ボージョレでヌーヴォーが世に出て半世紀以上が経ちます。
勿論、古くから「出来立てのワイン」というのは存在していたはずですが、よその国や地域に訴求するというのは紛れもなくボージョレのデュブッフ氏の功績によるものだろうとおもいます。
その中で解禁日の変遷もありました。
ボージョレは11月15日だったものが86年頃(正確には失念しました)から、流通に土日曜が掛からない様にと第3水曜の午前0時となりました。
という事で今年は11月20日(21日に明けた瞬間)の深夜ですから、最も遅い解禁日となります。
ひるがえってイタリアは昨年から10月30日を解禁日としましたので、その差は3週間になります。
一足先の「収穫祭」という事ですね。
そむりえ亭ではボージョレを少々入れる予定ですので、しばらくは静観。
さて、今年はフランスもイタリアも全体的に収穫が遅めになった地域が多かったようです。
この所、温暖化で早い収穫だったこともあり、イタリアの生産者は一ヵ月半での準備。
大変だったろうな、と思います。
どうぞイタリアンで召し上がる方は、その努力も一緒に楽しんでください。
ちなみに収穫は遅かったものの、糖度は充分に熟していたと聞きますし、ミネラルも豊富。
結実不良=ミルランダージュによる凝縮もあり、旨味はタップリのようです。
ただ生産者としては収穫量が減っているでしょうから、頭に痛いところですね。
ヌーヴォーもノヴェッロも熟成した芳醇さを鑑賞する飲み物ではありません。
採れたての果実の弾ける香り、強いタンニンを抽出しない柔らかな造り、木樽からのエキスの無い純な風味。
まさに農業の有難さを祝うものです。
そむりえ亭は20日の深夜から2、3日で売り切れるくらいの量のボージョレを入れる予定です。
どうぞ、昨年までの味わいを思い出しながら「ああ、今年はこうなんやあ!!」と楽しんで頂ければ、と思います。