二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

第14回 加賀・三策塾(合同学術研修会) 参加

2008年10月08日 | 鍼灸
10月5日(日)、合同学術研修会である、加賀三策塾へ参加しました。100km歩行大会から帰ってきたのが朝6時。仮眠をとり午前10時からの研修会に参加しました。交感神経が過緊張しているためか意外に眠くありませんでした

内 容:症例報告…顎関節症(筋緊張型:Ⅰ型)に対する
           鍼灸治療の一症例
               ミヤカワ鍼灸院 宮川厳幸 先生
    「地域健康つくり指導者」研修会終了証書 授与
    鍼灸・医療最新ニュース


症例報告では宮川先生に顎関節症の鍼灸治療について発表して頂きました。石川県では若手の鍼灸師の一人であり、明治国際医療大学出身のなかなかのキレ者(すぐプッツンするわけではありませんよ)の先生です。


          写真の右が宮川先生

顎関節症は様々な原因で発症し、ひどい人は口が開かなくなったり、開くと痛みが強く出たりとやっかいな症状です。軽いものでは、顎がカクンカクン、ゴリゴリ鳴ったりするのも一つの症状です。ありふれた疾患でありますが、鍼灸治療をして効果が出やすいか出にくいか、的確に病態を把握することが大切な症候群とも言えます。

症例は、29歳、女性。今まで口が開きにくいのが当たり前だと思って過ごしていたが、仕事などで頸部の筋肉の緊張が強くなると口がほとんど開かなくなったため来院された方に鍼灸治療を行いました。

頸部の筋緊張緩和、顎関節周囲の筋緊張緩和などを目的に、頸部、顔面部、上肢などに置鍼を中心に治療を行ったところ、直後から顎が動きやすくなり、開口がスムーズに行われるようになりました。

この患者さんは当初、Ⅰ型と考えれたが、関節の前方変位を伴うⅢ型も併発しているのでは?と考えられたということでした。また頸部や顎関節周辺の咀嚼に関与する筋肉に鍼灸治療でアプローチすることで、顎関節症には効果が出るのではないかという考察でした。

非常に勉強になりました。顎関節症については後日、勉強したことをブログに書きたいと思います。

その後は、鍼灸業界のこれからの展望、全鍼師会の全国大会に林会長がスポーツ鍼灸に対するアンケート調査の発表を行う内容などの話がありました。

そして、「地域健康つくり指導者」研修会の終了証書の授与式が行われました。40名の先生方が地域のためにこれからも研修会や公民館活動を活発に行っていくとのことでした。



さてさて、昨日から長~~い一日でもあり、充実した時間を過ごしてきました。実は翌日の診療は非常に体が…でした。ごめんなさい

二葉鍼灸療院 田中良和
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浅野川氾濫チャリティー100km歩行大会

2008年10月08日 | ボランティア活動
10月4日~5日にかけて、浅野川氾濫チャリティー100km歩行大会が開催されました。100kmというと凄い距離です。石川県小松駅周辺を朝7時にスタートして、七尾市の食祭市場までを一日かけて歩行します。当初は能登半島地震復興のチャリティーでしたが、浅野川の氾濫が起こり、まだたいへんなところもあるようで名目が変更したのかなとも思います(私の考えです)。歩行大会の参加人数は140名あまりでした。

石川県鍼灸マッサージ師会の先生が主催者側との繋がりがあり、ぜひ歩行者のケアをお願いしたいと申し出があり、県師会の事業としてお受けしました。私もボランティアとして歩行者のケアに行ってまいりました。県師会として6名で参加しました。

4日、土曜日の午後8時から鍼灸マッサージによるケアを開始し、終了は翌5日の午前4時半予定という「信じられな~い」時間帯での活動でした。久しぶりの徹夜はすごくいい体験になりました。この100kmの間にそれぞれチェックポイントがあり、私たちは65km地点と72km地点で3人づつに分かれての活動でした。

私は、木本先生、角先生とともに、72km地点の担当でしたが、ここは温かいメッタ汁が用意してあり、準備のため到着した8時前には出来上がっており素晴らしく芳しい、お腹のオオカミが遠吠えするような、美味しそうな匂いがたちこめていました。活動前に一杯いただき活力源としました。


      メッタ汁をいただく、木本先生と角先生

当初、「そんなに多くの人が利用しないんじゃないか」と思っていましたが、蓋を開けてみると大盛況でした。72km地点では140名あまりの参加者のうち50名ほどが脱落し、90名ほどが到達されました(ゴールしたのは何人だったか心配…)。約半数くらいの人が鍼・マッサージ・テーピングなどのケアを受けて頂いたと思います。皆さん「本当にありがたい」「こんなにしてもらえるなんて贅沢やな~」「幸せやな~」と口々に話しておられたのを聞き、疲れなんて全く感じませんでした(あとでドッと来ましたが)。途中、65km地点で活動していた、新保・宮川・水野先生が合流して、全員で最後までケアさせて頂きました。



