NHK朝ドラ『おかえりモネ』で、「みんなの為って言うけど、それって結局、自己満足なんだから、自分の為なんじゃない!?」という、人類の永遠のテーマが話題になってました。パチパチ!
例えばオリンピックで「周囲の為に頑張る」というのなら、仮に周囲が五輪開催に反対したら参加を取り止めないといけません。でも自分の為ならば、参加不参加は自分が決めればいい。
もっとも、今回の選手たちは「自分の為に云々」とはどう見ても言いづらい状況でした。
仏教の場合、自利利他(じりりた)と言い、物事の達成については、自分の為と他人の為の両方があると既に認めています。そして、その両方をやることを二利双修(にりそうしゅう)と言って、我々僧侶が普段修めねばならない修行です。
坊さんへの手紙の書き出しも
「前略 御法体益々ご清祥にて二利御双修の段法幸至極に存じ上げます、、、、」
なんて、良く使います(^^;)
・自分の為に金メダルを目指す
・周囲の為に金メダルを目指す
この二つはどちらもあって当然なのです。しかし、問題はそのあとです。
我々真言宗は、物事の成就には「三力加持(さんりきかじ)」という3つの力が必要だと説いていて、その3つとは
・自分の力
・周囲の力
・神仏の力
です。
ですから、オリンピックで金メダルを取るためには
・自分の力
・周囲の力
そして、それらに「人智を越えた視点でOKを出せるものの力」が必要だと言うのです。
「自分だけ良い成績を取りたい」、「我が国だけ勝たせたい」のような
相手を蹴落としたり、不浄な力で無理やりにメダルを取ろうとしても、神仏は認めないのでしょう。
今回、満足のいく結果に落ち着いた選手たちには、きっとこの3つが合わさっていたのだろうと私は思います。
願い事云々ではなく、この3つの力が合わさっているかどうかは普段もセルフチェックしていきたいです。
| Trackback ( 0 )
|