常々、西宮市の財政状況について警鐘を鳴らしてきている私。
でも、なかなか西宮市の財政が厳しいという事実についてはご理解頂きにくいんですよね。
そりゃ、このご時世に
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●100億円以上かけて第2庁舎を建てる
●JR西宮駅前の再開発を進める
●阪急武庫川新駅の開設に取り組むと宣言する
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てなことをやってるんですもの。
市民感覚としては「西宮市って、お金あるんやな...」と思うのが当然だと思います。
そんな中、金曜日の神戸新聞に、以下のような記事が載りました。
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◆西宮市 単年度で48億円赤字
一般会計は財政基金から21億円を繰り入れ、なんとか4億円の黒字を確保。だが実質的には大幅な収支不足に陥り、単年度収支は47億9100万円の赤字となった。単年度収支の赤字は3年ぶり。
歳入は市税収入が前年度比45億9100万円増の911億7千万円と過去最高だった一方、新型コロナウイルス対策で膨らんでいた国からの交付金や臨時財政対策債が同51億4700万円の減少。歳出でも光熱費や社会保障費が膨張し、必要となる一般財源が同64億3800万円増えた。
財政の弾力性を示す「経常収支比率」は96.6%で、同2.9ポイント悪化した。
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その具体的な内容はこちら。
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役所の収支って、甚だ分かりにくいんですよね。
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●記事中にある通り、基金(=過去に積み立てた貯金)を取り崩して得た資金も収入として計算される
●市債を発行して得た借金も収入として計算される
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等、様々な要素があり、必ずしも「黒字だから、良い決算!」とも言えません。
実際、昨年度・一昨年度の決算は両年とも「過去最高の黒字」という触れ込みでしたが、特殊要因があってのものであり、その内容は今後を楽観できるようなものではありませんでした。
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【市政報告71号@2022年10月発行】
【市政報告67号@2021年10月発行】
とは言うものの、やはり黒字と赤字では大違い。
基金を21億円も取り崩した上で、単年度収支が大幅な赤字となったという事実はきわめて重大です。
実際、市が示した「令和4年度決算のポイント」にも「赤字基調である財務体質の改善が必要」と明記されており、非常に厳しい状況に陥りつつあることは明らかです。
財政部局からは「このままでは数年以内に予算が組めなくなる恐れもある...」という声さえ聞こえてきますし、このままの状況が続くなら、その恐れは十分あると私も思います。
そして、この背景にある重大な問題の一つが、本市の人件費が、類似都市に比べて圧倒的に高いということです。
類似都市における、市民一人当たりの人件費負担額は62,943円。
対して、本市では、市民一人当たりの人件費負担額は77,428円と20%以上高いのですから。
再三、指摘しているところですが、こここそが改めるべき点だと思っています。
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こうした状況についてもお伝えすると共に、状況を改善していくための取組を続けていかなければなりません。
引き続き、強い危機感を持って、指摘・提言など、行ってまいります。
それでは今日のブログは、これにて失礼いたします。