四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その14) 

2021年12月15日 05時45分03秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その14)   短歌の投稿を歓迎します!!

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている
 皆様の詠まれた短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、
 自由に短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと
 思っています。皆様の投稿を歓迎します。

【運営にあたって】
 本件は、「水曜サロン」も既に12回を重ね、皆様にもご理解されてきていることと
 考えますので、末尾に記させて頂きます。



    「咲き初める日本水仙」

「ブログ友の投稿歌 交流コーナー」

「悲しみのラプソディ~椿山荘の思い出②」
 ☆ル・マーキー お洒落なバーが お気に入り
         ハバナ葉巻に バーボンウイスキー
 ☆イタリアン 舞台のような イル・テアトル 
         白トリフのパスタに 舌鼓打つ
 ☆夕闇の 帳が落ちて 漆黒の
         闇夜が来れば 愛のささやき

                         浅間山明鏡止水さん

【解説】
 おしゃれなバーにレストラン、さらに漆黒の闇に交わされるささやきと、「ラプソディ」も
 佳境に入ってきましたが、短歌のテンポの良さに惹かれます。
 一首目は、ホテルのメインバー「ル・マーキー」で、ハバナ葉巻を燻らすカッコいい作者が
 浮かぶ素敵な短歌です。作者の行動を少し詠み込んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★ル・マーキー お洒落なバーに ゆったりと
         ハバナ燻らし バーボンを飲む


☆しめやかな宿雨の朝をひとりじめ あかさび色の落ち葉踏みしめ
                         あんりママさん

【解説】
 ひっそりと降り続く長雨の朝。訪れる人のいない公園で、メタセコイアの
 落葉の絨毯を歩みながら、その感触を静かに味わう作者。その満ち足りた
 表情が歌から読み取れます。
 「赤さび色の落ち葉」の表現に、作者の鋭い観察眼が光っています。

☆享楽という時代に確かに私は生きていた。青春時代
                         自閑(jikan314)さん

【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 YouTubeの映像音楽を聴きながら、短歌を作っております。
 題は、「享楽への郷愁(山下達郎 JR東海)」で、この時期になると
 毎年流れていたJR東海の山下達郎のクリスマスイブです。
 10年前に作った短歌ですが、先日銀座を歩いていて、きらびやかな世界に、
 バブル時代を思い出し、以前作ったのですが、投稿します。
 何かがおかしかった時代ですが、そこに私の青春時代に生きていたんだと
 言うものです。YouTubeの映像と最近の銀座の写真を下記urlに載せておりますので、
 愚詠もご覧頂ければ幸いです。女優たちの衣装がいかにもバブルだなあと。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/10da09f770f6965b0dc24780b1d74a15
【投稿外コメント】
 自由律短歌について、詳しく教えて頂き有り難うございます。定型であれ、自由律であれ、
 自分の思った事を表現でき、相手に伝わればなあと。でも独善的にもなり勝ちなので、
 十分注意しないとと思っております。

【補足】ポエット・M
 「自由律短歌」等も100年を超える歴史の中で試され、多くの歌人の方によって磨かれ、今日に
 至っています。これらは、定型や韻律に囚われず、最終的には短詩型の中に想いと共に、詩情を
 いかに盛り込み、表現仕切るかだと考えています。
 定型や韻律に寄りかからずに、読者の方に納得して頂く作品を紡ぐ。その営みは、少なからぬ
 困難も伴うものとの思いもあります。
 これらの短歌からも学び、納得のいく短歌をお互いに追及して行ければと思っています。
 この「水曜サロン」が、そんなジャンルを超えた交流の場になれば幸いと考えています。



☆つかの間の コロナ休息 倍返し
        気を抜く隙を 狙って撃つか
☆ゆく秋の 名残惜しむか もみじ葉は
        燃やし尽くして 艶やかに舞う

                         クロママさん

【解説】
いずれも完成度の高い短歌に、仕上がっていると感じます。
一首目の「コロナ休息 倍返し」は示唆に富んだ短歌ですね。心してかからねばとの、
警句も含んでいます。二首目の「燃やし尽くして」の表現も、もみじの終焉の輝きを
うまく表現していると感じます。

