四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その48)

2022年08月17日 05時22分55秒 | 短歌
口語短歌・水曜サロンの会」(その48)   短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。  ☆☆☆
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。 ☆☆☆

 ☆☆☆ 緊急連絡!! 次週の詠草の締め切りを8月22日(月)17:00、
       掲載は8月23日(火)とさせて頂きたく宜しくお願い致します。所用で
       出かけますが、皆様にはご迷惑と、お手数をお掛けし申し訳ありません。

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の詠まれた
 短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に短歌を
 投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見等をお寄せ頂ければ幸いです。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。



     「酔芙蓉 一重」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】8月5日75歳になりました。晴れて自動車の老人マークが使えます。そして
    モールやスーパーマーケットでは優先駐車場にも入れることが出来ます。
    狭苦しい駐車場より断然優先駐車場が楽で好きです(笑)高速を走る時は
    マグネット式ですので外して飛すこともできます(爆)
☆誕生日 老人マーク 自動車の 入れる喜び 優先駐車場
☆手に入れた 老人マーク 使い勝手 誰も分からぬ 爽快感も

                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)
【詞書】BSNHK8月6日「追跡!幻の大陸と白い大蛇〜モンテネグロ〜」をやって
    いました。欧州最深の大渓谷に現れる「白い大蛇」の絶景に魅了しました。
☆怪現象 大渓谷に 白大蛇 水蒸気生む 奇跡の絶景
                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)

【解説】
 遅ればせながら、お誕生日おめでとうございます。晴れて「自動車の老人マーク
 が使え」るようになったとのこと。
 難しくなった検定試験等々、マイナス面ばかりでなく優先駐車場等、プラス面も
 多々ありますね。年齢を意識しながらも前向きにとらえて行きたいものですね。
 一首目、二首目の合作となりますが、少し添削してみました。いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★手に入れた老人マークも使いかた 優先駐車 楽々できる


【詞書】ひぐらし
☆かなかな、かなかな、
   ひぐらし悲しいかな

     ゆふぐれ時は悲しいかな

                         自閑 (jikan314)さん
【短歌説明】自閑 (jikan314)さんご自身の説明です。
 明星と言うより赤い鳥北原白秋風に作ってみました。
 こんなくだらないのは、短歌じゃ無いと皆さん思われたかと。
 誰も作らないものも個性だと、天邪鬼的愚詠ですが、連日の猛暑日の中、下記URLに
 ひぐらしの音だけでもお聴きになり、涼んで頂ければ幸いです😵💧。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/9d68ff9416dcf8cb36c7ff1db4e4a90a
【投稿外コメント】自閑 (jikan314)さんご自身のコメントです。
 和泉式部について、御関心が有ると言う事で、今週は和泉式部を数首紹介します。
 恋多き歌人として有名ですが、当時一番有名な歌は、
 ★冥きより 冥き道にぞ 入りぬべき 遥かに照らせ 山の端の月(拾遺集)
    姫路の書写山の性空上人に送った歌です。娘小式部内侍と死に別れて、
    心が暗く塞ぎ込んでいた時期かと。
 ★置くと見し露もありけりはかなくて 消えにし人を何に例へむ(新古今 哀傷)
    小式部内侍が死んで、上東門院が小式部内侍の衣をお経を表紙にすると
    言うので、差し上げる時。
 ★ねざめする身を吹きとほす風の音を 昔は袖のよそに聞きけむ(新古今 哀傷)
    恋人の為尊親王、敦道親王が相次いで亡くなり、ふと真夜中に寝覚め、恋人が
    いない現実を思う歌です。
 ★たらちねのいさめし物をつれづれと 眺むるをだに問ふ人もなし(新古今 雑歌下)
    たらちねは、親を導く枕詞ですが、この時代名詞化しております。うたた寝や
    物思いは良くないと親から注意されていたのに、今は物思いしても誰も心配も
    してくれない。
    和泉式部には、赤染衛門、紫式部、清少納言など多くの女流歌人と交流が有り、
    夫の橘道貞と疎遠となり、敦道親王と交際しているとの噂に、赤染衛門が、
    うつろはでしばし信太の森を見よかへりもぞする葛のうら風
       かへし 和泉式部
    秋風はすごく吹けども葛の葉のうらみがほには見えじとぞ思ふ(新古今 雑歌下)
    安倍晴明の母、葛の葉伝説の大阪の和泉市の信太森葛葉稲荷神社には、歌碑が
    有ります。その他、多数撰集に撰ばれているのは、彼女の才能が非凡ならざる
    所以かと思います。

