外は雨や霰(あられ)や時々、雪、冬本番を迎えつつあります
この「寒い」もストレスなんですよね。
ストレスと聞くと、悪者のように思いますが、「ストレス」という言葉を初めて使用し、その生理学的反応を唱えたのは、ハンス・セリエ氏(ハンガリー系カナダ人 生理学者)です
彼の学説からストレスを簡単に言うと、ストレスとは「生体が外部から寒冷、外傷、疾病、あるいは怒りや不安などの精神的緊張を受けたときに、その刺激に適応しようとして生体に一定の反応が起こること」、いわゆる刺激に対しての身体の「反応」のことをストレスと言います。
ですから、逆に考えるとストレスがないと、身体の反応は起こらないので、ストレスは人間にとって必要なことであるとも言えます。
大げさに言うと、水の中に生活していた生物が陸に上がり、空気という環境の中で、また猛毒の酸素というストレス物質に適応していったものが、陸で生活できる生物として進化していったと考えると、「ストレス」がなければ人類は生まれて来なかったとも考えられませんか
ストレスは人間にとって必要不可欠なものでありますが、刺激が強すぎたり、長期にわたり曝し続けると、身体がそれに対応するように反応してしまいます。これが各症状や病気に大きく関ってくるわけで、それをどう調整するか、バランスをとっていくかということが、実はストレスと上手く付き合っていくポイントになるのですね
さて、当院では不妊症(妊活)でお悩みのご夫婦も鍼灸治療に通院しております。
お時間があれば施術をしながら、いろんなことをお話します。その中で出てくる言葉、キーワードの一つが「ストレス」です。上記にもありますように、この「ストレス」は、身体にとって過剰な刺激が加わることによる、身体の反応=症状のことです。
人生を歩んでいると百人百様、様々な出来事を経験します。いいことばかりではありません。嫌なことも、ショックな出来事も、いろんなことが起きます。それが人生の醍醐味なのかもしれませんが、目の前の出来事に、すべて仙人のような対応はできないというところが、私も含め多くの人の現状かなと感じております。
その中でも、学校を卒業して成人となり、人生を歩んで行く、生活して行くために必要になってくるのが働くということです。そして稼いで行かないと生活していくことはできません(特殊な場合は除く 笑)。
そう「仕事」。
会社や組織の中に身をおくと、いろんな人々との出逢いがあります。そして、その人々とともに同じ目的のために会社で働かなくてはいけません。
会社で働くと、その環境や立場、能力で、いろんな対応が迫られるのではないでしょうか。そして、年数を重ねると会社での責任や仕事量も増えてくるでしょう。
そう、不妊症(妊活)において高い割合で治療へ通院する年代は、この仕事に脂が乗ってきて、会社から期待される30~40代ということになります。そこに、精神的ストレスや身体的ストレスがかかってくる要因の一つがあるでしょう。
「ファイン~現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会~」さんが5526名の男女に調査したアンケート結果によると、96%の人が「仕事と不妊治療の両立が困難」であるとの結果が出ました。
当院でもお話をお聞きすると、直属の上司にだけ治療の話をしてあるとか、仕事を変わってもらって治療に行くのがストレスだとか、会社や仕事の中で様々な過度なストレスに曝されている現実があります。
『不妊治療で「サプライズ退職」、辞めたくないのに、辞める気持ち』 https://otekomachi.yomiuri.co.jp/news/20171128-OKT8T50256/
ファインHP http://www.j-fine.jp/infertility/about.html
かと言って、体外受精や顕微授精の治療となると、段階や病院によって違うものの約50万円~80万円の治療代金がかかるため仕事は辞められないというジレンマもあります。仕事に対する責任もありますしね。
会社だけではないのですが、多くの過剰なストレスが自律神経の乱れ、そこから免疫系やホルモンなどの内分泌系など、脳を始めからだの各器官に影響を及ぼし、生理周期や卵巣、子宮機能が低下します。現代学的な検査では捉えられないような機能的な形の負の連鎖を起こし、妊娠がなかなか実現しない身体と精神の状況になっているのではないかと思います。
不妊(妊活)で鍼灸治療にご来院される皆さんは、本当に頑張っておられます
なんとかサポートしてあげたいと心から思います
過剰なストレスを緩和・・・これは鍼灸治療の得意分野であるところは、学会等の様々な場所で研究、発表されていますし、当院の師匠であります黒野保三先生(東洋医学研究所®)のところでも、名古屋市立大学との共同研究で結果を出し、その一部を証明しております。
腹部の鍼刺激が心臓迷走神経を亢進http://www.touyouigaku.org/blog/2013/01/autonomic01-430624.html
鍼灸院は、忙しい婦人科や専門クリニックとは違い、話をお聞きしながら比較的ゆったりと施術できるのも大きいかと思いますが、鍼灸治療は、この自律神経を調整することで、ストレスを緩和し、それをきっかけとして、ホルモン系や免疫系を調整、そして生殖機能にも影響を及ぼすであろうと考えることはできます。
過剰なストレスをやっつけるぞん
当院へ通院している患者さん。30歳前半の奥様。
当院へ通院されてもう少しで1年。最初はタイミングや人工授精を行っていたのですが、上手くいかずステップアップして3回の体外受精を行うも良い結果が得られませんでした。
ここでお話したいのは、この方が働いている会社です。不妊治療のことを相談したところ治療期間中「休職」という形にして籍を残しておいてもらえることになり、不妊治療を頑張ってください、ということになったそうです。いつでも会社に戻れるということです。
素晴らしい こんな会社の例をお聞きしたのは初めてでした
話は変わりますが、平成27年12月より、労働安全衛生法が一部改正され、50人以上の従業員が働く全ての企業に対して、「ストレスチェック制度」が義務づけられました。
これは、従業員の心理的負担の程度を把握し、不調の未然防止を目的としたもので、増加している企業でのストレス性疾患を防止するための改正です。
厚生労働省HP http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000050910.pdf
労働者のメンタルヘルスケア・・・この制度があってかどうか分かりませんが、会社の決断に拍手を送りたい と思います。
それによって
もし治療の結果が上手くいかなくても帰る場所がある ストレス軽減
すれ違っていた旦那さんとの休日をともに過ごすことができた ストレス軽減
時間に余裕ができ運動できるようになった(旦那さんとも) ストレス軽減
時間に余裕が出来て、あまり怒らなくなった(旦那さんに言われた) ストレス軽減
顔がたいへん穏やかになった(私が見た感じ) ストレス軽減
肩コリや痛みがほとんどなくなった ストレス軽減
結婚してからこのかた、一番旦那さんといる時間が長くなった 愛情増強
などなど、心や体に、そして、子宮や卵巣に、より良い環境が整いました。
第3回目の移植は会社を休職する周辺でしたが、妊娠までは至りませんでしたが、着床反応は出ておりました。第4回目は、この前周期に採卵を行い、その凍結卵を今月に移植予定ということで、楽しみでもあり、なんだか私もプレッシャーが少しあるような、そんな状況です。
妊活(不妊症)を頑張っているご夫婦で、自律神経のバランスを整えることで、妊娠しやすい身体をつくりたい方は、どんな些細で、小さなことでもよろしいですので、いつでもご相談ください。
当院は、天使ちゃんを待つご夫婦の身体の心を、より妊娠しやすい状況に近づけるお手伝いをさせていただきます。治療したからと言って全てのご夫婦が良い結果になることはありませんが、身体づくりの一つの方法として実践してみる価値はあると思います
最後までお読みいただき、ありがとうございます
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