四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その52) 

2022年09月14日 05時25分01秒 | ボランティア
「口語短歌・水曜サロンの会」(その52)   短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。 ☆☆☆
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。☆☆☆


 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の詠まれた
 短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に短歌を
 投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見等をお寄せ頂ければ幸いです。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。


     「酔芙蓉 一重」


「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】9月5日私のブログに掲載した口語短歌です。ブロ友の「薩摩いもこ」さんが私の
    撮影した「ポール・セザンヌ」をJtrimで額装して下さいました。出来栄えに
    感動しまして思わず短歌を詠みました。
☆薔薇の花 Jtrim(ジェイトリム)での 額装は 煌びやかなる 芸術絵皿
                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)さん
【詞書】BS日本テレビ「小さな村の物語・イタリア」この番組が好きでいつも見ています。
    BGMで流れる曲と三上博史の語りが大好きで二人とも嵌まっています。
☆イタリアの 小さな村の 物語 歌と語りに いつも癒される
☆日曜日 朝の時間に 流れるは 三上博史の イタリアの村

                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)さん

【解説】
 二首目、三首目の「小さな村の物語・イタリア」についての番組の紹介に
  「人間本来の暮らしが息づく〝小さな村〟が今、注目されています・・・
   〝豊かに暮らす 美しく生きる〟とはどういうことなのか。
   私たちが忘れてしまった素敵な物語が、小さな村で静かに息づいて
   いました」
 と、記されていました。
 この番組への賛歌とも言える詠歌は、作者の想いが込められ共感を呼ぶ歌と考えます。
 二首目、三首目から発想を飛ばして、ご参考として一首詠んでみました。
【ご参考】
 ★イタリアの「小さな村」に残れるや つましきたつき豊かさ溢れ

    注)たつき:生活、生計


【詞書】高橋治の「風の盆恋歌」を思い出しながら今を盛りの酔芙蓉を詠んでみました。
    八尾の町は今頃門ごとに鉢植えの酔芙蓉が咲いているのかもしれません。
☆頬そめて酔ってもみたし酔芙蓉グラスをあけて今宵待とうか
☆酔芙蓉いちにち花の哀れさに朝昼夕べに姿見にゆく
☆風の盆娘の衿元乱れなく雨のおわらの坂くだりゆく

                         紬さん
 
【解説】
 越中おわらの祭の夜に忍び逢い、互いに心を通わせながら、離ればなれに20年の
 歳月を生きた男と女。ぼんぼりに灯がともり胡弓の音が静かに流れる町角。
 そこに咲く酔芙蓉の花弁は紅に染まりながら、宵闇の中静かに閉じてゆく。
 「風の盆恋歌」のそんな情景が浮かぶ三首の歌を改めて味合わせて頂きました。
 一首目の「頬そめて酔ってもみたし酔芙蓉」の、調べと表現が秀逸と思います。



     「酔芙蓉 八重」

【詞書】胎動 「ベートーベン ピアノ・ソナタ第8番 悲愴 第2楽章」を聴いて
☆私は今、生まれ変わる!
    だからじっと産道へ行くのを待っている

                         自閑 (jikan314)さん
【短歌説明】自閑 (jikan314)さんご自身の説明です。
 私は、古典の勉強をする時、精神集中とリラックスの為、YouTubeの作業用BGMや
 ミックスリストを聴きながらしております。
 クラシック名曲選でベートーベンの悲愴が流れていて、そのイメージから作りました。
 どうしてこの短歌に?と聞かれても、そう聞こえたとしか答えられないです。
 何故、ベートーベンもは悲愴と言う曲名を付けたのか?疑問ですしね😃
 たぶん、曲名は知らなくても、曲は聴いた事が有るかと。下記URLにYouTubeを
 貼付しておりますので、お聴きになられては?
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/51fab31fdf1b25a07afd2dbbd122bf5f

【投稿外コメント】自閑 (jikan314)さんご自身のコメントです。
 今回は、新古今から離れて、建礼門院右京大夫を紹介します。
 建礼門院右京大夫は、建礼門院(平徳子)に出仕し、平資盛と恋仲となり、平家の
 都落ちで生き別れ、壇之浦の後、建礼門院を大原に訪ねる様子が、建礼門院右京大夫集に
 あります。滅多に古典を現代語に訳さないのですが、右京大夫集と今昔物語集だけは、
 訳をblogに掲載しております。右京大夫のイメージとして、若尾文子さんが、語りかける
 様にと自分では思っております。

