志賀高原のシンボル的な山がある。
笠の形をした、その名も笠岳。国土地理院の地図には笠ヶ岳とあるが、この辺りでは誰もそうは呼ばない。
標高は2,075メートル。
年に数回は表敬訪問と称してこの山に登る。
1,900メートル付近にある峠までは車道がある。
峠の茶屋が登り口。
この峠を越えると山ノ内町になる。
笠岳の後ろ側は熊の湯スキー場がある。県外ナンバーの車が峠の駐車場にたくさん停まっている。
その脇にセローを停め登山開始。
ほとんどが階段状の道になっており、かなりの斜度がある。
後ろを振り返ってみると転げ落ちそうな斜度だ。
標高2,000メートルを超えるとさすがに涼しい。
両側には根曲がりだけがびっしり。今はタケノコ狩りのシーズンだ。
途中の道路脇にはタケノコ狩りの車がたくさん停まっていた。
僕はどうしてももっと高いところを目指してしまうので、タケノコ狩りはほとんど行かない。
毎シーズン、タケノコ狩りの遭難者が何人か出る。それだけ山が深い。
山を登っているとき、ほとんど何も考えていないが、風のにおいや花の色、雲の動きなどが敏感に感じ取れる。
もうイワカガミが咲くきせつになったんだな。
その名もゆかしいツマトリソウ。
白い花びらの中にかすかに緑の色がある。
自然は絶妙な配合を用意するものなんだな。
この自然の中に僕を置いたのも天の配剤なのかな。
とてもよく似合っている、多分。
山頂には誰もいなかった。
。
距離は550メートル。かかった時間12分55秒。
急な階段の途中で、多くの人は足が上がらなくなる。
僕は今でも恐怖の30日チャレンジスクワットを続けているので、そんなことはなかった。
スクワットは今日11クール18日目、185回。
すなわち、348日間続けていることになる。
毎日5回増える。30日経つと前回のスタート時より5回増えてスタート。
継続は力なり。
大きな岩の上に小さな祠がある。
この山頂に立つと360度の展望が楽しめる。
近くに横手山。
白根山や冬に噴火した本白根山、浅間山、岩菅山も見える。
北アルプスは霧の向こう側。
今回ジェットボイルというバーナーのデビューの日だ。
モンベルに行ってその都度物欲しげに眺めていた。
おいそれとは買えない。消費税抜きで20,000円もするのだ。
だた、収納性がすこぶるいい。
熱効率が革命的。
サーマルクッキングという余熱料理が可能。
それを見ていたかみさんが言った。
『年度末手当てが入ったら10,000円補助するから買ったら?』
そしてようやく手に入れたジェットボイル。
刻んだ野菜と明星チャルメラ、水を持ち山頂で調理してみた。
結果は大満足。
野菜がたくさん入ったチャルメラはとても美味かった。
これを持ち南アルプスの聖、赤石、荒川三山、三伏峠への縦走はいつできるのだろうか。
取り敢えず日帰りでもいい。餓鬼岳へでも行ってみたいものだ。
この山のふもとには山田牧場がある。
確か東洋のサンモリッツと呼ばれている。標高1,600メートル。
夏場は牛が放牧されて、冬はスキー場になる。
更に降ると雷滝という名所がある。
この滝は高さ40メートルくらいあり、滝の裏側を通ることができる。
別名裏見の滝。
この滝の写真をなかなか上手く撮ることができない。
縦構図にするといいのだろうが、天邪鬼の僕はそれが嫌なのだ。
音がすごくて雷のようだというのが雷滝の由来。
夏の暑いときなど水しぶきでマイナスイオンいっぱいで涼しい。
同じ村の中にこんな所があるのはすごく贅沢なのだろう。
田舎暮らしは悪くない。