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うたのイラスト(ヴァケーション:弘田三枝子)

 弘田三枝子さんの「ヴァケーション」を久しぶりに聞く。

 弘田さんが先日亡くなって、多くの人が「人形の家」を思い出したと思うが、私みたいな古い人間には、弘田さんと言えばやはり「ヴァケーション」だろうという気がしてならない。

 これが流行ったのは、わたしが小学生だった頃である。それでもこの明るくて「パンチ」の利いた歌は魅力的だった。アメリカン・ポップスのカヴァーなのだけれど、元のコニー・フランシスより断然弘田さんの歌唱に軍配を上げたい。

 歌っているのはただ「長い休みが来て、うれしくてたまらない。思い切り遊んじゃおう!」というシンプルな気持ちである。それなのに、弘田さんの歌を聞くと、それがとてつもなく楽しいものに思える。こういう歌こそ現在のコロナ禍には実は必要なのではないかと思う。

 弘田さんはその後いろいろあって、別人のような姿になってカムバックした。でも、その裏話には正直深入りしたくない。ただ、デビュー直後の、あの健康さに溢れたダイナミックな歌の明るさを今は聞いていたい。コロナの暗鬱の中で亡くなって行った歌姫への、それが供養になるのだと私は思っている。絵は、歌のイメージを私なりにちょっとマンガ風イラストで。

 この曲はYouTubeで簡単に聴ける(オリジナルのレコードヴァージョンが最高)ので、ご存じない方は是非どうぞ。

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