第11回:ノーザンソウルの魅力
01.Chuck Wood:Seven Days Too Long
02.Darrell Banks:Angel Baby
03.Jackie Moore:Both Ends Against the Middle
04.The Blossoms:That's When the Tears Start (Single Version)
05. Lainie Hill:Time Marches On
06.Bobby Sheen:Something New To Do
07.Kenny Wells: Isn't It Just a Shame
08.The Tempos:Countdown Here I Come
09.The Dynells: Call On Me
10.David & Ruben:I Love Her So Much It Hurts Me
11.佐野元春 & The Coyote Band: 君が気高い孤独なら
12.佐野元春 & The Coyote Band: 境界線
13.Stone Foundation:The Turnaround
14.Stone Foundation featuring Paul Weller:Your Balloon Is Rising
15.Barbara McNair: You're Gonna Love My Baby
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■内容の一部を抜粋
佐野元春 : こんばんは。佐野元春です。残すところあと3回の放送となりましたMotoharu Radio Show。今夜はノーザン・ソウル・ミュージックの魅力に触れてみたいと思います。THE MUSIC OF NOTE、Motoharu Radio Show。DJ、佐野元春でお送りします。
・Seven Days Too Long
のちにデキシーズ・ミッドナイト・ランナーズがカヴァーして注目されたチャック・ウッドの「Seven Days Too Long」。
佐野元春 : チャック・ウッド「Seven Days Too Long」。君と会うのに一週間は長すぎる。そんなふうに歌っています。Motoharu Radio Show、今夜はノーザン・ソウルの特集。このあとはダレル・バンクスのレコードに続きます。
・Angel Baby
佐野元春 : 今聴いてるのはダレル・バンクス、曲は「Angel Baby」。ソウル・ミュージックはボディとソウルで楽しむ音楽。Motoharu Radio Show、ノーザン・ソウルの特集。この後は数あるヒット・レコードの中でも特に僕が気に入ってる曲、ジャッキー・ムーア、そしてブロッサムズのレコードに続きます。
・Both Ends Against the Middle
・That's When the Tears Start
佐野元春 : う~ん、いいですね。ジャッキー・ムーア「Both Ends Against the Middle」。そしてブロッサムズ「That's When the Tears Start」。2曲聴いてみました。
今聴いてみたジャッキー・ムーア、アトランティック・レーベルからのシンガーですね。そしてブロッサムズ。このグループはフィル・スペクターのプロデュースで名前が知られた女性シンガー、ダーレン・ラヴ。彼女が在籍していたガール・グループです。このダーレン・ラヴ、ちょっと複雑な事情を抱えていました。1961年、クリスタルズのヒット曲「He's A Rebel」。全米No.1のヒットの曲ですが、実はこの曲はダーレン・ラヴが影武者としてレコーディングしています。要は歌唱力がちょっと弱かったクリスタルズに代わって強力な歌声がほしかったということだろうと思います。ちなみにこのアイディアを実行したプロデューサーは悪名高きフィル・スペクターですね(笑)。ダーレン・ラヴはのちに『バックコーラスの歌姫たち』というドキュメンタリー映画で、このときのエピソードを語っています。僕も観ましたけれどとても面白い映画。興味のある方は是非、ご覧になってみてください。Motoharu Radio Show、ノーザン・ソウルの特集。この後は数あるヒット・レコードの中でも特に僕が好きなシンガーの曲を紹介したいと思います。
一曲目はレニー・ヒルの曲。メロディもいいんですがリリックが素敵です。"一緒にいる私たち もう若いとはいえないんだから 時間を大切にしましょう"、そんなふうに歌ってます。曲は「Time Marches On」。そしてボビー・シーン。'60年代、フィル・スペクターのプロデュースでヒットしたボブ・B・ソックス&ザ・ブルージーンズのヴォーカリストですね。曲は「Something New To Do」。1972年のヒット・レコードです。そしてもうひとり、ケニー・ウェルズ。これもとってもいい曲です。1966年のレコード、「Isn't It Just a Shame」。レニー・ヒル、ボビー・シーン、そしてケニー・ウェルズのレコード、3曲続きます。
・Time Marches On
・Something New To Do
・Isn't It Just a Shame
