四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その54)

2022年09月28日 05時32分58秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その54)   短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。 ☆☆☆
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。☆☆☆


 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の詠まれた
 短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に短歌を
 投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見等をお寄せ頂ければ幸いです。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。



     「白花 彼岸花」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】2022年9月19日日本時間午後7時より英エリザベス女王の国葬がありました。
    BSNHK放映の生中継で静かにお見送りさせて頂きました。まさに荘厳な
    宗教儀式を見る思いでした。今後の組織の在り方に議論も噴出していますが、
    コモンウェルス・オブ・ネイションズのリーダーとして大任を果たされた
    女王陛下に謹んで哀悼の意を表します。
    なお、エリザベス女王の朝は、バグパイプの生演奏で始まり、女王専属の
    バグパイプ奏者がお気に入りだったそうです。
☆穏やかに ひつぎに眠る 女王は 国家の安寧 とわに祈るも
☆王冠と 薔薇に包まれ 女王は バグ(パイプ)の音色に 安らかに眠る
☆女王は 讃美歌の中 祝福を 受けて安らかに 復活祈る

                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん

【解説】
 国民に寄り添い、コモンウェルス・オブ・ネイションズのリーダーを70年の
 長きにわたって、真摯に、誠実に勤められたエリザベス女王の偉大な足跡。
 改めてその一歩一歩に刻まれた功績と、あり方に感動するとともに、お疲れ様と
 申し上げたいと思います。
 そんな女王陛下への想いを込めた挽歌とも言える三首の歌は、作者の心からの
 哀悼の意も滲む、感動を誘う歌と思います。
 二首目の下の句「バグ(パイプ)の音色に 安らかに眠る」に哀悼の想いが溢れて
 います。この歌の語順を少し変え添削してみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
★バグの音に包まれ眠る女王は 薔薇と王冠 次代につなぐ


【詞書】
 (1)萩の花の落花、それが風に散らされて1か所に寄せられる情景は、なんとも
  不安でまるで私の人生のようです。
 (2)近しい友人が病を抱えていたとはいえ、突然逝ってしまいました。その驚き、
  やりばのない哀しみ・・・。
 (3)初秋の寺にきて優しいお顔の石仏と語らうひととき、気がつけばもう日も傾いて
  そんなに時間がたったのかと。秋はもの哀しいモノクロの世界へ誘うようです。
   よろしくお願いします。
☆(1)参道に散り敷く萩のこぼれ花 風のまにまの危うき予感
☆(2)ほろほろと散る萩のはな手に受けて別れは不意に来るものと知る
☆(3)石仏の頬なでながら散る萩のこぼれる庭に日は傾きぬ

                         紬さん

【解説】
 萩の花に寄せた三首の歌は、いずれも萩の花と、その落花が醸し出す雰囲気と、
 それぞれに象徴される物語を過不足なく詠いきっていると感じます。
 特に二首目の下の句「別れは不意に 来るものと知る」にさりげなく詠われ
 ながらも、作者の深い哀しみがその句の行間から伝わってきます。また、
 「ほろほろ」のオノマトペと、「はな」のひらがな表現が秀逸です。


【詞書】秋散歩 モーツァルト ピアノソナタを聴いて
☆暑くもなく、
   寒くもなく、
     やっと
  優雅に散歩ができる
   花も蝶も

                         自閑(jikan314)さん       
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 YouTubeを聞き、ながら勉強の第二段。モーツァルトピアノソナタ第13番
 第3楽章アレグレット・ グラツィオーソK.333で、グラツィオーソは、
 イタリア語で「優雅に、気品をもって、愛らしい」。アレグレットは、
 アレグロ(速く)よりも遅いテンポとの事。
 台風が去ったら急に秋になったようです。
 台風は、各地に甚大な被害を及ぼしますが、実は寒冷地に暖地の熱気を、
 暖地に冷気をもたらし、地球上の気温を平準化し、生物が住みやすい環境を
 作っているとの事。
 日本へは台風は数千年に渡って飛来しており、我々には台風の記憶が遺伝子に
 組み込まれていると思います。
 熱中症に気を遣い、感染に注意を払いつつ、散歩の楽しみも半減と言う事ですが、
 これからの散歩が楽しみですね😃
 下記URLにモーツァルトピアノソナタを貼付しておりますので、軽快な
 モーツァルトをお聴き頂ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/136d3f95c285e0567e27fc45028fbb34