【解説】
 ブログで「ひぐらし」の音声も聴かせて頂きました。
 ひぐらしは晩夏の夕暮れ時に聴くと、なぜか哀しさや淋しさを誘いますね。
 そんな雰囲気を詠った詠歌は、しみじみとした思いになります。
 「かなかな、かなかな」の導入部から、「ゆふぐれ時は悲しいかな」に至る
 展開は、おっしゃるように「個性的」な詠歌ですが、溢れる深い詩情も感じます。

 なお、和泉式部の歌を数首紹介頂きありがとうございます。今週は「投稿外コメント」
 として掲載させて頂きます。一週のみの掲載で終了するのはもったいないので、
 ご了解いただけましたら、翌週の【短歌入門・質問・提案コーナー】の欄に
 再度掲載させて頂けましたら幸いです。宜しくお願い致します。



     「オクラの花」

【詞書】8月10日から11日まで開催された、よさこい祭りを見に行きました。
    その帰途、大豊町で、日本一の大杉を見た後、讃岐うどんを食べに行こうと
    カーナビを頼りに車を走らすのですが、元の大豊に戻ってきてしまいます。
    原因は、大豊、川之江間に土砂崩れがあったためカーナビが大豊インターに
    誘導していたのでした。最近のカーナビの賢さに感嘆するとともに知らずに
    大豊町の吉野川沿いの道をぐるぐる走り回っていた間抜けな様子を歌に
    しました。笑ってやっていただけますと、嬉しく思います。
☆吉野川左に見たり右に見てぐるぐるぐるぐる周りてゐたり
☆カーナビの賢さ感心してゐたり土砂崩れあることを教へて
☆香川へは高速道路で行けと言ふ指示をしてゐたカーナビと知る

                         suisenさん

【解説】
 今年の「よさこい祭り」は8月10日・11日に「2022よさこい鳴子踊り特別演舞」
 として開催されたとのこと。
 コロナ禍での開催は、主催される方々も大変な想いをされたことと思いますが、
 盛大に催され見物された方々にも勇気を与えたことと思います。
 ご存知のことと思いますが、カーナビの設定には「一般道優先」と「高速道優先」の
 二通りがあります。「大豊インター」へ誘導されたとすれば、「高速道優先」の設定が
 されていたことと思います。さらに、土砂崩れが重なり大変な想いをされましたね。
 そんな思いを率直に詠まれた詠歌には、ユーモアとゆとりも滲み作者が新たな境地を
 拓かれた思いがします。引き続きご健詠をお祈りいたします。


      「鹿の子百合」

☆たのしみは 「どうしよう 描けない」って弱音をポツリ
          「描けた」とあなたの笑顔を目にするとき
☆たのしみは 拙い絵や字かきながら 恩師の言葉 深く読むとき
☆たのしみは ハガキ一枚ポストに入れて
          「明日 のつぎのつぎの日」と思い描くとき

                         shima-千恵子さん
【短歌説明】fumiel-shimaさんご自身の説明です。
 今回の三首は先週に続きいずれも絵手紙教室内の光景や気持ちを詠ったものです。
 一首目はなかなか自信を持てない控えめな生徒さんとの対話の中で・・・
 二首目はかつての恩師から受けた言葉を思い出し・・・
 三首目は絵手紙仲間との交流に気持ちが高揚する様子を・・・

【解説】
 作者にとって絵手紙が日々の生活の潤いであり、励みであり、生きがいとなって
 いる様子が、独樂吟からも、ブログ掲載の画像からも伝わってきます。
 そんな心情の高まりを、そのまま詠まれた詠歌にはワクワク感が溢れており、
 私たちをも幸せにしてくれます。
 なお、一首目の詠歌の語句を少し整理させて頂きましたが、参考として見て
 頂けましたら幸いです。
【ご参考】
 ★たのしみは ポツリと弱音はく君の 「描けた」と笑顔 目にとめるとき


【詞書】7月の山陰自転車旅で鳥取の海岸を通り掛かった時のこと、民謡「貝殻節」の
    説明板がありました。櫓を漕ぐ労働の辛さを紛らわすい労働歌とありました。
    大学の寮の先輩が飲むと切々と歌う姿が懐かしく浮かびました。
☆穏やかに寄せては返す鳥取の貝殻節の海に佇む
                         I.SATO(楕円と円)さん

