連続在職日数、安倍首相2位に 第2次内閣から2248日
★ 在職日数 戦後2位とは 言ってても
忖度の連発で やっとこすっとこ 2019/2/20
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【越山若水】「役割葛藤」という社会学用語がある。加藤秀俊さんが自身の本「社会学」(中央公論新社)で、1950年代に米ハーバード大教授から教わったと書いている▼教授は学生にこう質問した。友人の車に同乗していたら、男が飛び出してきて衝突した。幸い軽傷だったが、友人は「前方不注意」の過失運転で調べを受けた▼警察はあなたにも「車は制限速度を超えていたか」と聴取した。少しスピードが出ていたと思う。でも「はい」と答えれば、「速度制限違反」が友人に加算される▼1人の学生は「正直に言えば友情にひびが入る」と言う。すると別の学生は「それで気まずくなっても市民の義務の方が大事だ」と反論。普遍主義か、個別主義か―。教授は役割葛藤をこう説明した▼つまり、あちらを立てればこちらが立たず。家庭や学校、職場など社会に似たようなことは多々ある。加藤さんいわく、人生とはまさに「義理と人情の板挟み」そのものだ▼しかし国の政策決定に関与する官僚にその理屈は通らない。なぜなら彼ら本来の役割は国家国民への奉仕だから。義理を欠き人情に走ってはならない▼厚労省の統計不正問題が議論になっている。ずさんな調査は言語道断である。とはいえ官邸が幹部人事権を握っているため、過剰な「忖度(そんたく)」を生んでいるとの指摘も聞こえる。官僚の役割の原点回帰が急務である。