【解説】
 YouTubeのピアノソナタ第13番 第3楽章を早速聞かせて頂きました。
 改めて申し上げるまでも無く、モーツァルトはハイドンやベートーヴェンと
 同じくウィーン古典派を代表する人物ですね。ピアノソナタ第13番 は優雅な
 曲ですが、散歩の徒然に聞くのも良いものですね。
 出詠して頂いた短歌の「優雅に散歩ができる 花も蝶も」は、秋散歩の
 ワクワク感が感じられます。
 私も過日、秋日和に誘われ散歩に出ましたが、曼殊沙華に憩うアゲハ蝶が結構
 いい絵になっていました。正に「花も蝶も」の状態でした。



     「彼岸花に憩う 揚羽蝶」

【詞書】いつの間にか庭の葡萄が黒くなりました。本棚に古い木製の小さな時計が
    あり休み休み時を刻んでいます。それでも春夏秋冬は巡ってきます。
☆本棚で時々止まりまた進む時計の針に我重ね秋
                         I.SATO(楕円と円)さん

【解説】
 「休み休み時を刻んで」いる時計なんていいですね。私もそんな時計に自らを
 重ねてみたいと思います。
 止まっても又立ち上がる時計に限りない愛着を感じるとともに、その根性に
 「あっぱれ」を差し上げたいと思います。
 「時計の針に我重ね秋」の下の句が歌をきりりと締めるとともに、自らの歩み
 への静かな矜持が滲んでいると感じます。


【詞書】一首目は友人との絵手紙交流で通じ合う想いを詠んだものです。
    三首目は現実的な喜びを・・・
☆たのしみは 通う一言読みとりて あなたの想いに心寄せるとき
☆たのしみは 夕日色したツタの葉を 一枚手にし愁思するとき
☆たのしみは 眼鏡重ねてチラシ読み 待ってた口福届くそのとき

                         shima-千恵子さん

【解説】
 日々の楽しみを生活の中に見出し、それを詩に紡いでいく。この営みはご自分を
 見つめ直しつつ、そこから明日に向う活力を見出し、さらに周りの人々をも励ます、
 エネルギーを汲みだしていくことに繋がっているのだと思っています。
 二首目の「夕日色したツタの葉を」の表現が素敵ですね。季節の移ろいを素直に
 感じ取る感性と、観察眼の故と感じます。
 かつて、五木寛之氏が「よろこびノートに日々感じるささいなよろこびを綴る
 ことによって、心に潤いを取り戻した」と記した文に触れたことがありました。
 この独樂吟も、わずか31文字で日々の楽しみや、喜びを記す、強力な手段に
 なっている のではないかと思っています。

 なお、先に奥様の状況は伺っていましたが、「体調等の状況」から今後独楽吟を
 出詠することが難しくなっているとのこと。先ずは日々の生活が大切ですので、
 そちらを優先されることをお勧めします。「水曜サロン」は開かれた広場です
 ので、折を見ていつでも参加して頂ければ嬉しいです。
 いずれにしましたも、歌評等を含めて、無理のない範囲で参加して頂ければ
 嬉しいです。


【詞書】月下美人の花を咲かせるのは大変そうですね?先日私も写真でですが従兄の
    奥様が3年がかりで育てたお花のフォトを送ってもらい久々に身近に感じた
    ばかりでした🎵すっかり秋めいて来ましたね。一首詠ませて頂きました🙋  
☆里山のもみじ色ずき
       トンボ飛ぶ
    畦道に咲く 揺れる彼岸花

                         クロママさん

【解説】
 作者のブログに掲載された月下美人の花を拝見させて頂きました。爽やかな月下美人の
 花が、誇らしげに咲いていました。「従兄の奥様が3年がかりで育てたお花」とのこと
 ですが、丹精の甲斐があったようですね。
 季節はおっしゃるように、すっかり秋めいてきましたが、里山のそんな様子を盛り込み
 詠われた歌は、良く分かる好感のもてる作品となっていると考えます。
 最近は白花の彼岸花も目立ちますが、その色を明示して少し添削させて頂きましたが、
 いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★里山のもみじ色ずきトンボ飛ぶ 畦に揺れ咲く 朱の彼岸花