  寿永の平資盛との別れ
   またためしたぐひも知らぬ憂きことを見てもさてある身ぞうとましき
    拙訳 また他に前例の無く、同じ樣な事も知らない生き別れという辛い経験を
       したのに、まだこうしてそのままに生きている自分がうとましい…

  大原訪問
   今や夢昔や夢と迷はれていかに思へどうつつとぞなき
    拙訳 今の詫び住まいが夢なのか、昔の栄華が夢なのか迷ってしまい、
       どう考えても現実のことと思われません

   仰ぎ見し昔の雲の上の月かかる深山の影ぞ悲しき
    拙訳 昔、宮中で拝見致しました雲の上の月の樣にお美しかった建礼門院樣が、
       この樣な深山にお住まいの御樣子を拝見致しますとは悲しいことであります

   山深くとどめおきつるわが心やがてすむべきしるべとをなれ
    拙訳 (建礼門院樣のお住まいになる)この山深い大原に残して置いてきた
       私の心が、やがて出家するという導きの道標となっておくれ
 右京大夫集は、再度注目されたのが、太平洋戦争で、夫や恋人を出征で戦地に送った
 方々から読まれたとの事です。
 大原の寂光院の裏山には、右京大夫の墓との伝承の墓石があります。観光客も
 そこまでは行かないです。

【解説】
 作者は「古典の勉強をする時、精神集中とリラックスの為、YouTubeの作業用BGMや
 ミックスリストを聴きながらしております」とのこと。
 新古今集等の古文書を読み解くには、それだけの集中力が必要の旨、改めて学ばせて
 頂きました。
 その成果を私たちに「おすそわけ」して頂けるのは有難い事と思っています。
 ご紹介頂いたYouTubeで「辻井伸行ピアノ・ソナタ第8番(悲愴)第2楽章」を改めて
 視聴させて頂きました。「悲愴」との標題には遠い澄明で哀切さに満ちた旋律に
 「青春の哀傷感」を感じ取ることが出来ました。
 この曲を聴きながら「私は今、生まれ変わる!」の詠歌を紡ぐ、作者の発想力に
 感嘆した次第です。
 なお、建礼門院右京大夫の和歌について紹介いただきありがとうございました。
 コメントでも記されておりましたが「太平洋戦争で、夫や恋人を出征で戦地に送った
 方々から読まれたとの事」は、事実のようですね。
 今、私も「空白の短歌史」を時々ブログに掲載させて頂いておりますが、その資料の
 中で「右京大夫集」の記述に触れたことがありました。



    「芙蓉 淡紅」

【詞書】赤ちゃんを久し振りで抱きました。思いのほか私の子守歌が気に入って
    くれたようでたっぷりスキンシップができました。
    子育て時代を思い出し、さわやかな喜びを感じました
☆抱き上げて 泣きたる赤子に ねんころり 調べに揺れて 笑顔いづるよ
☆腕の中 見上げ聞いてる子守唄 「あーうー」と真似る みどりご可愛
☆見つめおる 黒き瞳の愛らしさ 微睡ながら まなこ閉じるよ

                         さわやか♪さん

【解説】
 三首の歌は、愛するお孫さんに触れ、そのスキンシップにより甦ったかつての
 子育て、その時代の思い出が、すっきりと詠まれていて共感を呼びます。
 いずれも、良く分かる歌ですが、三首目を少し添削させて頂きました。
 ネットでの交流により了解を得ましたので、添削歌として載せさせて頂きます。
【添削歌】
 ★見つめくる 黒き瞳の愛らしさ 微睡ながら まなこ閉じゆく


☆たのしみは 足止めてみるアキニレの 小さき花に心浮くとき
☆たのしみは 紅き葉一枚手にとりて しみじみ秋を思うひととき
☆たのしみは 空澄み渡る秋の日に 風に誘われハミングするとき

                        shima-千恵子さん

【解説】
 いずれも「小さな秋」の訪れを味わい深く詠っており、良く分かり共感が
 湧く歌と考えます。
 秋彼岸を前に、目を凝らせば秋の訪れはそこかしこに溢れていますが、
 そんな訪れに目を留めて的確に詠われています。
 特に二首目の「紅き葉一枚手にとりて しみじみ秋を思う」と、三首目の
 「風に誘われハミングする」は、さりげなく詠われていますが、表現が
 秀逸と考えます。


