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うたのイラスト(テレサ・テン「人約黄昏後」)

このごろ昭和歌謡が話題になることが多く、この間もテレサ・テンの特集をやっていた。
でも取り上げられるのは日本でのヒット曲ばかりで、台湾で歌っていた歌はそんなに取り上げていなかった。
彼女には「淡々幽情」という、古い漢詩を現代曲にして歌った傑作アルバムがあるが、これなど日本では話題になることが少ない。しかしいい曲があるのだ。
元時代の朱淑眞という詩人の「人約黄昏後」という詩を歌った曲は簡潔だが情緒があってとてもいい。

去年元夜時
花市燈如晝
月上柳梢頭
人約黄昏後

今年元夜時
月與燈依舊
不見去年人
涙濕春衫袖

去年、元宵節の夜に
花市の灯りは昼のようで
月は柳の梢の上に掛かり
私たちは日暮れてから会おうと約束した

今年、元宵節の夜に
月と灯りは前と変わらないのに
去年の人を見ることはなく
涙が春の袖を濡らす

これだけの詩である。しかしとても味わい深い。
テレサ・テンも美しい。

イラストは似顔絵ではなく、詩のイメージで描きました。
手に持っているのは小さなランタンを先につるした柄の部分。
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