里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

アケボノスミレ 雑木林の林床

2019-04-28 | 日記
気仙沼市本吉町山田地区の北部、沢沿いの林道を下っていると、急斜面を上っていく荒れた
作業道があり、これを何度か折り返しながら登っていくと、なだらかな中腹に出ました。
そこは樹齢20年ほどの若い雑木林で、林床には淡い紅紫色のスミレが点々と咲いています。
観察すると、花茎の先に大き目の花が咲いているだけで、まだ葉が出ていません。
これはアケボノスミレですね。いくつか観察していると、巻いた葉が出かかっている株が
少しはあるものの、多くが花だけですから時季が早すぎたようです。
この山での盛期は5月初旬でしょうか。




                             二枚とも2019.4.24撮影

この場所は山地の中腹で標高は100mほど、南西向きのなだらかな斜面~尾根に広がる雑木林
内で、そこに荒れた作業道が通っています。アケボノスミレはふつうの林床よりも、作業道の
周りに多い印象です。ただ、土が露出した法面には生えておらず、腐葉土上の落葉を持ち上げ
るかのように、花茎を伸ばしていることが多いですね。
なお、腐葉土の下は乾燥気味の赤土です。


                                 2019.4.24撮影

スミレ科スミレ属の多年草で、本州~九州に分布し、草丈は5~10cm。
山地の明るい雑木林の林床や林縁に自生し、腐葉土の多い乾燥気味の場所を好む。
根茎は太く、地中を斜め~横に伸びる。近接した節があり、その間から根が出る。
地上茎は無い。葉は花よりも数日遅く、開かずに巻いたまま出てくる。
葉身は円心形で長さ4~7cm、先端は急に尖り、基部は心形。縁には低い鋸歯がある。
葉質はやや厚く、両面と葉柄に微毛がある。葉柄は長さ7~10cm。
花期は4~5月、長さ5~10cmの花茎の先に、直径2cmほどの淡紅紫色の花をつける。
側弁基部は無毛またはあっても少ない。花弁は厚みがあって、樹形状の細かいシワが多い。
距は太くて短く、長さ3~4mm。
果実は蒴果、楕円体で長さ1~1.5cm、先が尖る。表面には紫斑がある。


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