「青囊秘録」。この書物は千八百年の長期に渡り、失われて来たが、今回(五十年以上前)、道院のフーチにより、再び復活して来ました。
これは中国の歴史上において、一代の名医と言われた華佗が愛読されておりました。
後漢の末期、三国志の時代、魏の国随一の権力者であった曹操孟徳が晩年に深刻な頭痛に襲われていた。
若い時の曹操孟徳は、正義感と才気に溢れ、当時随一の人物鑑定家の許子は、「治世の能臣、乱世の奸雄」と観られました。晩年、人の怨みと権力欲により、良い性が悪性へと墜ちました。
曹操の頭痛を治す為に、中華随一の名医である華佗が招聘された。
華佗は外科手術により、脳の腫瘍を取り除けば、頭痛は完治すると述べた。
当時は頭を開く手術なる方法は無く、曹操は自分を殺害しようとしていると、疑念を持ち、華佗を投獄し、獄中死、させたのである。
華佗は仙なる道を歩み、透視を以って患部の原因を視て、当時では、手の施しようが無い、腫瘍を見分け切除する為に、麻酔を施し、外科による治療は唯一無二の存在であり、神の如き医仙であった。
なんせ、東洋医学の原形の時代。時代に先立ち、西洋医学的関知を得たのは、その透視と未来を知り示したのは、仙道を歩んだ所以であろう。
華佗が愛読した青囊書とは、仙から伝えられたもので養生を主とした健康法の一つであったようだ。
余談であるが、昔、道院随一の碩学、大道の泰斗と言われた、根本誠乾先生がある宗教教主に、華佗の青囊書がフーチの壇で降ろされていると、教えてあげたら、教主は喜び、「私のところには、漢方を学んでいる優秀な人材が、いるので是非、その青囊書を貸して欲しい」と言われたので貸してあげたと言っていた。
それから二ヶ月後。
私は当時、その宗教に入っていたのですが、会報に、「華佗降臨す。」と大々的に報じられていて、神仕組みにより、〇〇先生に最高の医者である華佗が、降りて来られました。如何なる病も、治すこの〇〇のメイトは、本当の神様が居られる斎庭ですとかなんとか、そんな感じで、玉串も高額収めれば、〇〇先生が華佗と神人合一し、悪い所を透視する云々。献金を求めて、病院をつくるとか云々などなど。
その、元種と裏話を知れば華佗降臨云々の原因は、道院の青囊書。
まあ、神様の名を借り、お金を募集する団体や教主さん、なんて、そんなもんさあ。
根本先生は青囊書とは、修道的養生法であり、これを読めば神医になれるモノでは無いと言われておられましたね。
青囊秘録より、養生訓。
華佗仙翁曰く。
世間の人はみんな、耳目によって、欲望を生じる。
一般の人は耳目の快楽を極め、本来道を求める心を失って利益のみを貪っている。
まだ、良知良能(孟子が曰く、人が学ばずして自然によくする所のものが人の良能であり、別に考えもしないでも、自然に知るところのものが人の良知である。)が、私利私欲によってかき乱され、これによって疾病が生じてくるのである。
身を養うのは、動にあり、心を養うのは静である。
飲食に節度あり、起居には時間の節度はある。
物熟して後に、食し、水は沸かして後に、飲む。
野菜は多く食べ、肉類は少し食べる。
頭は冷たくし、足は暖かにする。
足る事を知る者は常に楽しみ、求める事が無ければ、常に安らかである。
十五の老婆心。
1 タバコは少なく吸い、お茶は多く飲む。
2 お酒を少なくし、水を多く飲む。
3 少し食べ、多く噛む。
4 お塩を少なくして、酢を多く取る。
5 肉は少なくして、野菜を多く取る。
6 砂糖は少なくして、果物を多く取る。
7 怒りは少なくして、多く笑う。
8 悩みは少なくして、多く寝る。
9 衣服は少なくして、多くお風呂に入る。(鬼雷述べる、華美なるファッションに目を向けず、自己の清潔を求めるの意味であると思考致します。)
10 言語は少なくして、多く実行する。
11 欲は少なくして、多く施す。
12 車には少なく乗り、多く歩く。
13 休みは少なくして、多く働く。
14 薬は少なくして、食物から栄養をとる。
15 考えを少なくして、静坐を多くする。
健康の秘訣。
1 笑顔は病をしりぞける、楽しめば憂いを忘れる。
2 足ることを知る者は、常に楽しみ、人を恨まず、人に求めない。
3 食べ物は適度であれば、過ぎる事も無く、不足する事も無い。
4 野菜に豆腐があれば、それで十分だ。
5 食物は、腹一杯食べる事無く、飲み物も飲み過ぎる事無く。
6 暴飲暴食は健康を害する。
7運動は身体を丈夫にし、これを間断することがないように慎む。
8 雑念を取り去って、静坐し、神を養う。