PRINCOの今日のパチパチ
Sidosso Princoちゃんの思わず拍手パチパチ記録
 



『どうすればよかったか?』観てきました。パチパチ!

平日なのにほぼ満席。すげえ混んでた!
ストーリーと全く関係ないけど、「ん、、、、日蓮宗か、、、、」とか宗派が気になる職業病(^^;)

予告編を見て、あらすじを読めば、「いやあ、さっさと心療内科に診てもらえば良かったっしょ」で終わりなんでしょうが、もちろん、そういう内容の映画ではありません。



以下、ネタバレあり(反転させて読んでください)












個人的感想です。
50年近く前、統合失調症が精神分裂病と言われていた時代に、自分ならどう対応できただろうと思いました。
日本は1950年までは、いわゆる「座敷牢」に閉じ込めておくことが法の下に認められていたのですから。
藤野家のご両親は(恐らく二人とも)北大の医学部を出て、研究者になり、家庭を持って、一姫二太郎に恵まれて、豪邸に住み、、、、、、絵に描いたようなハイソな暮らしです。
やがて自慢の娘も医学部に合格し、、、、、



しかし、これはパンフレットを読んで知ったのですが、やはり今の時代の我々から見ると「ん?」と思うことが出てきます。成績至上主義で、成果が出ないということは努力が足りないと断じられ、長女の雅子さんも長男の知明さん(この映画の監督)も本当に辛かったろうなと思います。

私が子どもの頃、親をパパママと呼んでいる同級生はいませんでした(少なくとも友人間で)。映画の藤野家は父親が大正生まれ、母親が昭和2年生まれだそうですから、やはりかなり異質です。
加えて厳しい物言いですが、子どもたちが成人してもずっと「ちゃん付け」で呼んでいるということは、子どもを自分の所有物だと考えていることの証左だなとも感じました。



救われたのは、雅子さんが、緩解して(それでも警察のお世話になったりはしますが)、花火を観たり、手作りフェスみたいなとこに買い物に行ったりしたこと。同窓会に行ってみようかな、なんて思ったこと。
ただでさえきつかったのに、あれらが無しで、亡くなってしまったらと思うと、、、、、、、


とにかく考えさせられたのは、周りから見ると異常な環境も、本人たちにとってはバランスが取れている(ように感じている)ということです。
誰にでも多かれ少なかれ、そういうことはあります。自分は違うなんて言えない。「俺がおかしいだって?おかしいのはお前らだよ!」みたいな。
学歴や経歴詐称も、言い続けていると本当にそうだと思い込んでしまうように、玄関に南京錠をかけるという異常な生活も長く続けていると自分たちは正常だというバイアスに陥ってしまうのでしょうか。
(いや、それとも違うか、、、、、むーん)



お医者さんじゃないですが、坊さんの世界も、お寺に生まれたということで、嫌がる子どもに後を継がせることを強いて、大変なことになってしまった例もしばしば聞きます。
ああ、うちも似たようなもんか、、、、、、(^^;)


あとは日本人の恥の文化。
今でこそ芸能人なんかも大っぴらに言いますが、実家が貧乏だったとか、兄弟に禁治産者がいるとか、昔は「恥」としてとことん隠したことでしょう。
現代でも、自死や不登校など、まだまだ周囲に言えずに自分や家族の中で葛藤していることもたくさんあります。
50年後にお気楽な第三者から「こうすればよかったんじゃない?」なんてサラリと語られるのでしょうか、、、、




おまけ~
お手洗い表示のレオンとマチルダ。スタッフが映画好きなんだろうなあ、というのが伝わってきてジワる。


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