四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

溢るる涙

2020年12月20日 20時41分15秒 | 日々の歩み
今年もいよいよという枕詞を、このところ頻繁に使うようになりましたが、あと10日ほどで
「密」の文字に象徴される、コロナ感染症が荒ぶ年も暮れようとしております。
そして今日は、「コザ事件」から50年の節目の日。私たちは沖縄の置かれている現状を
自らに引き寄せて、改めて考える日としたいと思います。

東京都では昨日19日に、736人の新型コロナウイルス新規感染者が確認されました。16日の過去最多822人に
比べれば若干は減ったとはいえ、依然高い水準の感染が続いています。また、医療提供体制に関する
4段階の警戒度を、初めて最高レベルの「逼迫していると思われる」に引き上げられました。
首都東京で年の瀬に「感染爆発」へ発展する恐れの可能性も指摘されています。

このような中で、例年の通り年の瀬に伴う大掃除や、諸々の行事をこなしながら淡々と日々を送っていますが、
今年の年末はコロナ禍に伴う「新しい生活様式」とは言え、異常さを日々感じてしまいます。
コロナ感染の拡大は、私達周辺でも感じられるようになり「正しく恐れる」と言われるまでもなく、
実感しております。

そんなある日、リンゴやミカン等頂いた果物に囲まれながらも、細君は「干柿」を作りたいので渋柿を、
ネットで発注したよと告げてきました。届いた柿はかなり大型の柿でしたが、そこから細君の奮闘が
始まりました。皮を剥き、熱湯と、レモン汁で下処理を行い、ヘタに糸をかけ三個一組でベランダを
占領し天日干しを始めました。その日から焼酎の霧吹き、柔らかくなるよう揉み込み、まさに手塩を
かけれるにも似た努力をしたとのこと。



そして、約二週間がたち一昨日味見をさせてもらいました。スーパーで購入する干柿とは異なり、
柔らかくジューシーさも残しながら、上品な甘さの干し柿に舌鼓を打ちました。手作りの良さを
改めて感じた次第です。
年末の忙しい折ですが、こんな取り組みも「コロナ籠り」の副産物かもしれません。



こんな日々の徒然に詠んだ短歌を掲載したいと思います。

 ☆潮騒は岩打つ波に生まるるや 潮の匂いも磯を覆いて
 ☆冬木立 光まといて きっぱりと 空を切り取り富士も覗かせ
 ☆冬木立コロナ禍なれど光呼び 梢に空を抱えておりぬ
 ☆枯蟷螂 秋草の上に凛と立ち いげんを保つ面構えして
 ☆岬杜 彩とりどりの落ち葉舞う 海の蒼さを背景として

 ☆ジョウビタキ静かに冬を告げいるか 梢に残るもみじ葉の陰
 ☆振り向かば夕日に舞うや赤とんぼ コロナの秋もどこ吹く風と
 ☆手作りの干柿はめば甘々し 遥かな日々の思い出もまた
 ☆鍋の湯気妻のほほ笑み揺らしいる つましき夕げも有難きかな
 
 ☆「ゴザの日」の闇夜にイチョウ散り敷きて 他人事ならぬ重き命は
 ☆冬銀河シャッター通りの街の上 見上ぐる人の溢るる涙
 ☆コロナ禍で二千の命召されけり 政権触れぬも我ら喪に服す
 ☆宣言とお願いばかりの対策に疲弊し倒るる あまたの命
 ☆コロナ禍の三波も荒ぶ寒き街 ゴーツー止めるも 戻らぬ命
 ☆コロナ禍は三たびも襲い なお荒ぶ ゴーツーようやく止めると言うも
コメント (4)
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