四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その46)

2022年08月03日 05時04分48秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その46)   短歌の投稿を歓迎します!!

  ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。  ☆☆☆
  ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。 ☆☆☆
  ☆☆☆ 緊急連絡!! 最近心無い「スパムメール」等がコメント欄に届いています。
       誠に心苦しいのですが、今後コメントは「許可制」にさせて頂きます。☆☆☆

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の詠まれた短歌を
 掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に短歌を投稿し、
 鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見等をお寄せ頂ければ幸いです。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。


     「アサガオ」


「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】7月23日土曜日星野温泉トンボの湯近くの村民食堂に行って来ました。
    目の前にはハルニレテラス遊歩道があり、夏の雑木林の緑は格別です。
☆景勝は 川のせせらぎ 渓流と 鳥のさえずり 溢れる緑
☆やわらかな こぼれ日受けた 雑木林 風が吹き抜け 一服の清涼

                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん
【詞書】7月26日BSフジが生中継で午後7時より「新潟県柏崎市・海中空花火大会」を
    やっていました。次から次へとあがるスターマインは圧巻でした。中でも堤防
    1500m長さに台座を作り100発一斉打ち上げ2回は国内初めての試みで凄かったです。
☆日本一 前代未聞の 尺玉が 水中花火で 一斉打ちも
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん

【解説】
 ハルニレテラス遊歩道は、これから緑あふれる最高とも言える季節を迎えますね。
 一首目、二首目はそんな遊歩道の景観を、余すことなく詠んでいて好感が持てます。
 三首目も、「100発一斉打ち上げ2回」の花火の凄さを詠っていて、その感動が
 伝わってきます。
 なお、一首目の「川のせせらぎ 渓流」の意味の重なりが少し気になりますので、
 整理してみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★せせらぎに鳥のさえずり響きいる ハルニレテラス緑溢れて


【詞書】今日の日も ルイ・アーム・ストロング 「What A Wonderful World 」を
☆今、日が沈む
  なんて世界は美しいんだろう?
      ありがとう

                         自閑(jikan314)さん
【短歌説明】
 昔、金沢の海岸に住んでいた時、近くの海水浴場にビールを飲みに行っていました。
 泳ぐ気は全く無かったです。
 夕日が日本海に沈む時、ルイ・アーム・ストロング 「What A Wonderful World 」が
 掛かり、とても素敵な気分になっていました。
 短歌としては、字足らずですが、一字も足すことが出来ませんでした。自分が生かされ、
 この美しい風景に出会えたので。
 下記URLに「What A Wonderful World 」を貼付しておりますので、夏の夕陽をイメージ
 していただければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/a44f0b0e285bc35f63be68b2bf65dad7
【投稿外コメント】
 今週も新古今和歌集で鴨長明を紹介します。
 鴨長明と言うと「ゆく川の流れは絶えずして~」の方丈記で有名ですが、新古今和歌集の
 編纂にも和歌所寄人として関与しております。
  ながむれば 千々に物思ふ 月に又 我身ひとつの 嶺の松かぜ(秋歌上)
 鴨長明は、師匠の俊恵の教えなどの歌論を「無名抄」として書いています。その俊恵と
 源頼政のやりとりの中で、とても有名な歌に酷似した頼政の歌を
 「これはいでばへすべき哥なり」と出来映えが良ければ良いと俊恵は褒めたそうです。
 この歌も
  月みれば千々にものこそ悲しけれ わが身一つの秋にはあらねど(大江千里 古今集)
 酷似と言うよりパクりじゃないかと思われたかも知れません。しかし、この歌を、
 撰者の藤原有家、藤原定家、藤原家隆、藤原雅経が撰歌し、後鳥羽上皇も気に入っていました。
  石川や せみの小川の 清ければ 月もながれを 尋ねてぞすむ(神祇歌)
 この歌が、新古今和歌集に撰歌され、鴨長明は滅茶苦茶喜んだと無名抄に書いております。
 仕事(神職)もせず、親の財産を食い潰し、歌(和歌)と楽器(琵琶)ばかりしていた
 引き籠もりニートオタクの到達点が、方丈の庵と言う事ですね。
 私もバエる短歌を作ってみたいです。

【解説】
 改めて、ルイ・アーム・ストロングの「What A Wonderful World 」を拝聴致しました。
 1920年代のディキシーランド・スタイルのジャズの先駆者の一人として知られる
 アームストロングですが、グラミー賞を受賞した1964年のシングル「Hello Dolly」で
 ザ・ビートルズの「Can’t Buy Me Love」を蹴落として全米シングルチャート1位を記録し、
 ジャズ以外のポップ・チャート・ファンでも知らない人はいませんでしたね。
 オリジナル曲のリリースから50年以上経過した今でも、ルイ・アームストロングの
 「What A Wonderful World」は、愛、平和、調和という時代を超えたメッセージを通して
 インスピレーションを与え続けていると考えます。
 とくにロシアのウクライナ侵略戦争が長期化する中で、改めて見直される曲とも思っています。
 短歌説明の「自分が生かされ、この美しい風景に出会えたので」は「What A Wonderful World」
 の曲の真髄を言い表していますね。短歌の表現としても結句の「ありがとう」が効いています。
 
 なお、新古今和歌集での鴨長明を紹介して頂きありがとうございました。
 「出来映えが良ければ良いと俊恵は褒めた」との下りは、当時の歌人のおおらかさと、本物を
 見抜く眼の確かさ、さらにはそれへの自負を感じ、学びになりました。




