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似顔絵(高峰秀子さん) (portrait HIDEKO TAKAMINE)

『高峰秀子の流儀』(斎藤明美著)を読み終えた。
私の敬愛する名女優の、人生と生活と秘められた信条を、
親しくも礼儀正しい付き合いの中から
くっきりと浮かび上がらせた、見事な作品。
読むと自分の性根をしゃきっと正される感じがする。
生きる悩みをあれこれ抱いている人に、勧めたいような気がする。
妙な宗教的救いなどではなく、
人間としての、しっかりした、当たり前の常識というものが
いかに生きるためのバックボーンになるものか。
そして、その常識の裏側に
いかに筆舌に尽くしがたい苦悩があったのか。
決して饒舌に語らない女優の内面を
筆者は丁寧に、時間をかけて推し量ってゆく。
むずかしい本ではない。
しかし、得られるものは並の本よりはるかに重く、真実である。
尊敬する女優の姿を、
今回は描かせていただきました。
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