ここんとこ、大蔵貢の新東宝映画がなぜか続々DVDとして新パッケージ化されてリリースされています
新たな客層とコアな新東宝を現役時代に見ていたお金に余裕のあるシニア層をターゲットにしたものか
映画本としても出版されてたり、新東宝のとんでも映画はある意味見てて面白いのは
大蔵貢による見せ物としてのエログロナンセンスな世界観がプログラムピクチャーという製作体制だからできる技でもあったようですね
この作品もサスペンス風にはじまって最終的なクライマックスに幽霊を突然出してくるという
もうシノップスを完全に無視した展開の意外性がハチャメチャすぎて見てるこっちは
お口アングリって言うのが、ある意味今の人には新鮮にうつるのかもしれない
しかし、天知茂という一見ニヒルで冷酷な顔立ちしてる役者さん無くしてこの作品は成り立たないのも事実
この作品に関しては日本映画専門チャンネルで9月に録画しておいたものの視聴です
新東宝映画をリアルタイムで観てた人間ではありませんから
衛星放送でこう言った作品がOAされる機会を逃せられない
中山昭二さんが二役演じていたんですね
中山昭二、久保菜穂子、天知茂三人がファーストクレジットだったんで
中山昭二がそそくさと天知茂さんの奸計でFOしちゃってドーなると思ったら
なんと弟役の二役で、兄の仇を討つ役でさらに天知に体まで蹂躙された兄嫁の久保にプロポーズするのはお約束ですねぇ
久保菜穂子さんも未だヴァンプ女優と呼ばれる前でしょうか清楚な美人妻でしたねぇヴァンプと言えば三原葉子さんに万里昌代さんまで出演されてましたが
未だヴァンプではなかったなぁ
それにしてもこう言った冷徹な役が似合う天知さんって滅多にいない
幽霊を出したのが成功か失敗かどっちでもいいよって思わせるくらいな
天知茂がいなければ絶対にこの映画は作られなかったっていうくらいの天知さんのワンマンショー的な作品でしたねぇ
昭和16年から始まって、作品自体のバックボーンは完全に戦時中なんですが
戦争を全く感じさせない作品だったなぁ
中川信夫にしては幽霊がさほど怖くなかったのが残念でしたけど
我々世代にすると幽霊イコール中川信夫なんですけどね
機会が有れば新東宝作品をもっと観てみたいなぁ
1958年製作、日本映画、新東宝作品
中川信夫監督作品
出演:中山昭二、久保菜穂子、天知茂、三原葉子、宮田文子、万里昌代、胡美芳、芝田新、中村彰、村上不二夫、村山京司、高村洋三、倉橋宏明