四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その47)

2022年08月10日 05時32分56秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その47)   短歌の投稿を歓迎します!!

  ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。  ☆☆☆
  ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。 ☆☆☆
  ☆☆☆ 緊急連絡!! 最近心無い「スパムメール」等がコメント欄に届いています。
       誠に心苦しいのですが、今後コメントは「許可制」にさせて頂きます。☆☆☆

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の詠まれた短歌を
 掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に短歌を投稿し、
 鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見等をお寄せ頂ければ幸いです。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。


     「夾竹桃 白色」


「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】8月2日午後7時BSNHK「長岡花火大会」の生中継がありました。2004年の
    中越大震災や20・21年コロナ禍での中止、ウクライナ避難民受け入れ等々
    長岡市民の花火大会に賭ける熱烈なる想いを切に感じました。
    なお、フェニックスは2005年平原綾香のデビュー曲「Jupiter」に合わせて
    打ち上げられ、現在も続いています。
☆大迫力 夏の風物詩 フェニックス 金色花火 夜空を焦がす
☆ジュピターの 曲に合わせて 上がる花火 感動的で 涙流れる
☆フェニックス 光と音の スぺクタル 想いを乗せて 平和を祈る

                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん

【解説】
 BSNHK「長岡花火大会」の生中継は、私もテレビで拝見しました。
 三年ぶりの花火は、長岡市民と、花火師さんたちの技と心意気を感じさせ、最後には
 観客がスマホを振り、花火師さんたちにお礼を伝えると言った一体感が、イベントの
 感動を一層盛り上げていましたね。
 三首の詠歌には、その観客の一員となった作者の想いも投影され、臨場感を感じさせる
 歌になっていると感じます。
 『Jupiter』(ジュピター)は、2003年に発売された平原綾香のデビュー曲であり1枚目の
 シングルでしたね。この曲は、イギリスの作曲家ホルストの管弦楽組曲『惑星』に、
 吉元由美が歌詞を付けたものですが、壮大華麗な曲は、おっしゃるように花火に合って
 いると感じます。
 二首目の「感動的で」の内容を補い、少し添削させて頂きましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★ジュピターの曲と花火の交歓か 夜空に響くドラマに酔うや 


【詞書】蛍の儚い光は魂を喩えるのにうってつけの歌材と思いますが、現代では
    殆ど見ることもなくなり、こうした和歌を読ませてもらって懐かしむのみに
    なったことを残念に思います。「和泉式部の短歌に寄せて」
☆魂を蛍に喩へて歌詠みし昔の人の歌を読むかな
                         suisenさん

【解説】
 「物おもへば沢の蛍も・・・」の歌は、才女でもあり、恋多き女性といわれた和泉式部が、
 貴船神社に参詣した際に御手洗川に蛍が飛ぶのを見て詠んだと言われる歌ですね。
 「あなたが恋しくて思い悩んでいると、沢に飛んでいる蛍も、自分の身体からさ迷い出て
 来た魂なんじゃないかと思うの」と、切々と訴える歌になっていますね。
 この歌に寄せて詠まれた作者。命火にも似た蛍の儚い光を魂に見立て、そこに自らの想いを
 投影した詠歌となっています。「私の魂も、あの蛍のように彷徨いいずるかも…」と。

 
【詞書】山下達郎「さよなら夏日」を聴いて
☆どこかに忘れて来てしまった夏の日
        もうそこには私はいない

                         自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 山下達郎「さよなら夏日」の発売された1991年(平成3年)を調べると「東京都港区
 芝浦にジュリアナ東京オープン」とあったバブル時代真っ盛り。この曲が流行って居た頃、
 甲子園の最後のバッターの映像と共にニュースで流れていました。
 今年の高校野球は、8月6日から開始しております。コロナや熱中症の心配が有りますが、
 自分たちの夏を楽しんで欲しいものです。
 どうぞ、変わらないで~どんな未来、訪れたとしても~♪
 と歌いながら、バブル崩壊、失われた20年、大震災の平成、コロナの令和の30年。
 時代と共に変わって来ました。
 下記URLにさよなら夏日を貼付しておりますので、高校時代の自分たちを思い出して
 頂ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/a3d2d2def38eb43efb1db281987e92e7
【投稿外コメント】自閑(jikan314)さんご自身のコメントです。
 今週は、新古今和歌集で、余り知られていない天才少女宮内卿を紹介します。
  薄く濃き 野邊のみどりの 若草に あとまで見ゆる 雪のむらぎえ
  花さそふ 比良の山風 ふきにけり 漕ぎ行く舟の あと見ゆるまで
  聞くやいかに うはの空なる 風だにも まつに音する 習ありとは

