二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

酔耀会(鍼灸手技療法勉強会) 平成23年 1月 

2011年01月27日 | 酔耀会(すいようかい)
酔耀会の勉強会も今年で6年目(7年目か)になります。勉強に対する熱も年々増して来て、そして人数も徐々に増えていってます。

ということで、今まで会費なしでやっていたのですが、本日の参加人数も14名でしたし、今後増加することも考え、資料作成や場所を貸して頂いている宮川先生にもお代を払わないといけませんので、今月より月1000円の参加費を参加して頂いている先生方に払って頂くことにしました。

1ヶ月、日々臨床で悩み、考えてきたことを勉強会を通じて学び、情報交換をし合えると考えると1000円は安いですよね。

ここの勉強会は一つの統一した手技や思想、あるいはカリスマ先生が中心に勉強している場所ではなく、いろいろな手技や方法、考え方の先生がテーマや発言に対して意見を交換し合う場なのです。「批判はしない」を約束にしていますので、これが上手く長続きしているんですよね~珍しいパターンかもしれませんね。

本日も雪にもかかわらず、福井からも2人勉強会に参戦。んん~情熱に頭の下がる思いです。

☆ 内 容 ☆

・論文考察 「不妊症に対する鍼灸治療は効果がないのか!?プラセボ効果なのか!?」

【豊島先生】
酔耀会では私とともに不妊症を勉強している豊島先生が、ツイッターの記事にて、東洋医学会に所属するあるドクターが掲載した「あくまでも鍼はプラセボのようである」という記事を見つけ、「これはどういうこと?」と愕然として、その根拠としているシステマティックレビュー(英語論文)を訳して検討しました。内容を見てみると、論文の中に出てくる実験の目的、治療方法、治療経穴、治療者がどのようにトレーニングしたか、などなど疑問点や問題点が多々ある論文だということが分かりました。しかし、これが論文として認められていることも事実。しかし、考察の方法や一方的な思考方法で事実と違った捉え方になることもあります。
逆に考えれば、鍼灸治療が批判されることはいいことです。その掲載したドクターの意図がどうであれ、批判される材料にされることは、そこにある可能性の裏返しでもあると考えます。だから鍼灸医学・医療を志す人は勉強しないといけないのでーす
端的に言えば、このドクターが掲載している論文で鍼灸治療が不妊症に効果がないとか、プラセボだとかは言えないということです。私も不妊症の鍼灸臨床において確たるものを掴むべく日々精進です。

・症例報告 「高齢患者に対する”ぜんしん体操”の実施とその効果の一例」

【松邑先生】
軽度の認知症など様々な愁訴のある81歳の女性に対して、週2~3回往診で全身の指圧・マッサージを行い、途中から”ぜんしん体操”の下半身の部分を指導し行い、下肢の筋機能の強化を図った症例。指圧・マッサージとともに運動を行うことで歩行距離が延び、少しずつであるが生活の質も向上してきていました。松邑先生は指圧やマッサージを中心に行っている先生で、そんな中、しっかり考察し報告できる患者さまがいるということは貴重な存在なんですよね。患者さまのご家族も喜んでいます。患者さまやご家族に喜んでもらうこれが治療目的の主であり、私たちの仕事の生きがいです。今後も、指圧・マッサージの患者さまの身体所見をしっかりとり、松邑流をつくっていって欲しいと思います。

・症例報告 「メニエール症候群に対する鍼灸治療(積聚治療を考える)」

【大内先生】
耳鳴りと難聴を主訴として来院された52歳の女性の症例。以前に突発性難聴を2回起こしステロイド療法で治癒。今回、ステロイドでも効果なく、なんとか改善したく、そして、補聴器はつけたくないとのことでご来院。様々な東洋医学的、西洋医学的所見をとり、その中で迅速に改善するべく、試行錯誤した治療経過をまとめて頂きました。その一方法として積聚治療を行ったところ耳鳴りなどの体調が改善されたとのこと。その治療方法に対しての議論で盛り上がりました。いつも思うのは、時々的外れな話もあるのですが、いろんな意見が出て、その中には発掘した古代遺跡のように勉強になることが多いんですよね。まだまだ勉強することはたくさんあるということです。

・実 技「筋肉を触ろう!~筋肉の触診~」

【粟 先生】
本日の筋肉は比較的深いところに存在し、肩甲骨や頸部の動きに重要な、肩こりなんかにも関連する「肩甲挙筋」。頸部の側面から肩甲骨の内上角に付着し、頸椎の5・6番辺りで筋線維が交差している筋肉なんですね。意識して触ってみると、患者の体を触診するときに非常に明確に触知できるわけです。強さとか位置とか、教科書とは少し違うところも生身の体だと勉強できるわけですね。



本日の勉強会も8時半に始まり、終了は翌午前1時。あるメンバーのご家族は、この酔耀会のことを「午前さまの会」と呼んでいるようです。確かにその通りですけど

「聖人の学問をしようとするときは、その志を一時も忘れてはいけない。昼も夜も貫き通せ。若い時から老人になるまで貫き通せ。宴会で缶を打ち鳴らして歌うのもまた学問である。日が暮れて安息するのもまた学問である。」 ~『言志四録』より~

来月も、楽しく頑張りまっせ 

二葉鍼灸療院 田中良和
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