【解説】
 自転車旅で全国を巡る作者の行動力と、エネルギーにはいつも憧れと共に、
 感服しております。体調に気を付けながら元気に旅をされる事を祈っています。
 なお、貝殻節はおっしゃるように「櫓を漕ぐ労働の辛さを紛らわすい労働歌」との
 事ですね。事実、帆立貝の漁の際の櫓こぎはつらい重労働であったようですね。
 多くの民謡がそうであるように、民謡は日々の生活や労働の厳しさを紛らわし、
 乗り越える民衆の叫びから生まれたと思っています。
 従って元気づけの掛け声の裏に響く、一種の哀愁が時代を越えて私たちの琴線を
 震わすのだとも思います。先輩の切々と歌う姿にはそんな思いも滲んでいたのでは
 無いでしょうか。
 「貝殻節の海に佇む」の下の句の表現が秀逸です。自転車旅の途上、その味わい深い
 物語を聞かせて頂きありがとうございました。


☆「人間を 返せ」との声 響きいる 丸木夫妻の「原爆の図」よ
                         ポエット・M

【解説】
 過日HNK TVで埼玉県東松山市の「原爆の図 丸木美術館」に展示されている「原爆の図」
 1部から15部までを拝見しました。かつて美術図鑑等では、その一部を拝見したことは
 ありましたが、改めて映像によって見た「原爆の図」は衝撃でもありました。
 その時、峠三吉「原爆詩集」の「にんげんをかえせ」の詩の一節が甦って参りました。
 「にんげんの にんげんのよのあるかぎり くずれぬへいわを へいわをかえせ」で
 結ばれている詩でもあります。
 ロシアのウクライナ侵略戦争の中で、核兵器の使用が現実的な問題となる中で、
 丸木夫妻が生涯をかけて、この絵に込めた訴えを、もう一度かみしめる必要がある
 との想いで詠ってみました。


     「高砂百合」

「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (49)
 12.白い恋人(3)


   白い雪が ただ降るばかり
      (アダモの『雪が降る』の一節)

  ゆえありて
    君の憎しみ
       買わんため
     今日より愛の
       裏道をゆく

      身をはすに
        構えて叫ぶ
          君の目の
         怒り哀しみ
           別れの夕べ

       うなだれて
         雪降る道の
            彼方へと
          君は去りゆく
             君は消えゆく

    哀しみの
      囚人なりし
         我が心
        ああ純白の
           恋人あわれ



     「芙蓉 淡紅」

   
【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでの
 ヒント、質問、諸々の疑問点、さらにご意見等について触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せ頂ければ
 幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、
 反論、ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しい限りです。

【サロン参加者からのご意見】チョウキチさんからのコメントです。
 「思ひあれば 袖に蛍をつつみても 言はばや物を とふ人はなし」
  寂蓮法師は、身分の高い家の子弟で家を継げないから見かけ上出家したのでしょうか。
  心から出家したのでしょうか。心を隠しながらも、つい本音を漏らす。
  昔の人はある意味あけっぴろげで、気持ちを直に表現するのですね。
【コメントへのお答え】
 寂蓮法師は、僧俊海の子として生まれ、叔父である藤原俊成の養子となった後、長じて
 中務少輔になり、30歳代で出家されたとのことですね。
 その後、歌道に精進し三夕の歌をはじめ、叔父の目指した「幽玄」を表出する多くの
 優れた歌を詠っていますね。
 例として引かれた、
  ★思ひあれば 袖に蛍をつつみても 言はばや物を とふ人はなし

 この歌は、歌合せの際に詠まれ「夏の恋の心」として扱われた作品ですが、
 「宮仕えをする女性が、身分の高い男に淡い恋心を抱くが、人には告げられない」
 想いを詠んだと伝えられています。
 つまり、寂蓮法師が自らの想いではなく「宮仕えの女性」に替わって詠んだとの
 ことです。しかし、「私の恋心は包んでも隠し切れない蛍の光です」との想いは、
 寂蓮法師にも経験としてあったのではないかと思っています。この歌には、
 少なからぬ切迫感もありますので…。こんな想像をするのも、楽しいですね。


     「宗旦むくげ」

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
 (8) 最近心無い「スパムメール」等がコメント欄に届いています。
    誠に心苦しいのですが、今後コメントは「許可制」にさせて頂きます。
 (9) 投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
    ニックネームのみでIDのない方、あるいは匿名の投稿は内容により掲載
    できない場合もありますのでご了承願います。

                     了
コメント (9)
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