自然に朽ちてきたものと違い意識的に叩き壊された遺跡を見続ける中で、こちらは悲しい思いにさせるものです。胡坐をかいた仏像の下半身だけの像の左右に頭部を打ち落とされたり、仏像かどうか定かでない像・・・・
赤いレンガつくりの遺跡群の中に立つのは１９年前に続いて今回は二回目です。少しずつ修復再建がなされているとは思いますが、ほとんど変わっていないと思いました。以前は登れたり、入れたりした場所が制限されて近づきがたくなった場所が増えました。保存のためには仕方がないですね。
アユタヤ王朝の三人の王の遺骨をそれぞれ収めた三基の仏塔はアユタヤ観光の目玉です。破壊されつくされた遺跡の中で漆喰などアユタヤ王朝時代の建築の面影を残している数少ない構造物の一つと言われています。
ユネスコの世界文化遺産として登録された遺跡の中に人の生活はなく、観光客に微笑みかけてくれる人はいません。木に括りつけられたココヤシの水を飲みに来たリスがチラッとこちらを見てくれただけです。
タイの古都アユタヤは、バンコクから約８０Ｋｍ北のチャオプラヤー川の中州にあります。１３５１年から４１７年の間アユタヤ王朝として栄えました。日本の古都、京都と違うのは、戦いに敗れて国は完全に破壊され、建物も文化も継承されていないことです。
