四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その4)

2021年10月06日 06時35分01秒 | 短歌

「口語短歌・水曜サロンの会」(その4)   【短歌入門・質問コーナー】を設けました!!

「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている
 皆様の詠まれた短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うコーナーです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、
 自由に短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」目指したいと
 思っています。皆様の投稿を歓迎します。

   「清秋の青空に咲く むくげ(八重)」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。


   「白花曼殊沙華と曼殊沙華」

「ブログ友の投稿歌 交流コーナー」

☆花散りてのちに緑の葉を見せる相思花のごと老いらくの恋
                          びこさん

【解説】
 作者は、この短歌は「余興」で作られたとのことですが…。「相思花」にかけて
 「老いらくの恋」を詠う、発想の斬新さがあります。花の季節を終え緑の葉を
 従えて蘇る、「相思花」の強い生命力。それを「老いらくの恋」のごとくと
 表現する、豊かな発想に学んで行きたいと思います。

【詞書】軽井沢ハルニレテラス遊歩道の、北原白秋「落葉松」の詩碑に寄せて。
☆落葉松を 詠んだ白秋 魅了する 雑木林と 水のせせらぎ
☆お彼岸日 射し込む日射し 穏やかに 花いっぱいの 笑顔なくらし
☆鬼押出し 緑豊かな 白糸の 滝に流れる 水清らかに
                         浅間山明鏡止水さん

【解説】
 いずれも「ロマンチスト」なKenさんの横顔が見られ楽しい短歌と思います。
 じっくり味わいたいと思います。白秋と落葉松林、湯川のせせらぎとの関係を
 少し整理してみました。
【ご参考】
★白秋の感動誘うや 落葉松の 萌える緑と川のせせらぎ


☆陽を受けて 土手に連なる 彼岸花 稔る稲穂を 守るが如く
                         クロママさん

【解説】
 クロママさんさんは、五句「守るかのよう」を「守るが如く」と自ら推敲
 されました。この表現の方が短歌の重厚感が出ると思います。しかし、最初の
 表現でも秋の爽やかさや、彼岸花と稲穂のつながりも十分表現されていて、
 好感の持てる短歌と思っています。

【詞書】磐梯山の周りを自転車で走る夫を見送り、道の駅付近を散策した際に
  詠みました。
☆会津富士 向かう貴方の背を送り 湖畔の畑涼風立ちぬ
☆ふと気づく お土産探す道の駅 喜ぶ母の顔見たかった
                         アンリさん

【解説】
 日ごろの、ご主人、お母様との温かな絆が浮かぶ、ほのぼのとした情景が詠まれ、
 好感の持てる短歌と思います。助詞を少し整理してみました。ご参考になれば
 嬉しいです。
【ご参考】
★会津富士 向かう貴方を送るとき 湖畔の道に涼風立ちぬ
★ふと気づき お土産探す道の駅 喜ぶ母の顔を思えば


☆猫とでもやさしく話す夫の声 巣ごもりの日々に心がなごむ
                         リコさん

【解説】
 コロナ禍での外出自粛も、従来の日常では見られなかった、新たな発見もありまね。
 ご主人の猫に話しかける様子と声に優しさ見出し、「心なごむ」と詠ったリコさんの
 温かな眼差しが見える素敵な短歌と思います。なお、リコさんもおっしゃるように、
 短歌を表現するうえで「漢字と平仮名のバランス」は大事なポイントと思っています。
 特に短冊等に草書で書く場合の、ひらがなの優しい印象はいいですね。

☆パソコンの調子段々悪くなる買うか直すか妻に尋ねる
☆売る酒も断る酒も命がけウィズコロナの居酒屋店主
☆楽しみはお気に入りのジャズを聴きながらブログ投稿閲覧するとき
                         ものくろ往来さん

【解説】
 二首目の短歌は「緊急事態解除後も苦しい営業を強いられる居酒屋を思う」との
 詞書が在りましたが「売る酒も断る酒も命がけ」の表現は、今の時世の核心をついた、
 鋭い社会詠と考えます。三首目を少し整えてみました。いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★楽しみはいつものジャズを聴きながら ブログ投稿閲覧するとき