【詞書】コロナ旋風は止まる気配も見せず政府も「どうしたらいいのかわからない」のかな?
    世界一の不名誉なコロナ感染数は本当に怖いですね?
    私もクロと朝散歩していますが、田舎の公園とはいえマスクをしてない方が殆んど~😢
    なんなんだろう⁉️と不思議です。まぁ~そんな人ごみのない今朝の大塩湖の朝散歩で~
☆朝散歩 そよと吹く風 心地よく
       ナツスイセンの 揺れる湖

                         クロママさん

【解説】
 おっしゃる通りですね。日本の新型コロナウイルスの新規感染者数が1週間で約97万人に
 上り、世界で最多だったとのWHOの発表は、感染症対策を誇る日本としては「不名誉」な
 数値でしたね。いずれにしても私たちは、感染症対策の基本をしっかりやって自衛に心がけ
 たいと思っています。
 風に揺れ、今は盛りと咲く淡い紅色のナツズイセンは、爽やかな思いにさせてくれますね。
 愛犬クロちゃんとの朝散歩の微笑ましい様子が、あますところ無く表現され、詠まれていて
 好感の持てる詠歌と思います。このままの表現で十分と思います。

☆たのしみは 準備ととのえ教室に 仕上がり上々笑顔みるとき
☆たのしみは 良い日だったと語り合い 心やすらぎ乾杯するとき
☆たのしみは テレビが教える惣菜に 我流を足して「よし」とするとき

                         shima-千恵子さん

【短歌説明】fumiel-shimaさん ご自身の説明です。
 一首目は絵手紙の教室でちょっと難しい題材に取り組んだ時の、生徒さんたちの笑顔と
 安堵の様子を詠ったものらしい。
 三首目はレシピをちゃっかり自己流に変えて最高の出来上がりだと自己満足している姿…。

【解説】
 一首目は、絵手紙教室で生徒さんたちと難しい課題に取り組み、期待通りの作品に
 仕上がった際の教師としての安堵感と、生徒さんたちの満足感に満ちた笑顔、それは
 なにものにも代えがたい達成感に、満たされていたことと思います。
 それらの想いを「仕上がり上々笑顔みるとき」と14文字で描き切ったお手並みはさすがと
 思います。
 三首目、テレビのレシピに「我流を足して」との語に、主婦の矜持が滲み出て良い詠歌に 
 仕上がっていると考えます。


☆落日に手を振るような浜木綿(はまゆう)の ほのかな香り浜に満ちゆく
                         ポエット・M

【解説】
 焦がすように照り付けた真夏の太陽も西に傾き、落日の時を迎えています。浜辺に咲く
 浜木綿(はまゆう)は、女性の白い指にも似た花弁を落日に向け振っているかに見えました。
 そんな時、今まで感じなかった浜木綿の甘やかな香りが微かに漂い、日暮れ時に香りが増すと
 言われた、この花の特性を改めて感じました。そんな思いを詠んでみました。


     「浜木綿(はまゆう)」

「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (47)
 12.白い恋人(1)


   白い雪が ただ降るばかり
      (アダモの『雪が降る』の一節)

  あまりにも
    面影人に
      良く似たる
     君と出会いし
        日の哀しさよ

    それとなく
      『ダブリン市民』の
         「痛ましき
        事件」の話
          われにする君

      さりげなく
        語る言葉を
           さりげなく
         聞きつつ夕陽が
            丘の道ゆく

     目を伏せて
       君を泣かせる
         哀しみに
        我れもついには
           声にして泣く

    いつわりと
      知りつつ君に
        むせび泣く
       愛にこごえて
         愚かな我れよ



     「桔梗 白色」

   
【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでの
 ヒント、質問、諸々の疑問点、さらにご意見等について触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せ頂ければ
 幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、
 反論、ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しい限りです。

【サロン参加者からのご意見】チョウキチさんからのコメントです。
 「思ひあれば 袖に蛍をつつみても 言はばや物を とふ人はなし」
  寂蓮法師は、身分の高い家の子弟で家を継げないから見かけ上出家したのでしょうか。
  心から出家したのでしょうか。心を隠しながらも、つい本音を漏らす。
  昔の人はある意味あけっぴろげで、気持ちを直に表現するのですね。
【コメントへのお答え】
 寂蓮法師は、僧俊海の子として生まれ、叔父である藤原俊成の養子となった後、長じて
 中務少輔になり、30歳代で出家されたとのことですね。
 その後、歌道に精進し三夕の歌をはじめ、叔父の目指した「幽玄」を表出する多くの
 優れた歌を詠っていますね。
 例として引かれた、
  ★思ひあれば 袖に蛍をつつみても 言はばや物を とふ人はなし

 この歌は、歌合せの際に詠まれ「夏の恋の心」として扱われた作品ですが、
 「宮仕えをする女性が、身分の高い男に淡い恋心を抱くが、人には告げられない」
 想いを詠んだと伝えられています。
 つまり、寂蓮法師が自らの想いではなく「宮仕えの女性」に替わって詠んだとの
 ことです。しかし、「私の恋心は包んでも隠し切れない蛍の光です」との想いは、
 寂蓮法師にも経験としてあったのではないかと思っています。この歌には、
 少なからぬ切迫感もありますので…。こんな想像をするのも、楽しいですね。


     「百日紅 サルスベリ」

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    注)投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                       了
コメント (10)
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