白樺小舎便り(しらかばごやだより)

北信濃の田舎暮らしの日々

七夕メニュー

2020年08月06日 21時15分43秒 | 日記
今日はもう立秋。
そして旧暦の七夕。
空を見上げると、織姫と彦星のあいびきは雲に隠れて見えない。
子どもの頃のように、大きな竹に飾りつけをすることはなくなったけれど、やっぱり夏の風物詩、ささやかな七夕メニューで夕食。
そうめんと、畑で採れた野菜のかき揚げ、漬物、生野菜、モロコシ。
デザートは北海道のマスクメロン。

北海道にいる娘が送ってくれたものだ。
とても自分では買えない超高級品。
北海道のメロンといえば、決まって思い出す。
『男はつらいよ 寅次郎相合傘』の中で、船越英二扮する兵頭から届いたメロンを巡る騒動のことを。
居れば迷惑極まりないこの男が、居ないと何故か気になり懐かしくなる。渥美清がなくなってもう二十五年が過ぎる。おいちゃんも、おばちゃんも、御前様もみんな旅立った。
もうお盆も近い。旅立った人々を偲ぶのもいい。
昨日は広島の原爆忌。
黒い雨裁判がやっと被害者の救済に道を開いた。
終戦から七十五年になる。
裁判関係でもう一つ、安曇野市の介護施設、あずみの里でドーナッツをのどに詰まらせて死亡した事故で准看護師の責任が問われ、一審で有罪になっていたが、二審で無罪判決となった。介護施設の職員たちはいつ自分に降りかかって来るかと戦々恐々として委縮していた。そもそもその職に就くことそのものが敬遠されていた。
自分も無罪にするよう署名に参加していたので、この判決はうれしい。
八月は、キラキラした透明なイメージとともに、原爆、終戦、お盆と、意外と近くに死があることを意識する月でもある。

話は逸れたが、北海道のメロンは甘くておいしかった。

我家の畑でも毎日いろいろな野菜が採れる。
これは昨日の昼メニュー。
この時期、やっぱりそうめんは定番。

畑に熊が出たらしいという情報が入った。
近所のトウモロコシが荒らされたという。
うちのそば畑に足跡があるという。
大きさからみて熊に間違いないらしい。
幸い我が家のトウモロコシは無事。
山際とか川の縁には電柵が設置されているが、どこか抜け道があるらしい。

午前中は真面目に草取りに精を出した。


畑の縁に花畑を作ってあるが、マリーゴールドが繁殖して、他の花が咲けない。
密を防いで適度な空間を作らねばなるまい。
秋作の苗作りや土作りもそろそろやらねば。
八月、夏山へも幾つか行ってみたい。
色々と忙しいこの月、自分は一つ歳を取る。

細胞の隅々まで蘇った気がする 久々の火打山

2020年08月06日 20時14分23秒 | 日記
長かった雨の季節。
今も続くコロナ騒ぎ。田舎暮らしにはさほど影響はないけれど、さすがに高い山には気楽に出かけられない。
ほどほどに高くて、ほどほどに混雑していないだろう山として、火打山を選んだ。
深田百名山のひとつ。標高は2,462メートル。日本ではこれより北にこの高さを超す山はない。
朝3時半に自宅を出た。
車で約1時間半、登山口の笹ヶ峰に着いた。笹ヶ峰は深田久弥が『おそらく日本で最も美しい高原のひとつ』と呼んだ。
朝5時の駐車場には県外ナンバーの車が何台も並び、平日ではあるが、人が来ているのだなあと思う。
登山口で登山届を提出。何人かが出発準備をしている。既に登っている人もいるようだ。
ブナの森を抜け、木の歩道が敷かれた道を登る。
ブナは特別な樹だ。森の進化の最終形。安定した豊かな森のシンボル。
とうとうと水が流れる黒沢橋。そのあとに出てくる十二曲がり。急坂を登り切ったところにある富士見平。どれもみんななじみの場所だ。
ほぼ平坦な草原を辿れば、まばらな林の中に見えてくる三角屋根。高谷池ヒュッテだ。思い違いだろうか。昔は赤い屋根だったような気がする。今は自然に溶け込んだ焦げ茶色。
テント場にはテントが数張り。北アルプスとは違い、テント場の予約までは必要ないそうだ。
生まれ変わったら、天狗になってここに住みたいと書いていた人が居る。分らんでもない。
キラキラした短い夏。草紅葉に染まる秋。天井の楽園。
ただ、一年の半分は深い雪の中だ。冬にはどこか別荘が必要だ。














湿原にはワタスゲが咲き、目の前にはたおやかな火打の姿や、ドーム型の焼山。それらを映す水面。





もはや言葉などいらない。
山に来て、細胞の隅々まで生き返った気がする。
長距離の運転を二日続けた後遺症で、腰痛が続いていた。
それも山に来れば直る。

ここを登れば山頂。山の上の大きな平地にもう一つ山が乗ったような火打山。

何となく日本海が見えるような...。
白馬三山も雲の上に見えていた。

槍の姿も見えていた。何か呼ばれているような気がした。

山頂まで三時間。気持ち良い汗をかいた。

下りは走りも入れて二時間ほど。

登山口にはこれから上る人の姿も。

下山後、途中にある温泉に立ち寄ったが、あいにくの定休日。
仕方がないので近くのランドマークなんたらという施設で入浴。基本的にカタカナ名前や大きな施設の温泉は好きではない。鄙びた山の湯が好きだ。

半日の山旅だったが、久々の山を堪能した。
さて、次はどの山にしよう。