家で購読している新聞には、時々1面の下に「なぜ生きる」という書籍の広告が載っている。この書籍をネットで検索してみると、普通は購入代しか載っていないが、この本は内容が詳しく述べられている。単に金もうけのために書かれたものではないようだ。
物であれ、人などの生物体であれ、これらは必ず一生がある。一生涯である。しかし人である人間と、物や他の生物とでは、一生の在り方が異なる。生涯の過ごし方が違う。これは「業(かるま)」による。
「業」とは「業縁、宿業」の事で、過去に積まれてきたものの事である。環境、性質、性格といったものである。
モノや他の生命体は、ただ有りのままに、そのままに一生涯を終えていく。それに対して人という人間は、「喜怒哀楽」に揉まれ、その上に更に「四苦八苦」の哀苦に揉まれるという生涯を送ることになっている。
人間がこのように「喜怒哀楽と四苦八苦」に揉まれていかなければならないのは、これも「業(かるま)」による。親から受けたもの、伝承されたもの、また躾け、育て方によって、その人の「業」が形成されていく。殊に人間の「喜怒哀楽、四苦八苦」は、「豊かになり、楽をし、楽しく遊ぶ」ことを求めることの裏返しになっているものであるから、いくら「経済成長、景気拡大」したとて、社会や世の中からは「喜怒哀楽や四苦八苦」は無くならない。
何せ一人が「豊かに、楽をし、楽しく遊ぼう」としても、それをその人だけが求めるものではなく、多くの人も求めていくからだ。求めあいして、取り合いになる。取り合いになると、争いになり、それが拡大していく。
厄介なことにこの「業」、「喜怒哀楽と四苦八苦」は、ぐるぐる回っていく。輪廻転生していく。このいつまでも輪廻転生していくために、「喜怒哀楽と四苦八苦」から逃れ出る事が出来ない。逃れ出る事が出来ないために、自分だけの「喜怒哀楽、四苦八苦」に収まらず、周囲の人たちに対してもこの「喜怒哀楽、四苦八苦」を及ぼし輪廻転生していく。
こうした輪廻転生を断ち切るためには、このように輪廻転生するのは過去から受け継がれてきた「業、業縁、宿業」によるものだから、それも輪廻転生させるような宿業だった、即ち悪い宿業だったと言うべきなのだから、これを改心し、今後は良い宿業を積むように心掛ければよいことになる。
それはまた、自分だけの「豊かさ、楽、楽しく遊ぶ」を放棄し、心を入れ替えてよい宿業を積むようにしていくならば、家庭も和やかになり、世の中や社会も、そして人類の平和も築いていく基礎になっていく。
ここに「なぜ生きる、何のために生まれ来て何のために生きている」という、そのための答えが出されるだろう。
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2 コメント
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- 追加 (青い鳥)
- 2013-09-24 13:18:28
- むしろ「経済成長、景気拡大」にまっしぐらになり、「豊かさ、楽、楽しく遊ぶ」ことを求めて、子供の躾や養育を学校や保育園に任せるという親としての役割を放棄するという宿業を重ねてきたことにより、子供たちは親から直に子供をしつけ養育するという術を知らないでいる。こういう子供が親になって子供をいじめたり虐待したり、虐待死させたりする。そういう宿業を重ねてきているのが、現代社会の様相である。
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- Unknown (青い鳥)
- 2013-09-24 15:41:28
- また我々が常に願望してやまない「幸せになりたい」思いも、幸せになるのを遮る悪い宿業を断ち切り、よい宿業に切り替えて積み重ねていくことによって成就する。それは「欲深いから、煩悩が深いから」という事は、関係ない。むしろこの「欲深、煩悩」が持つエネルギーが、良い宿業を積み重ねようとするエネルギーに転換できる。「煩悩即菩提」である。
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