参加されている皆さんのほとんどは、とくに毎日運動しているわけでなく、この大会に、自分に、挑戦しているように感じました。もう72kmについた人のほとんどが足を引きずり、足にマメや水膨れをつくり、筋肉痛になり、疲労してました。この歩行大会のコンセプトが「今まで体験したことのない100kmを歩く中で、いかに多くの感動・感激・感謝を味わうことができるか」ですから、疲れていても、痛くても皆さん明るかったです。

お世話しているスタッフの人たちも明るく、元気で、まるで自分が歩いているかのように参加者に声をかけられていました。すごく私たち鍼灸マッサージケア部隊も含めた、主催者、スタッフ、参加者が一体となった歩行大会だったと思います。そんな大会にボランティアスタッフとして参加できたことに感謝です。また、師会のお世話くださった先生や人の繋がりに感謝です。


      外のテントでメッタ汁と鍼灸マッサージ 

また、他の先生の治療姿も見ることができ、大いに勉強になりました。

本当にありがとうございました すごくいい体験でした

二葉鍼灸療院 田中良和
コメント (5)
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掃除と人生

2008年10月06日 | 社会
私は仕事をする際、気をつけておくことの一つに”環境を清潔に”があります。毎日、治療院の玄関と便所は自分で愛をこめて掃除するように心かげています。

≪ローヤル(現 イエローハット)は、私が一人で自転車に乗って行商に飛び回るところから始まったのです。

それから早いもので、四十三年の月日が流れました。その間、どれだけの人から嘲笑されたり、無視されたり、馬鹿にされたりして惨めな思いをしたか、数えきれないほどです。倒産の危機にも何度も立たされました。そんな私がなぜ人生に絶望せず、今まで生きてこられたか。

一言で申しますと、トイレ掃除を徹底して続けてきたおかげだと思います。
私には人より抜きん出た能力は一つもありません。生き馬の目を抜く商売の才覚もありません。交際もどちらかというと苦手で、リーダーシップがあるとも思いません。そんな平凡な私がいままで事業を続けてこられたのは、トイレ掃除を通して「誰にでもできることを、誰にでもできないくらい、続けてきた」という以外に理由が見当たらないのです。

掃除しかしてこなかった経営者がなぜ事業を大きくできたのか、不思議に思う人が大半でしょう。じつは、掃除にはそれだけの力が秘められているのです。

事業だけではありません。掃除はこの厳しい世の中を生きていく精神を鍛えてくれますし、人間としての広さや奥行きも与えてくれます。事実、私とともに掃除に参加したことで、ご自身の経営する会社が変わったり、ご自身の人生が変わったという方はたくさんいらっしゃいます。≫

『鍵山秀三郎 一日一話
 ~人生の磨き方・掃除哲学・人生の心得~』 鍵山秀三郎 著


東洋医学研究所の修行中、星稜高校野球部での3年間、この二つの時期に意外に共通しているのが”掃除”です。必ず毎日行います。とくにトイレ掃除はよくやった思い出があります。

現在は、治療院を、とくにトイレを自分で掃除してます(自分しかいませんが)。高校時代、修行時代、とくに意識して掃除をしていたかと自分に問うと…です。学ぶべきことは日常の何気ないことにあるのだと今更ながら思います。

心を込めて、愛情を込めてトイレを磨いていると、患者さんの顔が浮かんできたり、すべてのことに感謝の気持ちが湧いてきます。不思議ですね。一所懸命やると冬でも汗が出てきますよ

ちょっと違った見方をすると、治療院が動物だったとします。入口は「口」であり、トイレは「肛門」と考えてみるとどうでしょう。清潔にしておかないといろんな細菌が感染したり、循環をよくしておかないと痔になります。そう考えると、トイレはやっぱり清潔に、そして気持ち良く皆さんが使えるようにしておかないといけませんよね

トイレ掃除をはじめ、周囲の環境は、自分の心の鏡であるということなのでしょう。これからも続けていきたいと思います

二葉鍼灸療院 田中良和
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経穴について ~その5~

2008年10月06日 | 東洋医学研究所 コラム
東洋医学研究所のコラムが更新されました

~経穴について その5~
東洋医学研究所グループ 井島鍼灸院 院長 井島晴彦 先生


  『経穴について その5』 研究所コラムはこちら

今月の担当は、岐阜市で開業されている井島晴彦先生です。立命館大学を卒業され、社会人をやっていましたが、その後、鍼灸の道に入ってきた、東洋医学研究所の面々の中では異色な道を歩んでこられました。

それだけに、なかなか温かい深い人間味を持った先生です。愛知地方会の研究部では、生体防御免疫疾患班の班長をやられており学問的にも非常に熱心な先生であり、さ・ら・に地域の人々に愛されている素敵な人間性を持たれていますので、岐阜市で体に関して困っている人があったら一度来院してくださいね