 宮内卿は、15~6才で後鳥羽院に見出だされ、各歌会、歌合に引っ張り出され、俊成、
 定家、寂蓮ら後鳥羽院歌壇の重鎮を破って世間の注目を集めました。有る歌合では、俊成と
 番組し、勝敗判定は俊成自身で敗けを認めたのに、敵味方とも反対しているので自身の勝と
 したと言う辛うじて面目を保ったような事もありました。
 しかし、宮内卿は苦吟型で、後鳥羽院の期待にこたえようと思い詰めて血を吐き、20才
 前後で亡くなってしまいます。
 宮内卿の歌は、印象派の絵画を見るような、イメージが有ります。

【解説】
 自閑さんのブログと、ユーチューブの曲も再度拝聴させて頂きました。
 山下達郎の「さよなら夏日」は、山下が夏の終わりにガール・フレンドと遊園地
 「としまえん」のプールに行った時に夕立に会い、雨上がりの虹を見たという
 高校生の時の思い出を元に作った曲とのこと『ウィキペディア(Wikipedia)』。
 曲の「雨に濡れながら おとなになってゆく」のフレーズが心に響きます。
 そして、「どうぞ変わらないで・・・」も。
 自閑さんの「どこかに忘れて来てしまった夏の日」の句が、切なく心に沁みます。
 私たちの世代は、土砂降りの雨と風を浴びながら、大人になってきたとの想いも
 あります。時代の汚濁を、それによって洗い流しながら…。と申し上げたら綺麗
 ごと過ぎますね。
 なお、新古今和歌集で、余り知られていない天才少女宮内卿の歌三首を紹介頂き
 ありがとうございました。「印象派の絵画を見るような、イメージ」は名言ですね。



     「むくげ 八重」

【詞書】私の父は職業軍人でした。今や軍隊の無い我が国では『死語』ですね?
    父は技術屋だったそうで戦地には行かなかったようですが悲惨な戦争の話は
    子供達にする事は無かったような気がします。敗戦になり軍人は軍人なりに
    かなり苦労をして市井に復帰。あれから76年経ち~、しかし権力を欲する国や
    人は後を絶ちません。悲しいことです。残念です!?
    私も高齢者…勝手な言い分ですがこのまま、この際平和ボケの母国と共に
    戦争の無いまま終われれば良いと願う自己中心の一人になっています。
    珍しく難しい事を考えました(笑)。雷鳴と、断捨離について詠みました。
☆雷鳴に あわてふためき クロ駆ける
         夏の終わりを 告げる黒雲
☆断捨離を 思い立ったは 自粛の日
         懐かし品に はたと止まる手

                         クロママさん

【解説】
 戦時中、航空機の製造・整備、軍艦の造船・保守をはじめ戦争を遂行するため機材の
 製作を担った技術者たちは数多存在しました。物語にも、歴史的にはあまり光を
 当てられて来ませんでしたが、それも「一つの戦場」であったと思っています。
 その一遇にクロママさんの御父上もおられたこととと思いますし、並々ならぬ
 ご苦労をされたことと思います。それゆえ子供達には「多くを語らぬ」を貫いた
 のではないかと思います。
 「平和ボケ」と言われましょうが、77年にわたり平和を貫いたことは歴史的にも
 稀有のことと思いますし、国民として誇っていい事と思います。そこに憲法九条の
 存在があったことは事実であり、心したいと思います。
 二首目の「懐かし品に はたと止まる手」の状況が目に浮かびます。読みての
 「そうそう」との頷きをさそう、素直な詠歌と考えます。

【詞書】絵手紙教室内での光景を詠ったものです。
☆たのしみは 息つめて引く一本の 刻んだ思い通じ合うとき
☆たのしみは 固い顔した生徒らが 弾けて描いた一枚見るとき
☆たのしみは 明日の教室思いつつ 木の実を拾うババであるとき

