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似顔絵(丘さとみさん・「裸の太陽」 森田ゆき子) (portrait SATOMI OKA)

うれしいDVDを見つけた。
昭和33年(1958)の東映東京作品、「裸の太陽」(監督・家城巳代治[いえきみよじ])である。
蒸気機関車のカマ焚き(石炭をカマに入れて焚く役目)をしている青年と、
その恋人の、或る真夏の2日間を描いた、きらめくような魅力を放つ作品である。
その年のキネマ旬報ベストテンの5位、
ベルリン国際映画祭で青少年向映画賞を受賞している。
小津、黒沢、木下といった日本映画の巨匠が健在だった頃の5位であるから、
この映画の高い評価が分かっていただけるかと思う。
主役の、ちょっと乱暴者だが気のいい青年を江原真二郎が演じている。
すばらしく気持ちのいい好演である。
そして恋人のゆき子役を、東映のお姫様役で有名な丘さとみさんが演じている。
これが可愛らしく、溌剌として、実に親しみやすい。
映画自体、ユーモアに溢れ、きめ細かい描写に満ち満ちた、
日本の青春映画の隠れた傑作だと思う。
丘さんの魅力を知ってもらうには、DVDを見てもらうしかないが、
似顔絵で少しでもその感じを分かっていただけるだろうか。
お金がなくて、水着のキズものを安く買い、
それにツギを当てたのを同僚から、「大きなツギ。」とからかわれて、
それでも全然気にせず、元気いっぱいに「分かんない分かんない!」と言うところなど、
本当に性格の良い愛らしさが出ていて、何度でも観たくなる演技である。
その他にも、たくさんいいシーンがある。
黄金期の日本映画は、本当にレベルが高かったのである。
江原真二郎さんの実際の奥さんである中原ひとみさんも出演している。
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