里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

アカシデの紅葉

2018-11-03 | 日記
栗原市栗駒沼倉地区西部、山地中腹の標高250mあたりに平坦な地形があって、ここに
田んぼが開かれ今も耕作されています。車道を西へ歩いていると、農道脇の雑木林に
鮮やかに紅葉した木が見えます。立ち寄ってみるとシデの仲間と思われますが、具体的
な名前までは判りません。サワシバ、クマシデ、アカシデ、イヌシデなど何種類かあ
りますからね。葉や樹皮の特徴が判るように撮影し、帰ってから同定しましょう。




                             二枚とも2018.11.1撮影

葉の先端がやや長い尾状に尖っていますから、サワシバかアカシデでしょうね。
ただサワシバはもっと葉が大きいようですから、これはアカシデと思われます。
念のため樹皮も確認しましょう。
サワシバの樹皮には浅い菱形の裂け目ができるのに対し、写真の樹皮は平滑で多少の皮目が
ある程度です。これはアカシデの特徴と合致するので「アカシデ」と同定します。
日照や湿り気の多少で、黄色~橙色~朱紅色と様々に紅葉するようです。

アカシデを漢字表記すると「赤四手」で、その由来は花芽や雄花が赤みを帯びるので赤が
付き、四手は果穂がしめ縄に下げられた四手に似ることからの命名といわれています。




                             二枚とも2018.11.1撮影

カバノキ科クマシデ属の落葉広葉樹で、樹高15mほどの高木。北海道〜九州に分布する。
日当たりの良い山野に自生し、沢沿いや川岸など湿り気のある場所を好む。雌雄同株。
樹皮は暗灰色でなめらか。老木では筋状のくぼみが目立つ。
葉は互生し、葉身は卵形~卵状楕円形で長さ3〜7cm、縁には不ぞろいの細かい重鋸歯がある。
先端は尾状に長く尖り、基部は円形。質は薄い洋紙質。側脈は7〜15対あり、裏面に突出する。
葉柄は長さ3〜14mm。はじめ有毛だが、のち無毛。
花期は4〜5月、葉の展開と同時に開花する。雄花序は黄褐色で長さ4〜5cm、前年枝から垂れ
下がる。苞は広卵形で紅色を帯び、先端は鋭く尖り、ふちに軟毛がはえる。雄花は苞に1個ずつ
付き、雄しべは8個。葯の先は紅色を帯る。
雌花序は本年枝や短枝の先端に上向きに付くか、または垂れ下がる。苞は卵状披針形。雌花は苞
に1個ずつ付く。果実は堅果で8〜9月に熟す。果穂は長さ4〜10cm、葉状の果苞が疎らに付く。
苞は長さ1〜1.8cm、基部で3裂し、縁には粗い鋸歯がある。果苞の基部に堅果が1個付く。
堅果は長さ3.5mmの広卵形で、表面に縦の筋が7〜10個ある。



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