柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

葬儀社の社員のスキルを表現

2011年04月10日 | 葬祭スタッフ
初対面の方から「ブログ読んでます」と言われる事がありますが
実はその度に、冷や汗をかいてます。
私自身、とても器用とは言えないし、最近では自分の考えを表現するのが難しいくなるばかりです。

今回はあえて、どう説明したら理解されるか?と考えていた事を書いてみます

葬儀社が求めている事に「質の高い葬儀」とか「葬儀スタッフのスキルアップ」があります。
ところが、小手先の技法しか得ていない気がします。
事前相談の研修をしていると、どこの葬儀社でも同じ問題にぶつかります。

一例です。
「私は遠方に住んでいます。親の葬儀を準備しなくてはならないのですが
そちらの葬儀の手順が解らないので、教えてください」

「はい、もしも親御さんが亡くなられた時には、まず病院から当社へ電話でご連絡ください。
すぐにお迎えにあがります。安置される場所だけ決めておいてください。
解らない事は、その都度お教えしますからご心配には及びません」

ここでの問題は、相談者の質問は
「私の住んでいるところと、実家では習慣が違い、葬儀のやり方も違うのではないか?」との疑問ですが
どちらの葬儀社でも一様に、搬送の話をし始めます。


「葬儀が解らない」=「葬儀のキッカケになる病院搬送を教える事」と、思っているようです。
地方の習慣の違いを説明した人は、ごく稀です。

事前相談は葬儀形式、規模、宗教、費用、手順を主に話す葬儀社ばかりです。
ちょうど見積もりの項目を埋めていくように説明をします。

相談者は多分、葬儀経験が無いから
問われるままに、答えて、葬儀の事は解ったと、思い込んで帰って行くでしょう。
初めてだから、自分の聞き出したい事が何なのかも気がつかないはずです。
「相談者が満足しているならいいだろう!」
と思いますか?

初めて葬儀を行う人は、家族を亡くす意味すら知りません。
葬儀が、終わった後に不本意だったと気がついても
もう、やり直しは出来ません。

事前相談をしていくうちに
何故、葬儀をしなくてはいけないのか?
自分達はどの様に家族を送りたいのか?
その手段は、選択肢は何か?
そのヒントを持ち帰り、家族と話し合いをして
自分達が納得した葬儀を準備する。

事前相談とはそういう場であってほしいと考えてます。
その上についてくるのが見積書であり、企画書、提案書です
事前相談だけでなく葬儀全般から葬儀後に及ぶまで
遺族の悲嘆をサポートする対応が必要です。


今や葬儀社のスタッフはこのスキルを持たなければ
葬儀は要らない、ちゃっちゃとやればいい!という世の中になってしまいます。
葬儀は不要な葬儀用具を高く売って代金を取るべきではなく
故人と遺族とそこにかかわった人たちの心の対処をして
その仕事に対して、きちんと費用を計上すべきです。

高いスキルには高い報酬があって当然です。
高い人件費を請求する内容が必要なんです。
葬儀社の売り物は目に見えないものではないでしょうか?

ここまで書くのにすごく時間がかかってますが
今回は私の考えがうまく伝わったでしょうか?