四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その50)

2022年08月31日 05時04分42秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その50)   短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。  ☆☆☆
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。 ☆☆☆
 ☆☆☆ 先週は、短歌の早期締め切りにご協力賜り感謝申し上げます。     ☆☆☆

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の詠まれた
 短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に短歌を
 投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見等をお寄せ頂ければ幸いです。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。


     「二度目の 月下美人」


「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】8月19日は久しぶりの快晴で嫁さんと軽井沢・村民食堂、浅間山
    ウオッチング、散歩と楽しみました。そしてその都度短歌3首を詠んで
    見ました。19日は言わば短歌紀行のようでした(笑)
☆夏の午後 三度変わる味 美味しくて 二人で食べる 牛ひつまぶし
☆晴れ渡る 浅間の山は 稜線が くっきり見えて 秋忍び寄る
☆千曲川 さくらさく小径 散歩する 風が運ぶよ 秋の気配を

                    浅間山明鏡止水 (knsw0805)さん

【解説】
 快晴の空のもと、奥様と軽井沢・村民食堂、浅間山ウオッチング、さらに散歩を
 楽しまれる様子が、それぞれ楽しく明るく詠まれ好感の持てる詠歌と考えます。
 特に一首目は「三度変わる味 牛ひつまぶし」は、楽しさ、美味しさが程よく
 伝わってきます。
 三首目の「さくらさく小径」を少し添削してみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★千曲川 桜もみじの散歩みち 風にまぎれる 秋の気配よ


【詞書】戦士の墓標 防人の詩 ナターシャ・グジーを聴いて
☆愛するものために死んだ者達
       今は墓標がならんでいるだけ

                      自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 ナターシャ・グジーさんは、ウクライナ出身で、ウクライナの民族楽器の
 バンドゥーラ奏者。6歳の時、チェルノブイリ近郊に住み被爆。2000年
 から日本に住み音楽活動を行い、日本とウクライナの相互理解の促進に努めて
 いました。今年のロシアのウクライナ進攻以降、全国で、チャリティー
 コンサートを行っています。
 さて、「防人の詩」は、日露戦争を描いた映画「二百三高地」の主題歌で
 さだまさしが歌った歌です。蛇足ですが、この歌は、万葉集巻第十六
 「鯨魚取 海哉死為流  山哉死為流 死許曽 海者潮干而 山者枯為礼」
 (鯨魚取り、海や死にする、山や死にする、死ぬれこそ、海は潮干て、
 山は枯れすれ よみ人知らず)に依るとの事。
 ロシアウクライナ戦争から半年。多くの新たな墓標が作られているとの報道。
 先の見えない戦況ですが、一刻も早い平和が訪れますよう祈念しております。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/3ec2c73faa1714505f1937b143c52e95
【投稿外コメント】自閑(jikan314)さんご自身のコメントです。
 新古今和歌集のうち、たぶん誰も知らないマイナーな源具親の歌を紹介します。
 具親は、源師光の次男で、先日紹介した宮内卿の兄です。ただ、妻は超有名な
 「姫の前」です。と言っても誰?😁ですね😃
 姫の前は、比企朝宗の娘、前夫は北条義時!!鎌倉殿の13人で、堀田真由さんが
 演じていた絶世の美女の比奈です( ´゚д゚`)エー
  難波潟 かすまぬ浪も かすみけり うつるもくもる おぼろ月夜に(春歌上)
  時しもあれ たのむの雁の わかれさへ 花散るころの み吉野の里(春歌下)
  しきたへの 枕のうへに 過ぎぬなり 露を尋ぬる 秋のはつかぜ(秋歌上)
  今よりは 木の葉がくれも なけれども 時雨に残る むら雲の月(冬歌)

 具親について、寂蓮は、「歌の精進もせず、蹴鞠ばかりしおって」と、鴨長明の
 無名抄で愚痴をこぼしていたと記されております。一応新三十六歌仙の一人に
 数えられていますが、天才少女の宮内卿の前には霞んでしまいます。
 22日の放送でも、離縁させられた比奈については、四年後の承元元年(1207年)
 に死去とだけ、ナレーション死でした。具親との再婚はドラマとの関係は無いので、
 カット?

