南三陸町歌津地区北部、港集落跡から国道をしばらく上って行くと、右手に石垣があって、
その隙間のあちこちに、マンネングサの仲間と思しき植物が生えています。
茎が分枝して立ち上がり、密に付いた葉が厚くて米粒のように見えます。
これは植物図鑑で読んだ「タイトゴメ」の特徴とよく似ています。
ただ、タイトゴメの分布域は関東以南だったはずで、県北の道路沿いの石垣に無造作に生
えているのは不自然です。たぶん、園芸栽培されていたものが逸出したのでしょう。
二枚とも2020.6.10撮影
植物図鑑等で調べると「海岸の岩場や岩礫の隙間に生え、葉は多肉質の円柱形で先端が丸
く、茎に密生して付く。」「通常の茎葉は緑色だが、強日照下や冬季には赤くなる。」と
ありますから、タイトゴメで間違いないでしょう。
関東では花期が6~7月とありますから、より北に位置する歌津では、7月になったら花
が咲くかもしれません。
「松江の花図鑑 タイトゴメより」
2020.6.10撮影
ベンケイソウ科マンネングサ属の多年草で、本州の関東地方〜九州に分布する。
海岸の岩場や岩礫の隙間、砂地に生える。草丈は5~10cm。
茎は肉質で長く這ってよく分枝し、先は側枝とともに斜上~直立して葉を密につける。
葉は密に互生して無柄、円柱状長楕円形~円柱状倒卵形で円頭、長さ3~7mm。
質は肉質で、花をつけない茎につく葉はしばしば赤みを帯びる。
花期は6~7月、側生する花枝に集散花序を出し、濃黄色の花を3~10個のつける。
花の直径は1cmほど、花弁は披針形で星形に開く。雄しべは10本で直立し、葯は濃黄色。
雌しべは基部でわずかに合着するだけの、5個の子房からなる。
果実期になると各子房の内側が膨らみ、果実は星形の袋果となる。
種子は楕円形で長さ6mmほど。
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