葡萄は同じ品種でも栽培される土地の影響を受けて、違う表情を見せるものです。
そういう事がシノニム=異呼称を生み出すのかも知れません。
とはいえ、やはりどこかにやっぱり同じ品種、という部分があります。
しかし、その点ではピノグリは各地で栽培されながら、表情の違いの幅が大きい代表選手かなと思います。
例えばドイツではルーレンダーと呼ばれるものは甘口に造られ、グラウアーブルグンダーなら辛口寄りで香りのニュアンスも違います。
アルザスのピノグリは華やかで丸く、ブルゴーニュのそれはピノブーロと呼ばれて、香ばしさと共に熟成の速さを感じさせます。
イタリアではピノグリージョとなり、やや優しい印象。オレゴンでも造られますが色は淡くミネラルを主張。
勿論、私の書いた印象が全てではありませんが面白い品種ですね。
ちなみにピノグリはピノブランと並んでピノノワールの亜種です。
ピノブランは色素が無く白葡萄に変化し、ピノグリは淡い色合い(例えばデラウェアのよう)を残しています。
その色合いからくる赤ワインに感じるような香りのニュアンスの強弱や、白ワインの酸の強さと赤ワインのそれの優しさの中間の「程よい円やかさ」と「赤にも通じる香り」は幅広い食材との相性に対峙します。
アルザスの場合、ゲヴルツトラミネールもそうですが「淡い色合いの赤のニュアンス」は重宝します。
今月はアルザスのちょっと熟したいい畑のものが開いています。
お試しください!!