里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

モミの幼木 鹿の食害

2023-03-13 | 日記

石巻市河北地区、海側から林道をゆるやかに上がって行くと、道下にモミの大木が数本聳
えていて、その周りに幼木らしきものが数本見えます。
斜面を下って確認するとモミの幼木ではありますが、枝先が寸詰まりで矮小化しています。
モミの木は幼木でも円錐状の樹形になりますが、先端をシカに食い千切られて矮小化した
ものと推測されます。それを裏付けるかのように、周囲にはボロボロとシカの糞が散らば
っています。

周辺を歩き回ると、同じように矮小化した幼木や、過度の食害で枯れかかって葉が黄ばん
でいる幼木もあります。これでは有毒な樹種以外は幼木が育たず、長い年月を経れば森が
消滅してしまうかも知れません。牡鹿半島や雄勝地区同様に、北上川以南の河北地区も本
気で鹿を駆除せざるを得なくなるのでしょうか。

                             三枚とも2023.3.5撮影

マツ科モミ属の常緑針葉樹で、樹高20~30mの高木。雌雄同株。
秋田県以南の本州~九州に分布し、山地の尾根筋や斜面などに自生する。
生長が速く幹は直立、枝が斜上するため円錐状の樹形になる。
樹皮は灰白色で、生長とともに浅く鱗片状に割れ目が入る。
葉は互生し、長さ2~3cmの扁平な線形。若木の葉では先が二又になり鋭く尖るが、大
木の枝では葉先が小さく凹む程度。
葉表は濃緑色で光沢があり、葉裏は淡緑色で2本の灰白色の気孔列がある。
花期は4~5月、雄花は黄色い円筒状で、前年枝の葉腋に下向きにつく。
雌花は緑色の楕円状で、前年枝の葉腋に1個ずつ上向きにつく。
果実は円柱形の毬果で、長さ9~13cm、直径4~5cm。上向きに直立する。
種子は長さ10mmほどで翼があり、秋に風で散布される。



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