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うたのイラスト(「エーデルワイス」)

ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」中で歌われる、あまりに有名な歌ですが、この歌にはあるエピソードがあります。
作曲はリチャード・ロジャース、作詞はオスカー・ハマースタイン2世。この二人は、「オクラホマ!」「南太平洋」「王様と私」などのヒット作を次々と手掛けたブロードウェイの重鎮でした。
 その最大級の名声を手に入れたハマースタインが胃癌にかかります。もう余命いくばくも無い彼は「サウンド・オブ・ミュージック」中の挿入歌としてこの「エーデルワイス」を人生最後の作品として作詞したのでした。
 栄光と名誉を手に入れた彼が最後に歌ったのが、アルプスの高地にひっそりと咲く「高貴な白」を意味する白い可憐な花、エーデルワイスでした。人間というものが、結局最後はどういうところに戻って来るのかを暗示しているような気がします。

 小さく白く 清らに明るく
 私に逢えば 楽しげな花

 白雪の花が花咲き生長することを願い、最後に「祖国に永遠(とわ)の祝福を」と祈ります。もちろん「サウンド・オブ・ミュージック」のストーリーに合わせた歌詞なのですが、なにかこの世を去る前のハマースタインの心境の一端を覗くような気がします。
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