                         shima-千恵子さん

【解説】
 絵手紙教室は千恵子奥様の、大切な「人生のよりどころ」となっているのだと思います。
 その「教室」の生徒さん一人一人の顔を思い浮かべ、準備を怠らない「誠実な教師」の
 姿が詠歌から浮かんできます。このような充実感に満ちた大切なひと時を、継続的に
 持っている方は幸せな方と思っています。
 それを理解し傍らで支えてきたshimaさんの存在も大きなものであったと拝察して
 おります。そのような教室の状況を、大いに独樂吟で表現して頂ければ、「サロン友」
 も、私達も嬉しい限りです。「弾けて描いた一枚」の表現がいいですね。


☆ナガサキの背負いきれない悲しみを 抱きしままに君は旅だつ
                         ポエット・M

【短歌説明】
 熱波を伴う炎暑の下、夾竹桃が濃い紅の花を揺らしています。この花に 「美しいけれど、
 たまらなく嫌いな花。なぜって、生きることを強いるから…」と、 遥かな青春の日の
 友の呟きが甦ってきます。長崎で、体内被曝と言う重い十字架を背負った女性の友は、
  「核廃絶」を生涯のテーマとして取り組む、行動するキリスト者でした。重い血液の
 病との死闘の果て、夾竹桃の咲く八月に23歳にも満たない生涯を閉じました。
 「何十万もの多くの方の死の代償として、この世に生を受けた私はその人達の分も含めて
 一分でも長く生きなければ…。生きることが辛いなんて言ったら、天国へ行ったあの人達に
 申し訳ないわよね」との言葉を呟きながら…。その友への挽歌として詠んだ8月9日の歌です



     「夾竹桃 紅色」

「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (48)
 12.白い恋人(2)


   白い雪が ただ降るばかり
      (アダモの『雪が降る』の一節)

  ふりむけば
    寄り添いきたる
        くれないの
     傘に牡丹の
       春の雪舞う

      寄り添いて
        哀しき君の
          背をさすり
         湖水にそそぐ
           白雪を見る

       「お休みの
         キスなど嫌っ」と
             拗ねてゆく
          君の背に舞う
             春の淡雪

     「お休みの
        キスをして」と
           立ちどまる
         君のまつ毛に
            ひとひらの雪
    もうなにも
      聞こえませぬと
         言うように
       黙して四、五歩
         前を行く君



     「ブーゲンビリア」

   
【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでの
 ヒント、質問、諸々の疑問点、さらにご意見等について触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せ頂ければ
 幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、
 反論、ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しい限りです。

【サロン参加者からのご意見】チョウキチさんからのコメントです。
 「思ひあれば 袖に蛍をつつみても 言はばや物を とふ人はなし」
  寂蓮法師は、身分の高い家の子弟で家を継げないから見かけ上出家したのでしょうか。
  心から出家したのでしょうか。心を隠しながらも、つい本音を漏らす。
  昔の人はある意味あけっぴろげで、気持ちを直に表現するのですね。
【コメントへのお答え】
 寂蓮法師は、僧俊海の子として生まれ、叔父である藤原俊成の養子となった後、長じて
 中務少輔になり、30歳代で出家されたとのことですね。
 その後、歌道に精進し三夕の歌をはじめ、叔父の目指した「幽玄」を表出する多くの
 優れた歌を詠っていますね。
 例として引かれた、
  ★思ひあれば 袖に蛍をつつみても 言はばや物を とふ人はなし

 この歌は、歌合せの際に詠まれ「夏の恋の心」として扱われた作品ですが、
 「宮仕えをする女性が、身分の高い男に淡い恋心を抱くが、人には告げられない」
 想いを詠んだと伝えられています。
 つまり、寂蓮法師が自らの想いではなく「宮仕えの女性」に替わって詠んだとの
 ことです。しかし、「私の恋心は包んでも隠し切れない蛍の光です」との想いは、
 寂蓮法師にも経験としてあったのではないかと思っています。この歌には、
 少なからぬ切迫感もありますので…。こんな想像をするのも、楽しいですね。


     「タチアオイ」

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
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   できない場合もありますのでご了承願います。

                     了
コメント (12)
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