私が死んだあとであなたが読む物語

基本的には「過食症患者の闘病記」、と言っていいでしょう。

「チルドレン」 伊坂幸太郎

2012年05月09日 17時01分28秒 | 読書感想
読みやすい文章でスラスラと一日で読んでしまいました。

おもしろかったです。

こんな人間いない。

そんなことを思いました。

「こんな人間」ってのは陣内って登場人物のことを指しています。

この男はちょっと変わった人物です。

そういった「おかしな人物」が登場したり、「おかしなこと」が起こったりするのが小説ってなもんですが、どうもしっくり入ってこないときがあります。

「おかしなこと」ってのはまあいいです。

「おかしなこと」が起こった方が小説としてはおもしろくなるわけですし何の文句もありません。

しかし「おかしな人物」に関してはどうも穿った見方をしてしまいます。

陣内って人物も常人が言わないようなことを言ったり、やらないようなことをやったりします。

そんなやついないよって冷たく考えてしまいます。

そんなの小説だからじゃん的な感じといいましょうか。

変に腹立たしかったり。

私はもっとリアルに満ちた生々しいものを読みたいんだろうか。

平凡な人物が平凡な言葉を口にして平凡な行動をとる。

この小説の中で私が一番ドキッとしたのは、盲目の男性が置引きの被害に遭う場面でした。

なんか生々しい感じがそこにはあったのかもしれません。