【解説】
 「美しく透明な水晶のような歌声」と形容される、ウクライナの歌姫ナターシャ・
 グジーさんの歌う「防人の歌」をユーチューブで視聴させて頂きました。
 「海は死にますか 山は死にますか」さらに「わずかな命のきらめきを信じて
 いいですか」のフレーズが、バンドゥーラの響きと共に、ウクライナの惨状と
 重なって胸に迫ってきます。
 詠歌の下の句の「今は墓標がならんでいるだけ」に込められた自閑さんの想いを
 胸に刻んで参りたいと思います。墓標の下に眠るそれぞれの方の無念と、それを
 諾わざるを得なかった多くの方の「もう一つの戦場」を思いつつ…。

 源具親の詠歌を紹介いただきありがとうございました。彼は後鳥羽上皇の院政の
 もとで活躍した公家で、新三十六歌仙の1人だったと言われていますね。
 紹介頂いたいずれの歌も優れた写実詠ですが、「露を尋ぬる 秋のはつかぜ」等は
 学びたい表現ですね。



     「芙蓉 淡紅」

【詞書】ヤハリ水鳥にもこの涼しさが気持ち良いのでしょうか?イキイキと
    大潮湖の湖面を駆け巡っているようです~🎵こんな様子を詠んでみました。
☆高原の 朝を思わす 大潮湖
        水面を走る 水鳥の群れ

                  クロママさん

【解説】
 涼しさが訪れ少しホッとしているところですが、水鳥が水面を滑るように
 奔る様を 的確に捉えた素敵な詠歌と思います。
 涼しい湖の様子を「高原の 朝を思わす」と表現して、良く分かる詠歌と
 なっています。このような的を射た表現が歌を引き締めています。


☆たのしみは 本など開き微睡みて 心身緩やぐ至福のひととき
☆たのしみは 庭に植えたるジンジャーの かほり漂う花をみるとき
☆たのしみは 虫の声きく日暮れ時 うだる暑さも忘れるひととき

                       shima-千恵子さん

【解説】
 今回の独樂吟も、私たちの日常で良く経験する一齣を詠み、誰しもが納得し、
 共感を呼ぶ詠歌となっております。
 日々の生活の中で、その一齣一齣に温かな眼差しを注ぐ作者の観察眼の
 的確さには学ぶもの大です。
 なお、三首目の「日暮れ時」と「ひととき」の「とき」の重なり、および
 下の句の字余りを少し整理してみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★たのしみは 虫の声きく夕暮れに うだる暑さも 忘れさるとき


☆箱根路をわたる風にも紛れるや ススキ穂揺らす ひそかな秋は
                         ポエット・M

【解説】
 真夏の箱根路、仙石原を散策してみました。ススキの原は未だ青々とした様相を
 呈していましたが、穂波は太陽の光を跳ねながら微かな風に揺れていました。
 その風も真夏の熱風ではなく、心地よい涼やかさが紛れ込み微かな秋の気配が
 感じられました。そんな情景を詠ってみました。


    「箱根路」

「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (51)
 13.悪夢のアウシュヴィッツ(2)


   ああ! 我れは深き淵より
           (『詩篇』)

  火のごとき
    口づけ交わす
       刹那にも
     罪をささやく
        水の洗礼

      魂よ
       汝(な)が愛刀で
           ぶった切れ
        哀しき夜の
          夢の彼女を

       生きたまま
         君を葬る
           この我を
          許せ短歌の
            形而上夢と

      殺害の
        ジャックナイフは
            血に錆びて
         夢の闇夜に
           浮かんで消えた

    神仏(かみほとけ)
      なにするものぞ
          どぶ川に
        少女の死体
         浮かぶというは



     「宗旦むくげ」

   
【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでの
 ヒント、質問、諸々の疑問点、さらにご意見等について触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せ頂ければ
 幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、
 反論、ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しい限りです。

