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文楽(「伊達娘恋緋鹿子」 八百屋お七)

 文楽(人形浄瑠璃)にはとても惹かれる。

 なにか人の絵を描くのと、根本に共通するものがあるような気がする。

 ただの人形に魂を込める人形遣いと、さらの紙面に人を描きこんでいく絵描きと、

どこか共通するものを感じているからだろう。

 パソコンで、文楽の画面を見ながら、紙に移してみる。

 有名な「八百屋お七」を描いた「伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ)」の舞台である。

 恋人のために死罪を覚悟で半鐘を鳴らすお七。雪で滑る梯子を必死で登り、やっと上に辿り着いた瞬間、ふと後ろを向いて江戸の町を見やる姿の、狂気に満ちた美しさ。

 こんな舞台を作り上げた人々の情念の凄まじさを思う。

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