☆いつの間に 闇もせまりて来るごとく 虫の音つつむ秋の夕暮れ
                         ポエット・M

【解説】
 「秋の日はつるべ落とし」とのことわざがありますが、つるべが井戸の中に素早く
 落ちる様子を秋の日暮れに例えたと言われています。
 事実、秋は日没の時刻が早まるだけでなく、その後の薄明の時間も短くなり他の
 季節に比べて急速に日が暮れるとの実感があります。
 もっとも現在ではつるべ(釣瓶)等と言っても通じない世代の方が多いかと思いますが、
 井戸で水を汲み上げるために、かつて使われた道具のことで、桶を縄の先にとりつけた
 ものを言います。
 気がつかぬ間にせまる夕闇と、虫の音が包むように響びいてくる、そんな秋の夕暮れを
 詠ってみました。



     「芙蓉」

「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (55)
 14.痛みの変奏曲(1)


   哀しむものは幸いです。
           (山上の垂訓)

   美しき
     女が我れの
        内に棲み
       哀しき歌を
         甘美に詠う

     哀しみは
       乙女心が
          星空の
         夢に咲かせた
            形而上学

       哀しみを
         誰が盗んで
           行ったのと
          夕べ乙女が
            すすり泣く夢

      我れが身に
        おきて初めて
           哀しみは
          トータルにして
            ラジカルならむ

    哀しみは
      申し子われの
         歌に咲く
        トータルにして
           ラジカルな花


     「酔芙蓉 八重」

   
【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでの
 ヒント、質問、諸々の疑問点、さらにご意見等について触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せ頂ければ
 幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、
 反論、ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しい限りです。

【サロン参加者からの小野小町等の歌の紹介】前週に引き続き掲載致します。
 自閑 (jikan314)さんからの詠歌の紹介ですが、学びとして掲載します。

 何気にテレビチャンネルを回して?いると、NHK教育でいきなり小町が出て来ました。
 ★思ひつつぬればや人の見えつらむ 夢と知りせばさめざらましを(古今集 小野小町)
 NHK「究極の短歌・俳句100選ベストセレクション」の恋と言う番組の再放送で、
 選者が短歌50首、俳句50首を選ぶと言う嗜好。

 選者の一人、栗木京子さんは、新古今和歌集をよく読んでらっしゃるらしく、
 式子内親王の百人一首と、
 ★ながめつつ思ふも寂し ひさかたの月の都の明け方の空(新古今和歌集 藤原家隆)
 を選ばれておりました。家隆は、定家ほど有名ではありませんが、後鳥羽院歌壇の
 双璧で、定家ほど性格が悪く無いです。
 ★花をのみ待つらむ人に山里の雪間の草の春をみせばや(六百番歌合)
 この歌は、茶人千利休が座右の銘にしていたそうです。貴方の知らない新しい美を
 見せようと言う意味ですね。
 ★下紅葉かつ散る山の夕時雨 濡れてやひとり鹿の鳴くらむ(新古今 秋歌下)
 巻頭歌(一番最初に掲載される歌)の栄誉を受けたもので、俳句の季語
 「紅葉かつ散る」の元になった歌です。
 ★志賀の浦や遠ざかりゆく波間より氷りて出づるありあけの月
 私は幽玄の歌だと思っています。
 ★露時雨もる山かげのした紅葉濡るとも折らむ秋のかたみに(秋歌下)
 私の好きな歌で、歌のイメージが、晩秋の映像となって、入って来る気がします。
 ★契りあれば難波の里に宿りきて波の入り日を拝みつるかな
 最後は、大阪市天王寺区に夕陽ヶ丘と言う地名、四天王寺前夕陽ヶ丘駅と言う駅が
 有りますが、由来はこの歌によります。


     「芙蓉」

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
 (8) 最近心無い「スパムメール」等がコメント欄に届いています。
    誠に心苦しいのですが、今後コメントは「許可制」にさせて頂きます。
 (9) 投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
    ニックネームのみでIDのない方、あるいは匿名の投稿は内容により掲載
    できない場合もありますのでご了承願います。
                     了


     「風に揺れる コスモス」
コメント (14)
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