私が死んだあとであなたが読む物語

基本的には「過食症患者の闘病記」、と言っていいでしょう。

「インシテミル」 米澤穂信

2012年05月12日 13時54分17秒 | 読書感想
クローズド・サークルもののミステリー小説です。

外界から隔離された状況で事件が進行します。

クローズド・サークルの傑作といえばクリスティの「そして誰もいなくなた」です。

あれは読み終わった後にちょっとした感動があります。

少なくとも事件が進行するドキドキ感、謎が明らかになった時の爽快感、がともにあります。

この「インシテミル」は事件が進行する分には楽しめるのですが、いざ謎解きの場面となると、どうも肩すかしというか、物足りない感じがします。

こういうのは主催者側の組織が明らかにされないまま終わるケースがありますが、それは別にいいとしても、事件そのもの自体が最後に爆発しきらずに終わったように感じました。

まあ、久しぶりのクローズド・サークルものだったので、それなりに楽しく読めました。