☆ヒグラシの声聴くたびに哀しみは 重ね深まり夏も去り行く
                      ポエット・M

【解説】
 晩夏の夕暮れ、ヒグラシの鳴き声が響いてきます。盛夏のミンミンゼミとは異なる
 そこはかとした寂しさを含んだ音色は、去り行く夏を静かに知らせているかに
 聞こえます。
 エネルギーに満ちた夏の季節が秋への移ろいを示す時、説明のしようもない寂しさ、
 哀しみが襲う時があります。それは年を重ねる毎に深まりますが、ヒグラシの
 鳴き声がその想いを一層強めるかに感じることがあります。
 そんな哀しみや切なさが深まっていく思いを詠んでみました。



     「ヒグラシ蝉」

「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (53)
 13.悪夢のアウシュヴィッツ(4)


   ああ! 我れは深き淵より
           (『詩篇』)

   アルバイト
     マハトフライの 
        ドイツ語は※
     夢にも夜と
        霧とに浮かぶ

      時と言う
        死の門上に
          アルバイト
         マハトフライと
            指が書く夢

       時と言う
         アウシュヴィッツの
           ガス室で
          我れは裸体で
            死を待つ悪夢

      時と言う
        アウシュヴィッツの
            工場で
          老いたる者が
             我れを焼く夢

    我れもまた
      我が魂も
        時と言う
       アウシュヴィッツで
         灰と化す夢


 注)※ アルバイト マハト フライ
   独: Arbeit macht frei
    ナチス政権がユダヤ人を収容する強制収容所のスローガンで、強制収容所の
    門のアーチの文字に用いられ「働けば自由になれる」と訳されています。


     「未だ咲く 夾竹桃」

   
【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでの
 ヒント、質問、諸々の疑問点、さらにご意見等について触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せ頂ければ
 幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、
 反論、ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しい限りです。

【サロン参加者からの小野小町等の歌の紹介】
 自閑 (jikan314)さんからの詠歌の紹介ですが、学びとして掲載します。

 何気にテレビチャンネルを回して?いると、NHK教育でいきなり小町が出て来ました。
 ★思ひつつぬればや人の見えつらむ 夢と知りせばさめざらましを(古今集 小野小町)
 NHK「究極の短歌・俳句100選ベストセレクション」の恋と言う番組の再放送で、
 選者が短歌50首、俳句50首を選ぶと言う嗜好。

 選者の一人、栗木京子さんは、新古今和歌集をよく読んでらっしゃるらしく、
 式子内親王の百人一首と、
 ★ながめつつ思ふも寂し ひさかたの月の都の明け方の空(新古今和歌集 藤原家隆)
 を選ばれておりました。家隆は、定家ほど有名ではありませんが、後鳥羽院歌壇の
 双璧で、定家ほど性格が悪く無いです。
 ★花をのみ待つらむ人に山里の雪間の草の春をみせばや(六百番歌合)
 この歌は、茶人千利休が座右の銘にしていたそうです。貴方の知らない新しい美を
 見せようと言う意味ですね。
 ★下紅葉かつ散る山の夕時雨 濡れてやひとり鹿の鳴くらむ(新古今 秋歌下)
 巻頭歌(一番最初に掲載される歌)の栄誉を受けたもので、俳句の季語
 「紅葉かつ散る」の元になった歌です。
 ★志賀の浦や遠ざかりゆく波間より氷りて出づるありあけの月
 私は幽玄の歌だと思っています。
 ★露時雨もる山かげのした紅葉濡るとも折らむ秋のかたみに(秋歌下)
 私の好きな歌で、歌のイメージが、晩秋の映像となって、入って来る気がします。
 ★契りあれば難波の里に宿りきて波の入り日を拝みつるかな
 最後は、大阪市天王寺区に夕陽ヶ丘と言う地名、四天王寺前夕陽ヶ丘駅と言う駅が
 有りますが、由来はこの歌によります。


     「朝顔の花」

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
 (8) 最近心無い「スパムメール」等がコメント欄に届いています。
    誠に心苦しいのですが、今後コメントは「許可制」にさせて頂きます。
 (9) 投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
    ニックネームのみでIDのない方、あるいは匿名の投稿は内容により掲載
    できない場合もありますのでご了承願います。

                     了
コメント (16)
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