引き続き、宇宙では星の誕生と死が繰り返されていきます。
そして、夏の終わり、8月20~25日頃、そういう無数――私たちのこの宇宙には1000億~1兆の銀河があるといわれていますが――の銀河の一つ、私たちの「天の川銀河」の中に太陽系が誕生します。
といっても最初は、核になる太陽の原型――ほとんどが水素とヘリウムのガス――とその周りを回る円盤状の星間ガスで、まだ惑星ははっきりしたかたちを現わしていません。
大変な速さで回っている星間ガスがいたるところで凝縮して小さな惑星になり、小さな惑星同士が衝突を繰り返して次第に大きくなって本格的な惑星になり、今のかたちに近い太陽系が生まれてきたというのが、現在のところ有力な仮説のようです(松井孝典『地球・宇宙・そして人間』徳間書店など)。
そういう意味でいうと、厳密には全体としてのガス星雲が太陽と惑星にはっきり分かれた時が、太陽系の誕生というべきかもしれません。
つまり、太陽の誕生と地球の誕生は同時だともいえる、ということのようです。
そして8月31日、46億年前、いよいよ、今のところ知られている唯一の生命の星である地球の誕生です。
あるいは、「宇宙の一部が天の川銀河というかたちを現わし、天の川銀河の一部が太陽系というかたちを現わし、太陽系の一部が地球というかたちを現わした」といったほうがいいでしょう。
宇宙の外に、宇宙の一部でない地球が生まれたわけではないのですからね。
ここでも、この46億年前の地球の誕生が、いつかどこか外側で起こった「関係ない」話ではなく、「今ここにいる私」の誕生に直接つながった不可欠の条件だということを、もう一度思い出しておきましょう。
つまり、私たちは「銀河の子」であり、「星の子」であり、「太陽の子」であり、「地球の子」なのです。
逆の言い方をすれば、銀河も超新星も太陽も地球も、私たちの「ご先祖さま」であるということです。
父や母、祖父や祖母、曽祖父や曾祖母……といったご先祖さまだけではなく、地球、太陽、超新星、銀河……そして全宇宙というご先祖さまの、どれが欠けても私は存在しなかった、ということの不思議さを感じませんか。
筆者は、例えば夏の夜、海辺か山の真っ暗なところに寝転んで、それこそ降るような星空、乳白色に煙る天の川銀河を見ながら、改めてこうした自分と宇宙の根源的なつながりについて考えると、全身がぞくぞくするほどの不思議さと感動を実感します。
その不思議なつながりについてさらに考えていきましょう。
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*写真はX線で見た太陽。Credit:NASA