☆ハイヒール今も履けると大切に仕舞つてあるよ七十路(ななそじ)なれど
☆流行に乗り遅れむと服を買ふこともあるわれ老いを忘れて
☆老い忘れゐるから老いに兆したるもろもろ認めがたきわれかも

                         びこさん

【解説】
 「老い忘れゐる」と詠える作者は、精神的にも、身体的にも十分お若いのだと思います。
 そんな覇気も歌から立ち登ってきますが、「ハイヒール今も履けると」は、素敵ですね。
 なお、自らの想いに真摯に向き合い、歌を紡ぎ出す。そんな歌詠みの原点を、作者から
 学んで参りたいと思っています。

☆察するを磨く心の俳句かな
    作りしものの瞬間(とき)を楽しむ
☆いにしえに学ぶ心の俳句かな思考を重ねひとり喜ぶ

                         和輪(warincafe2010)さん

【解説】
 作者のブログで、ブログ友同士の短歌の「相聞」をしばしば拝見しています。
 言葉での交流以上に、深い想いも盛ることが出来るとの可能性を感じています。
 平安時代に和歌を介して想いを交わし合った歴史が、ネットを介して蘇える現実を
 みた想いが致します。
 出詠の短歌は、季語はないものの上の句のみで「俳句」として成り立つ完成度と考えます。

☆森深く 落ち葉踏む音 木霊して 残るもみじの葉擦れの音も
                         ポエット・M

【解説】
 三浦半島の突端に位置する観音崎公園は、標高差60mほどの台地にある森林公園でもあります。
 それはブナをはじめ多くの広葉樹に覆われた深い森となっています。
 その森は訪れる方も少なく静寂に包まれており、落ち葉を踏む微かな音さえも響き、木霊と
 なって帰ってくるかのような錯覚にとらわれます。
 さらに、未だ残るもみじの葉擦れの音も、舞い落ちる枯れ葉の音も、その木霊に和するように
 聞こえてきます。そんな様子を「落ち葉踏む音 木霊して」と詠ってみました。




「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (15)

4.戸隠山無情 (2)

  森林を
    抜けて間もなき
       奥社にて
     腰をおろして
       肩の荷を解く

     一杯の
       冷たき水を
          奥社にて
        いただき仰ぐ
          戸隠の山

        戸隠の
          山に隠れし
             人の碑に
           合掌すれば
             小鳥(とり)の鳴く声
    
       肘鉄を
         食うて転落
            死するとも
          我は恨まじ
            戸隠の山
     
     なめくじの
        戸渡りですと
           呟いて
         腹這いわたる
           蟻の戸渡り
  
      



【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでのヒント、
 さらに質問、諸々の疑問点等にいて、触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せいただければ幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、反論、
 ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しいです。

【区切れ】
 区切れとは、一首の中にある内容的な切れ目のことをいいます。
 短歌では、主に倒置や言い切った言葉などが区切れの部分です。万葉調と言われる五七調には、
 二句切れや四句切れ、あるいは二句四句切れ、「古今集型」あるいは「新古今集型」と言われる
 七五調には、初句切れや三句切れ、あるいは初句三句切れといったルールがそれぞれあります。
 句切れの把握は、短歌の構成やリズムを理解していく上で、役立つと考えます。

 なお、倒置とは、短歌や文章において通常の語順を変更させることであり、表現上の効果を
 狙ってなされる修辞技法の1つです。

【止め】
 短歌の結びを「止め」と言います。
  ・一般的に、印象を鮮烈にし、余情を表現する場合には体言止め
  ・感動の中心を示す場合には助言止め(助詞止め)
 を、それぞれ使用します。体言には名詞・代名詞・数詞が含まれます。
 助言止め(助詞止め)には「けり」や「かな」という言葉を使います。



【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。

                            了
コメント (18)
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