さて、今回は、消化器疾患(胃炎、胃潰瘍、食欲不振など)によく使用される経穴(ツボ)である、中脘(チュウカン)、期門(キモン)、足三里(アシサンリ)、腹哀(フクアイ)について書いて頂きました。

鍼灸治療というと、腰痛や肩こり、五十肩などの整形外科的疾患の治療だけに効くと思われている方が多いかもしれませんが、適度な刺激、的確な場所に刺激をすれば、様々な内科的疾患に効果が出るんですよ。

漢字というのは不思議ですね。日本語にも「腹を立てる」「頭を冷やせ!」「腸(はらわた)が煮えくりかえる」のような体と精神状態を繋げて考えられている言葉が多いですよね。そんな面からも読んで見るとまた違った面白さがあるかもしれませんね。

二葉鍼灸療院 田中良和
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「当たり前のこと」なんて、どこにもない

2008年10月02日 | 言葉のちから 心のちから
「いってきます」玄関の戸が閉まったとたんその場にしゃがみこんだ。

体力自慢の夫が体の不調を訴え、軽い気持ちで受けに行った検査で難病が発見され、緊急入院したのは半年前のことだった。

いったい夫はどうなるの?私たち家族はどうなるの?当たり前にこのまま続くと思っていた毎日が、突然音をたてて止まった。自分のよく見なれた世界から突然空気の薄い別の世界に、いきなりぽつんと置かれたような心細さ、苦しさが襲ってきた。

それから半年は、自分が家族の前で笑顔でいることだけに神経をそそいだ。夜は心細さに足が震えだし眠れなくても、会社では普通に働き、子供を送り迎えし、食事を作った。子供をだっこしているふりをして、本当は自分が子供にしがみついていることで、なんとか正気を保っているような状態だった。そんな日々の中で、夫が退院。自宅療養の時期を過ごし、少しずつ普通の生活が送れるようになった。

以前は大嫌いだった、混んだスーパーでの日曜日の買い物にふたたび家族揃って出かけられた日、車に戻る駐車場で排気ガスに巻かれながら、ありがたさに涙が出て止まらなかった。

「高速道路の運転がしんどい」と、運転ができなくなっていた夫が再びハンドルを握って長距離を運転した日は、後部座席に子供と座っていられる自分にありがたくて泣けた。

そして、ついに夫が復職する日が来た。朝起きて、スーツに着替え、会社に行く。当り前だと思っていた光景。その姿に感謝して泣く日が来ますよ、と占い師に言われたとしても決して信じなかったと思う。でも実際、夫が会社に出かけたとたん、私はその場にしゃがみ込んでしまった。
人生で当り前のことなんて、何に一つない。
たとえば仕事に行けること、子供が無事に学校から帰ってくること、すべてが人生の一大事。

当たり前なんて考えてしまったら、もったいなさすぎて罰があたる。毎日、毎日が神様からの贈り物。奇跡の繰り返しだ。

無くしてから「そういえば、毎日贈り物が届いていたんだ」なんて気がつくなんてもったいない。自分がいったい毎日どれだけ贈り物を受け取っているのか、ちゃんと分かっていれば、それだけで感謝の気持ちがあふれてくる。

「当たり前」なんて、どこにもないのだから。

『大切なことに気づく24の物語』
 読むだけで人生がうまくいく「心のサプリ」 中山和義 著より


太陽が昇るのが当たり前、朝起きることができるのが当たり前、朝食が用意されているのが当たり前、学校へ行けるのが当たり前、仕事ができるのが当たり前、家族がいるのが当たり前、日頃「当たり前」だと思っていることは皆、神様が与えてくれた贈り物なのだということを本より再度、学ばせて頂きました。

だから、何事にも感謝の気持ちを忘れないことですね。

先日、私のところにC型慢性肝炎(肝硬変)で通院されていた、大切な患者さんがお亡くなりになりました。あの世に旅立たれる前日まで往診に行かせて頂きました。貴重な体験でした。

最後は、肝性脳症で意識もなかったのですが、ご家族もやれるだけやってあげてくださいとのことでしたし、医学的にどうこうではなく、患者さんもご家族も納得できるかたちで(治療者のエゴではと悩む時もありますが…)旅立ちの時を迎えて頂きましたことは心から良かったなと思います。

毎日出会う、すべての患者さんがそうなのですが、今回の貴重な体験をさせて頂いた患者さんにも本当に勉強させて頂きました。心から、私が師匠から教えて頂きました鍼灸治療を主軸として、病気にならない体づくり、入院するような大病を患わない体づくりを目指して国民の健康に尽くしていきたいと心新たにさせて頂きました。

患者さんに治療するのが「当たり前」ではなく、患者さんに感謝をして、その責任を果たせる鍼灸師になることが医療に携わるものには大切なことなのだということも勉強させて頂きました。ありがとうございます。

私の大切な患者さんの、心よりのご冥福をお祈りしたいと思います。

二葉鍼灸療院 田中良和
コメント (2)
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