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うたのイラスト(「東京の花売娘」 母を偲ぶ歌)

母が亡くなってもう3カ月以上経った。

いまだに気持ちの整理など付かないのだが、

少しは昔のことを振り返ってもいいような気もしてきた。

母は歌が何よりも好きだったので、

母の生きた時代の空気を歌を通して偲んでみたらどうだろう、

そんな気持ちでイラストも描いてみよう、と考えた。

 

母は岡晴夫のファンだった。

岡晴夫といえば、「憧れのハワイ航路」だとか、「啼くな小鳩よ」などで有名だけれど、

母は「逢いたかったぜ」という歌が特に気に入っていたらしい。

これは久しぶりに旧友に再会した男同士の友情を歌った歌だ。

ただ私はこの歌をよく知らないのだ。

でも時代の雰囲気を表すという点では、

同じく超有名曲である「東京の花売娘」(昭和21年)がふさわしいと思う。

作詞・佐々詩生、作曲・上原げんと。

戦後すぐの東京の街角に「花売娘」なんていなかった、という話があるが、

とすると、これは作家の想像力が生み出した情景、ということになる。

もっともこの曲が大ヒットしたあとで、銀座には多くの花売娘が出現したそうである。

しかしその多くが小学生だった、というところに、

当時の人々の生活の困窮が窺われてせつない。

母はどんな境遇で、どんな気持ちでこの歌を聴いていたのだろう。

 


 
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