に演奏したいと思い、この宮廷歌合戦にヒントを得て提案したことだそうです。是非はともかく、作曲家というより、いまでいうプロデュ-サーでもあったのね。ワーグナーさん。