☆夢の中 母のぬくもり 花香り 私を包み 涙こぼるる
                         Yokiさん

【解説】
 お母様が逝去された直後は、その喪失感と寂しさを抱え、その状況から中々抜け
 出せなかったと拝察します。四か月はその状況抜け出すのに必要な期間だったかも
 知れませんね。Yokiさんが、その現実を受け入れたことに、お母様も安心して
 夢の中に現れたものと考えます。
 「花香り」を具体的な「薔薇の香(か)」にして、少し手直ししてみました。
【ご参考】
 ★夢にみる 母のぬくもり 薔薇の香は 私を包み 覚めても涙

☆小鴨飛ぶ ゆらりゆらりの 波の上 夜の葦辺に 響く羽ばたき
                         オライ& kencyanさん

【解説】
 お二人による連歌ですが、上の句がオライさん、下の句がkencyanさんです。
 オライさんの印象的なモノクロ写真に掲載された俳句に、kencyanさんが下の句を
 付けたものです。
 夜の葦辺まで想像力を広げず、波の上の小鴨にフォーカスして詠んでみました。
【ご参考】
★小鴨飛ぶ ゆらりゆらりの 波の上 羽ばたき残し 闇に溶けゆく


☆秋雨に濡れつつ開く酔芙蓉 逝く夏惜しむ寂しさもまた
                         ポエット・M

【解説】
 朝、純白の花を開き、夕べに紅色に染まり散っていく、ひと日花の酔芙蓉。
 その咲く様には時の移ろいと季節の移ろいを、なによりも花の命の儚さと、
 矜持を感じます。さらに、その花が秋雨に濡れつつ開花する様には、逝く夏を
 惜しむ寂しさを、より一層感じます。そんな微妙な思いを詠んでみました。

   「純白から薄紅に染まる 酔芙蓉(八重)」

「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (5)
2.出会い (2)

  さりげなく
   我が手は君の
    手の上に
   相合傘で
    濡れるうれしさ

     ひそやかに
      そっとキスして
       一輪の
      すみれささげん
       すみれの君に

      しとやかに
       慎み深く
        恥じらいの
       すみれの君の
        甘き情熱

    手を取りて
     我らは翔ける
      春風の
     光の中に
      舞い散るごとく

   黒髪も
    おどろに乱し
     火のごとき
    口づけかえす
     春の夜の君


   「未だ咲く 朝顔」

【短歌入門・質問コーナー】
 皆様の直近のコメント等に記された中から3点について、簡単にお答えしたいと思います。
 皆様から素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せいただければ幸いです。なお、
 私の回答は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、反論、意見等も
 ありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。それが学びになれば
 嬉しいです。

【短歌の数え方】
 短歌は一首(いっしゅ)、二首(にしゅ)と数えます。 なお、俳句などと混同し
 「一句」「二句」と呼ばれる方もおりますが、これは誤りです。ちなみに、俳句や
 川柳は「一句」「二句」と数えます。 短歌の場合で「句」というのは、一首の中の
 句切れのことを指します。

【調べ・響きとは】
 前回のこのコーナーでも触れましたが、短歌は詩であり、歌でもあります。歌でも
 あるということは、散文ではなく韻文であるということです。
 「韻文である」ということを要約していえば、独自の「調べ・響き」を持っていると
 いうことです。 この「調べ・響き」はまず、5・7・5・7・7の定型に納めて
 詠めば、最低限のものは自然に生まれると考えます。

 ★散りてなお静かな笑みを湛えいる 苔にわ埋める沙羅の花々  ポエット・M
 この歌も同じように声に出して読んでみてください。何も言われなければ、
 すんなりと読める歌だなあーぐらいにしか感じないかも知れません。しかし、
 それは作者が「すんなりと読める」ように、「調べ・響き」について推敲し、
 考えた結果なのです。
 このように短歌は「意味」だけでなく「調べ・響き」について意識して詠むことで、
 作品に仕上げてゆくことが出来ると思います。よいリズム感を養うためには、
 多くの歌人の優れた作品をたくさん読んでみることをお勧めします。
 なおこの作品の「沙羅」は「さら」と読み、夏椿のことです。

【推敲(すいこう)】
 詠んだ短歌をより良くするために語句を入れ替えたり、調べを整えたり、助詞を
 直したりして、自分で考え練ることを「推敲(すいこう)」と言います。
 推敲するときのポイントとしては、先にも述べました「調べ・響き」の見直しなどが
 あげられます。さらに、文法的誤りがないかの確認も必要です。 助詞、助動詞などの
 使い方は、逐一辞書を引く癖をつけましょう。もちろんネットにも載っています。


   「今年三度目に咲いた 月下美人」

コメント (20)
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