【サロン参加者からの和泉式部の歌の紹介】前週に引き続き掲載致します。
 自閑 (jikan314)さんからの詠歌の紹介ですが、学びとして掲載します。

 和泉式部について、御関心が有ると言う事で、今週は和泉式部を数首紹介します。
 恋多き歌人として有名ですが、当時一番有名な歌は、
 ★冥きより 冥き道にぞ 入りぬべき 遥かに照らせ 山の端の月(拾遺集)
   姫路の書写山の性空上人に送った歌です。娘小式部内侍と死に別れて、
   心が暗く塞ぎ込んでいた時期かと。
 ★置くと見し露もありけりはかなくて 消えにし人を何に例へむ(新古今 哀傷)
   小式部内侍が死んで、上東門院が小式部内侍の衣をお経を表紙にすると
   言うので、差し上げる時。
 ★ねざめする身を吹きとほす風の音を 昔は袖のよそに聞きけむ(新古今 哀傷)
   恋人の為尊親王、敦道親王が相次いで亡くなり、ふと真夜中に寝覚め、恋人が
   いない現実を思う歌です。
 ★たらちねのいさめし物をつれづれと 眺むるをだに問ふ人もなし(新古今 雑歌下)
   たらちねは、親を導く枕詞ですが、この時代名詞化しております。うたた寝や
   物思いは良くないと親から注意されていたのに、今は物思いしても誰も心配も
   してくれない。
   和泉式部には、赤染衛門、紫式部、清少納言など多くの女流歌人と交流が有り、
   夫の橘道貞と疎遠となり、敦道親王と交際しているとの噂に、赤染衛門が、
    うつろはでしばし信太の森を見よかへりもぞする葛のうら風
      かへし 和泉式部
    秋風はすごく吹けども葛の葉のうらみがほには見えじとぞ思ふ
                           (新古今 雑歌下)
   安倍晴明の母、葛の葉伝説の大阪の和泉市の信太森葛葉稲荷神社には、歌碑が
   有ります。その他、多数撰集に撰ばれているのは、彼女の才能が非凡ならざる
   所以かと思います。
【suisenさんの関連コメント】
 自閑さん、和泉式部の歌をご紹介くださいましてありがとうございます。
 私は常々和泉式部の歌にも生き様にも憧れておりまして、今回、好きな歌をご紹介して
 いただき、改めて味わわせていただくことができました。が、歌が巧く、恋多き歌人で
 あった和泉式部も、娘の小式部内侍を失うという悲哀を味わったのですね。
 小式部内侍も母親の和泉式部に負けない才能豊かな歌人であったらしいですが、
 早死したのは惜しかったですね。小泉式部が時の中納言、藤原定頼に「お母さんに
 代作してもらう手紙はまだ着かないだろうね」と誂われた時、
   大江山いく野の道の遠ければまだふみもみず天の橋立
 と、やり返した歌は有名ですね。私も、こんな歌が即座に詠めるような歌人に
 なりたいです。小式部内侍も、母親に負けない恋多き女性だったらしいから、
 血は争えないということだったのでしょうね。
【チョウキチさんの関連コメント】
 赤染衛門
  うつろはでしばし信太の森を見よかへりもぞする葛のうら風
 和泉式部よりやや大人の女性の感じがしますね。
【チョウキチさんへの返答】ポエット・M
 おっしゃるように、赤染衛門は気の良い、面倒見の良い女性だったようですね。
 その意味では、まさに「大人の女性」であったと思っています。
 恋多き歌人であった和泉式部に、
  「心がわりしないでしばらく和泉の信太(しのだ)の森を見ていなさい
   葛の葉が風にひるがえるように、あの人が帰ってくるかもしれないのだから」
 と、詠い諭していますので・・・。
 この場合「和泉の信太の森」は和泉守に任じられていた夫の橘道貞を指して
 いますね。歌と共に、その背景も読み解くと歌の面白さが増しますね。


     「酔芙蓉 一重」

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
 (8) 最近心無い「スパムメール」等がコメント欄に届いています。
    誠に心苦しいのですが、今後コメントは「許可制」にさせて頂きます。
 (9) 投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
    ニックネームのみでIDのない方、あるいは匿名の投稿は内容により掲載
    できない場合もありますのでご了承願います。
                     了
コメント (14)
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