佐野元春 : ノーザン・ソウル。サザン・ソウルと並んで人気のある米国北部のソウル・ミュージックですね。デトロイト、シカゴそうした街で生まれたR&Bです。レーベルでいうと代表的なのはチェス、そしてモータウン・レーベル。'60年代から'70年代にかけてヒット・レコードをたくさん出しました。ただこのノーザン・ソウルという言葉、実をいうと一般的に広まったのはイギリスでのことでした。'60年代後半のことです。拠点となったのは英国の北にある街、マンチェスターでした。よくサザン・ソウルはちょっと泥臭くてアーシーなサウンド、一方ノーザン・ソウルは洗練されたポップなサウンドと言われます。大雑把にいうとノーザン・ソウルは洒落たメロディ、ごきげんなダンス・ビート、そして都会的なリリックということになります。実際、このノーザン・ソウルの流行を支えたのは当時最先端のファッションや音楽に触れていた'60年代のモッズでした。この'60年代ノーザン・ソウルを聴いて育った世代の中から、のちにジャム、ブロウ・モンキーズ、アズテック・カメラ、そしてデキシーズ・ミッドナイト・ランナーズ。そうした英国ブルー・アイド・ソウルのバンドが生まれました。ではレコードに戻って「Countdown Here I Come」、ザ・テンポス。「Call On Me」、ザ・ディネール。そして「I Love Her So Much It Hurts Me」、デヴィッド&ルービン。ノーザン・ソウルのレコード、3曲続きます。
・Countdown Here I Come
・Call On Me
・I Love Her So Much It Hurts Me
佐野元春 : 今夜のMotoharu Radio Show、ノーザン・ソウルのレコードを集めて聴いています。実をいうと自分のレパートリーの中にも、このノーザン・ソウルを意識した曲が何曲かあります。'80年代で言うと「Wild Hearts」、「Young Bloods」、あたりですね。編曲のスタイルで言うとストリングスのカウンター・メロディが効いている、そんなアレンジです。踊りやすいということも大事だと思います。ライヴでもこの辺の曲を演奏すると、バンドも僕もグッと気分が上がってきます。ノーザン・ソウル傾向の曲、僕のレコードから聴いてください。10月に出るベスト・アルバムから紹介します。佐野元春 & The Coyote Band、「君が気高い孤独なら」そして「境界線」、2曲続きます。
・君が気高い孤独なら
・境界線
佐野元春 :佐野元春 & The Coyote Band「君が気高い孤独なら」、 そして今聴いていただいたのは「境界線」。10月に出る僕のベスト・アルバムから2曲聴いていただきました。
さて、ここで現在活躍しているバンドの中から一組、僕が気に入ってるUKソウル・バンド、ストーン・ファンデーション。このバンドを紹介します。2011年にアルバム・デビューをしています。7人組のバンドですね。ドラム、ベース、ギターに加えてハモンド・オルガン、そしてホーン・セクションという編成です。ヴォーカルのニール・ジョーンズ、影響された音楽はスタックスのR&B、ヴァン・モリソンといったブルー・アイド・ソウルが好きだということ。最新アルバムでは、ポール・ウェラーのスタジオで収録したということ。プロデュースも含めて、現在、ポール・ウェラーが肩入れしているバンドです。ではストーン・ファンデーション、ここで2曲。「The Turnaround」、そしてポール・ウェラーをフィーチャーした曲「Your Balloon Is Rising」、2曲続きます。
・The Turnaround
・Your Balloon Is Rising
佐野元春 : ストーン・ファンデーション、2曲。1曲目は「The Turnaround」、そしてヴォーカルにポール・ウェラーをフィーチャーした「Your Balloon Is Rising」、2曲聴いてみました。DJ、佐野元春続いてます。
さて7月からはじまったTHE MUSIC OF NOTE - Motoharu Radio Show。今回の放送で11回目となります。いろいろな特集をやってきました。ミドル・オブ・60s'、60年代中盤のヒット・レコードの特集。そして日本の古いポップスを振り返るジャパニーズ・ポップスの夜明け。この特集も楽しかったです。またブルースやファンク・ミュージックの特集もありました。まぁ、僕なりの選曲で届けてきましたけれども、みなさんも楽しんでいただけたでしょうか? さて、THE MUSIC OF NOTE - Motoharu Radio Show。来週、再来週と二週に渡って特別な放送を届けたいと思います。自分は今年40周年を迎えたんですが、それを記念してふたつのベスト・アルバムが出ます。ひとつがエピック・レコードと契約していたデビューから2004年までのベスト。もうひとつはそこから先ですね、自分のレーベル、DaisyMusicから出した2005年から現在までのベスト。このふたつのベスト盤が来月10月に出ます。そこで来週、再来週の放送では、なんと、FM COCOLOのスターDJ、野村雅夫さんですね。彼がゲストに来てくれることになっています。僕のベスト盤からの曲を紹介しつつ、ふたりで楽しいお話をしたいと思っています。どんな内容になるか、みなさんも是非、楽しみにしていてください。
時間も残り少なくなってきました。今夜はノーザン・ソウルの特集。特集最後の曲、バーバラ・マックネアルのレコード、「You're Gonna Love My Baby」。今夜はこの曲を聴いてお別れです。
・You're Gonna Love My Baby
佐野元春 : 今夜のMotoharu Radio Show、楽しんでいただけましたか? 来週は野村雅夫DJを迎えて、来月10月に出る僕のベスト・アルバムを特集します。僕も楽しみです。THE MUSIC OF NOTE - Motoharu Radio Show。次回の放送は来週9月18日、よる9時から。同じステーション、同じ時間でみなさんとお会いしたいと思います。DJ、佐野元春。ではまた来週。